パンプアップスレ妄想SS

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 最初は揉まず、背後からただ触れる。

 優しく紳士的に……というより、恐る恐るという風に。

 指先で肩に触れ、鎖骨をなぞり、乳房の上のほうへ。更に、手のひら全体で乳房の上から側面、側面から下を撫でていく。

 下手に力を加えてはいけない、と自分に言い聞かせて。下手な真似をして嫌がられてはいけないと思って。女神の乳房に触れるせっかくの機会を逃してはならないと、男は必死に自制する。

 しかし、いかに本人が自制しているつもりでも興奮していることを隠しきるのは不可能だ。

 本当に恐る恐る触れていたのは最初だけ。興奮がすぎるあまり、欲望に駆られた手は柔らかな感触に自然と指を食い込ませてしまう。

 鼻息も熱く荒くなって、それをかけられる女神には無理に我慢しようとしていることがばれている。

 そして、女神は男が我慢することを認めない。

 女神は自分の乳房に触れる男に向かって、我慢なんてしなくていいと告げた。

 どうせ触るなら、我慢せず思いのまま触っていい――いや、触られたいと。自分に欲望を向けることを受け入れ、好きにしてもいい、むしろ好きにされたいと言った。

 必然、言われた男の猛りは弥増す。もとより興奮状態にあり、冷静ではないのだ。そこに煽るようなことを言われては、なけなしの自制心が崩れて当然だろう。欲望の火に油を注がれたに等しく、女神に触れる手付きも変わる。

 少しはあった遠慮もなくなって、女神の乳房を鷲掴み。ぎゅっと拳を握り込むように、乳房に指を食い込ませる。柔らかな感触の中にいくらかの弾力、即ち反発を感じるが、それを意に介さない。

 むしろ、その反発を征服し甲斐があるとでもいうかのごとく手に力が入る。

 五指を開き、全てを同時に曲げて乳房に食い込ませる。親指から小指へ、小指から親指へと順に曲げて揉みしだく。あるいは、ランダムに指を曲げ伸ばして乳房の形を好き勝手に変えていく。

 急に激しくなった手付きに女神が思わず声を漏らすが、その声にも欲望を煽られるばかり。自らの手に収まりきらない豊かな乳房を弄びながら、男の欲望は更に過熱する。

 そこに女神自身の声のみならず言葉でも煽られては尚更だ。

 気持ち良い。ちょっと痛いけど、そこがまた。もしかしたら自分はMっ気あるかも。だからもっと激しくしてもいいよ。

 乳房を責める手付きが激しすぎて痛いことを認めた上で、その痛みをも肯定する扇情的な誘い文句。女神からそんなことを言われては、言われた男も応えずにはいられない。

 と、その手が乳房を揉みしだく動きから別の動きに変わった。

 感度でいえば乳房よりも敏感な場所を責める動きに。即ち、官能的な膨らみの先端にある突起を責める動きに。女神自身も昂ぶっていることを証明するようにつんと勃つ乳首を、欲望に駆られる手が責める。

 指先で軽く突いて。爪でかりかり掻いて。指の腹でそっと撫でて、優しくきゅっと摘まんで。

 挙げ句、被虐を望む女神に応えてぎゅっと強く抓る。

 敏感な場所を襲う痛みに女神が声をあげるが、最早その声は悦んで鳴く声にしか聞こえない。

 女神自身、それを自覚しているのだろう。自分は乳首を虐められて悦んでいる。悦んで鳴いている。その自覚が女神をより淫らな気分にさせて、鳴き声に混じる色気をどんどん濃くしている。

 もとより女神が本当に被虐願望を抱いていたのか。相手の劣情を煽る過程で自分の言葉に縛られてしまったのか。余人にはわかりかねるが、いずれにせよ現状に変わりはない。

 とにかく、女神はこの状況で嘘偽りなく感じている。乳房を揉みしだかれて昂り、乳首を弄られて善がっている。

 そして、いよいよ限界が近い。

 イく。女神が半ば無意識にそう口にした。その言葉でより興奮して、快感の頂に一歩近付く。近づくからまたイくと口にして、口にするからまた頂に一歩近付いて、本気でイきそうになる。

 そこに男もイけと言葉を重ねて、女神を頂に押し上げる。

 イけ。胸で。乳首で。虐められてイけ。マゾアクメきめろ。と、女神に向かって命令する。

 最初は恐る恐る触ってきたくらいなのに。気付けばこんなにも調子に乗って。女神はそんな男に弄ばれて悔しいと思う反面、そんな男に弄ばれるからこそ被虐願望が満たされて心身の快感が募りに募る。

 だから、トドメとばかりに責められた瞬間とうとうイってしまった。

 乳首を一際強くぎゅうっと抓られて。昂ぶって感度が増したところに、感じやすい場所をきつく責められて。痛みが快感になり、その快感が乳房の先端で弾けて、弾けた場所を起点に見も心も快感に打ちのめされてしまった。

 声は出ない。代わりに、身体がびくんと跳ねる。跳ねたのは小さくとも、それが女神の絶頂であることを誤魔化す余地はない。

 当の女神は言わずもがな、背後の男にもそれはしっかりバレている。

 今イったな。男にそう訊かれて、女神は恥ずかしげに頷いた。少し触らせてあげるだけだったはずなのにイかされて悔しい。でも気持ち良かった。気持ち良すぎてイかされてしまった。言葉にはしないが、女神の態度はそんなイかされた屈辱と被虐の快感が混ざる心境を言葉よりも雄弁に物語っていた。

 そこに、背後から調子に乗った男が次なる命令を下す。

 今度は俺をイかせろ。その乳で扱け。パイズリだ。お前をイかせてやったんだから、お返しに心を込めて奉仕しろよ。

 と、女神相手とは思えない乱暴な言葉遣いで、背後から女神にそう命じる。

 その命令が、女神の被虐願望をくすぐって――

 ――女神は悦んで男の命令に従い、従わせた男は一切の遠慮なく己の欲望を女神にぶつけた。


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