ヒータの災難

ヒータの災難

あにまんのlicorne

ヒータはこの日、仲の良い友人のであり同じ霊使いのエリア、ウィン、アウスと共に街の祭りに参加していた。

彼女らは射的や金魚すくいなどを楽しんだり、かき氷などを食べたりして祭りを楽しんでいた。

「ねぇ、次はあれやってみようよ!」

と、そう言ってエリアが指差したのは輪投げ屋だった。

「いいぜ!行こうぜ!」

そう言って駆け出したのはヒータだ。

それに続いてエリアたちも走り出す。

その時であった

「ん!?」

ヒータの臀部に誰かの手が触れた感触がした。ヒータはその手の主を見つけようと振り返ったが、人混みの中であり誰が触ったのか特定はできなかった。

ただの偶然かもしれない。たまたま手が当たってしまっただけかもしれない。

そんな考えがヒータの頭をよぎる。

ヒータは気持ちを切り替え、輪投げ屋の方へと行こうとした。その時であった

サワサワ…

「なっ!?」

今度は明確に尻を撫でられた感覚があった。ヒータは急いで振り返ったがそこにいたのはエリア達だった。

「ヒータちゃんどうしたの?」

そう言ったのはウィンである。

「あ、ああ、なんでもない……」

気のせいか?と、そう思いながらヒータは歩き始める。しかし、やはり何者かが自分の尻に触れているのだ。

(くそっ誰だよ!!)

そう思っても、この人混みでは犯人を特定することはできない。

そして、その後も何度かお尻に何かしらの接触を感じる。

その度にヒータは振り返るがそこには誰もいない。

そうしているうちに輪投げ屋に到着した。

「輪投げ、誰からする?」「エリアがしたいって言ったんだし、エリアからしなよー」

などと会話しながら4人は列に並ぶ。

順番はすぐにやってきた。

「じゃあ、私やるね!!」

そう言うとエリアはお金を払って輪っかを受け取った。

「えいっ!!!」

掛け声とともに放たれた輪っかだったが、それは残念なことに景品には届かなかった。

「あー惜しい!」「もうちょっとだったね~」

エリアは少し残念そうにしながら戻ってきた。

続いてウィンが挑戦したが惜しくも全て外してしまった。

その次はアウスの番になった。

アウスはお金を払い、輪っかを受け取ると狙いを定めて投げる。すると、見事に輪っかは棒に引っ掛かり、景品を獲得する権利を得ることができた。

「やったぁ!」

アウスは嬉しそうな声を上げ、どの景品を受け取ろうかと思案していた。

最後はヒータの番になった。

「ヒータちゃん頑張れー!!」「頑張ってー!」

アウス達の応援の声が聞こえる。

友人たちの応援を背にヒータが狙いを定め輪っかを投げようとしたその時。

サワサワ……

(なっ…!?)

またしても臀部を撫でられる感触を感じた。

ヒータの周りにはゲームの邪魔にならないよう人がおらず、この状況でヒータの臀部を触れるものなど誰も居ないのにだ。

「くっ…!」

先程と違い臀部だけでなく胸までもを触られている感触がした。

「なんなんだよこれ…」

思わず涙目になりながらヒータは呟いていた。

しかし、せっかくの祭りだ。友人達に変な心配をかけてはいけない。意を決したヒータは輪っかと投げる。

だが、常に臀部に胸までまさぐられている状況では狙って輪っかを投げることなどできず、結果は散々なもので結局ヒータは一つも景品を獲得できずに終わった。

その後ヒータはずっと目に見えない何かからのセクハラを受け続けながらも、表面上はいつも通りに振舞いながらヒータは友人達との祭りに参加していた。

しかし、それも限界が近づきつつあった。

(なんなんだよこれ!オレの体をねちっこく触りやがってよ…)

