ビーナ君が料理を作ってくれるだけの怪文書

ビーナ君が料理を作ってくれるだけの怪文書




冷蔵庫を開け中に入っている物を確認する


ビーナ(鶏ももと鯖の切身、昨日の夜作ったキャベツと白菜の浅漬け、それから豆腐と大根と人参、レタスにその他調味料等々……)


口元に手をやり少し考え込む。


ビーナ(……唐揚げと鯖の塩焼き、それから味噌汁と浅漬け……うーんバランスちょっと悪いな。唐揚げがあるなら鯖はいらないか?)


ビーナ(唐揚げとレタス、野菜多めの味噌汁と浅漬け……うんバランスいいしこるにするか)


そうと決まればと準備に取り掛かる。

鍋に水をなみなみと注ぎ、コンロの上に起き火をつける。


鍋が沸騰する前に唐揚げの下準備を行う。

もも肉を大体5cm台に切っていく。


ビーナ(カリカリのも欲しいから幾つか小さめにカットしておくか)


ボウルに切った肉と塩胡椒、マヨネーズ、おろし生姜とニンニク、少量の料理酒と醤油を入れしっかり馴染むよう揉み込んでいく。


一通り揉んだらラップを被せ冷蔵庫に10分程放置する。


次は味噌汁の野菜を切っていく。

手早く大根と人参をイチョウ切りに刻む。


ビーナ(豚肉もあったし豚汁に……いや唐揚げあるし……よくよく考えたらあいつらそんなの気にせず無駄に食べまくるし別にいいか?)


冷蔵庫から薄切りの豚肉を取り出して適当な大きさに切っていく。


ビーナ(あーこれ洗うまな板増えるな……)


ちょっと後悔しつつ切った野菜と肉を鍋の近くへ運ぶ。


ビーナ(鍋は沸騰してるな……少し火を弱めるか)


揚げ物用の鍋に軽く油を引き、野菜と肉を軽く炒め火を入れていく。

二度手間で何だかもどかしい感じを覚えつつ、火の通った野菜と肉、そして刻んだ豆腐を鍋の中に入れ煮ていく。

浮き上がるアクを取り、一通り取り終えたら顆粒だしを入れて混ぜ、味噌を溶かしていく。

火の温度を弱火に替え暫く放置する。


ビーナ(よし、次は唐揚げの準備)


冷蔵庫に入れていたボウルを取り出し、もう一度軽く揉み、余分な汁を捨てる。

そこに薄力粉をかけ、ねっとりとした感触になるまで混ぜていく。


ビーナ(この感覚がどうも……)


バットに片栗粉を広げ、肉に片栗粉を纏わせていく。片栗粉を纏った肉は別にバットの方に並べていく。


揚げ物鍋を軽く洗って水気を取り油を注ぎ入れ、火を点ける。

菜箸を入れふわりと泡が立つのを確認したら油の中に肉を入れる。


パチパチ、シュワシュワと油が沸き立つ音が響く。大体二分、衣が硬くなったのを見計らい箸で唐揚げを掻き混ぜ熱が均等に渡るように位置を調整する。


一度、油から引き上げ鍋の中に漂うカスを取り除き、もう一度鍋に肉を入れ直し揚げていく。

衣がカリカリに硬くなるよう空気に触れさせるように混ぜながら揚げていく。


ビーナ(小さめに切ったやつはもう出していいな)


パチパチ、シュワシュワ、パチパチ、シュワシュワ……油の跳ねる音が響く。


ビーナ(次はレタスと盛り付けだな)


レタスを洗い唐揚げと同じ皿に盛り付ける。狐色の塊と濃い緑色の組み合わせが中々に良い。

茶碗にご飯を盛り、お椀に味噌汁を入れ、小鉢に浅漬けを盛り付け一つのトレーに乗せ、テーブルで待つアホ共の元に持っていく。


ビーナ「ほらよカス共ありがたく感謝して食え」


アイン&セラ&メレク「「「イェーイ!サンキュービーナ!!」」」

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