ヒータは悔しさと恥ずかしさのあまり今にも泣き出しそうになっていた。

そんな時であった。

「ヒータちゃん、大丈夫?」

と、心配そうにヒータに声をかけたのはアウスだ。

「えっ?」

「なんだか元気がないみたいだから」

「あ、ああ…すまねえさっきから少し体調良くなくて…」

「そうなの?なら早く帰った方がいいんじゃない?」

アウスの言葉に他の二人も同意するように首を縦に振る。

「そうだな…先に帰らせてもらうわ」

ヒータはそう言って三人に別れを告げると一人家へと向かって歩いて行った。

その間も目に見えない何かからの愛撫はねちっこく続いていた。

「ちくしょう……なんなんだよ……!」

そう言って祭りの会場から出たその時。

「うひゃあっ!?」

突然ヒータの全身を何かが舐め回すような感覚がした。

「やめてぇ……やめてくれよぉ……」

ヒータはその場にしゃがみ込み身をよじらせる。

「こんなことされて気持ち悪いはずなのに……どうして体が熱くなってるんだ……!」

自分の体の変化に疑問を抱きながらも、それでも体は正直に反応してしまう。

「はぁ……はぁ……はぁ……んっ……んんっ……!」

ヒータは足に力を入れなんとか立ち、自分の意思とは関係なく発せられる甘い吐息を必死で抑えながらふらふらと歩いた。その時だった。

「きゃっ!?」

ヒータは足を滑らせて人を巻き込んで転倒してしまった。

「痛ててて……すみません!大丈夫ですか!?」

ヒータは慌てて起き上がるとその人物に手を差し伸べる。

相手の男性は酒臭く、ひどく泥酔してる状況ではあったが、特に怪我などはしていなかった。

「本当にごめんなさい!」

「なんだよ…いてぇじゃん…」

男はそう言うとヒータの腕を強く掴んだ。

「え……!?」

ヒータはその力の強さに驚く。

「へっ、可愛い顔してんな……肌も綺麗でいい女だ……ちょうどいいそっちからぶつかってきたんだ…お詫びに一発ヤらせろよ……」

そう言うと男はペロリと舌なめずりした。

「ひっ……!」

そのおぞましい仕草にヒータは恐怖する。

男はヒータの腕を引っ張り裏路地へと彼女を連れ込んだ。

ヒータは大声を出して助けを求めようとするが、ヒータの口からは何の音も出なかった。

(なんで!声が出せない!)

ヒータはパニックに陥る。

「へへ…女の服を脱がすときが一番興奮するってもんよ…」

男はそう呟きながらヒータの服を脱がそうと手を伸ばしてきた。

ヒータは暴れて逃げようとしたが彼女の体は見えない力によって拘束されており、彼女の意志では指一本動かすことができなかった。

そのためなんの抵抗もできずヒータは簡単に服を脱がされてしまう。

(なんで!声も出せないし体も言うこと聞かねぇんだ!)

「はぁはぁ……良い体じゃねーか」

ヒータの露になった白い柔肌を見て男の欲望はさらに膨れ上がっていく。

目に見えない何かによって長時間愛撫された秘所は既に濡れきっており、彼女の身体はすでに準備万端であった。

「へ~もう濡れてるなんて期待してた?」

男はそんなことを言いながらズボンを脱ぎ己の肉棒を取り出した。長さ太さ共に普通の物であったが、男を知らず体も満足に動かせない今のヒータには恐怖の対象でしかなかった。

「それじゃあいただくとするかな」

そう言って男は肉棒をヒータの秘所まで近づけていく。

(いやだぁ……助けて……誰か……)

ヒータは涙を流しながら心の中で叫んだ。しかしその願いは叶わない。

男は肉棒をヒータの秘所の入り口にあてがうと、彼女の細い腰を掴み一気にヒータの中へと挿入した。

(いやあああああああああ!!!)

膜が裂け、彼女の細い膣に大きな肉棒が挿入され無理矢理広げられていく。

(いたっ……)

あまりの痛みにヒータの目からは涙がこぼれ落ちる。

「なんだぁ?処女だったのか?でももう遅いなぁ」

そう言って男は容赦なくピストン運動を開始した。

パンッ、パァン、という音を立てながら激しく打ち付けられる。

(ちくしょう…ちくしょうちくしょうちくしょう)

ヒータの心の中では悔しさと怒りが入り混じった感情が渦巻いていた。

「うっ…!そろそろ出そうだ……」

男はそう呟くと腰を動かす徐々に速度をあげていった。

ドクンドクンと肉棒が震え膨張したのをヒータは膣で感じ、そして恐怖した。

(やだ……やだやだやだ!)

ヒータは涙を流しながら懇願しようとするが、彼女の口は彼女の意志に反して全く動かなかった。

「ぐっ……出るっ!」

男の亀頭がヒータの子宮口に密着しビュードビューと勢いよく精液が肉棒から放出され、ヒータの子宮を満たしていく。

(やだぁぁああああああああああああああ!!!)

ヒータは絶望の表情を浮かべることしかできなかった。

その後、ヒータは男が満足するまで何度も犯された。やがて男はヒータの胎の中に全ての精液を吐き出すとようやくヒータを解放した。

「ふう……もう出ねえ…気持ちよかったぜ……」

男はそう言ってヒータの秘所から己の肉棒を抜くと、射精された大量の精液が地面に流れ落ちた。

「ううぅ……」

ヒータは泣き崩れるがそんなことは気にせず男はどこかへと去って行った。

「うっ……ううっ……」

ヒータは嗚咽を漏らしながら服を着るとよろめきながらも立ち上がり、ふらつく足取りで家へと帰って行った。

家に帰り着く頃には日付は次の日になっていた。

ヒータは家に帰った後すぐにベッドに横になり眠りにつきたい衝動にかられたが、避妊のための精霊術を自らの体にかけなければ子を孕んでしまうことを思い出し重い足取りで術を行う部屋に行った。

「ちくしょう……どうしてオレがこんな目に……」

ヒータはそう呟きながら精霊の力を借りて体内に入った精子を殺すための精霊術を始めた。

精霊術自体は数分で終わる簡単なものであったが、その時間はヒータにとってはとても長く感じられた。

「終わった……これで大丈夫なはずだ……あとは風呂だ…」

精霊術は成功したため胎の中の精子が受精する可能性は限りなく低くなったが、男に犯されたことに対する嫌悪感と屈辱感はまだ残っていた。

そのためヒータはすぐに体を洗い流し、胎に出された精液を掻き出したかったのだ。

シャワーを使い風呂場で必死に掻き出しだが、男の精液は想像以上に粘度が高いのかどれだけやっても胎の中に残っている感触があり、それがヒータにさらなる不快感を与えた。

「やっと全部出た……」

1時間以上格闘した末ヒータは安堵のため息をつく。

湯船に浸かりしばボーっとした後、寝間着を着用し彼女はベッドへと体を放り投げた。

「今日はもう寝よう……」

そう言ってヒータは部屋の明かりを消し、深い闇へと意識を沈めていった。



翌日、ヒータはいつも通り友人のウィンとアウス、エリアと共に鍛錬に勤しんでいた。

彼女は昨日祭りから離脱した後、何事もなかったかのように振舞っている。

友人達から体調の心配こそされたが問題ないと明るく笑いながら答えていた。

そうして彼女はあの忌々しい記憶を忘れようとしているのであった。







その頃、ヒータの胎の中では彼女が精霊術をかける前に受精を成功させていた精子と彼女の卵子によって造られた受精卵が着床をするため卵管内を漂っていた。

7日後受精卵は彼女の子宮に到達し、子宮内膜に接して定着した。着床である。

彼女が己の体の異変に気が付くのはまだ数週間先の話である…

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