パンクラ×俺くん

パンクラ×俺くん

ガチムチダイナレスリング


「ふあぁ〜」


目を覚まし、欠伸を一つ。

隣には下着姿の人影。

まだ夢の中のその頭に優しく手を乗せ、撫でてやる。

そういえばこの前、寝起きに悪戯をされたことを思い出す。

こちらからもやり返していいという言質を取ったことも。

思い出してしまえば朝勃ちした逸物がムラムラと欲望の発散を求めているように感じられる。

以前の俺ならそれでもやらなかっただろうなと苦笑しつつ、未だ眠る彼の下着を優しく剥ぎ取った。

俺と同じく朝勃ちしているそれは随分と可愛らしく見えるが、これで毎回絶頂させられている身としてはあまり大きなことは言えない。

鼻先を近づけて臭いを嗅げば若干小便臭い、洗ってないのだから当たり前なのだが。

指先で触れてみるがその刺激にも起きる様子は見えない。

一思いに咥え込んでみた。

最近やっと男性器に対して反射的に興奮を得られるようになってきたこともあり、それだけで俺の逸物が痛いくらいに一層怒張する。

愛おしいモノをしゃぶりながら足を開かせ、肛門に指先を添える。

快感にひくつく肛門に指先を沈めて行けば、1本目は軽々と根元まで飲み込まれた。

そのまま内部で掻き回したり前後させたりして余裕を作り、2本目を差し入れる。

そのまま2本目でも余裕を作ろうと動かし始めた途端、咥えたままだった彼の逸物から精液が噴き出した。

口の中に出されたものを吐き捨てるのもなんだか申し訳ないので、飲み込んでみる。


「うげぇ……やっぱり美味いもんじゃねェな……」


慣れのせいか以前の堪らなくなるなるほどの嫌悪感は無くなったが、それでも不味いものは不味い。

あからさまに顔を顰めるのも悪いと普段は口に出さないように頼んでいるが、今は意識がないのだからまあ許してもらおう。

いつかは喜んでの飲み干せるようになる日がくるのだろうか?

…………というか、勢い余って射精させてしまったな。

無防備なところを責め立ててしまったせいで普段のセックスより感度の高まりが早かったようだ。

まあいいか。

気を取り直してすっかり仕上がった尻穴に先走りを垂れ流す俺自身の先端をあてがう。

ゆっくりと腰を押し込んでいった。

自分でも経験済みとはいえ、ここまでされても意外と目覚めないものだ。

以前はこの状態を維持されたまま、目を覚ました瞬間に一気に動かれ絶頂させられてしまった。

今回はその意趣返しといこう。

結合を維持したまま目覚めを待つ。

目覚めを待つ。

目覚めを待つ。

目覚めを待つ。

…………まだかな。

なかなか起きないな。

そう思って不意に熱く滾る股間に意識を向けたのがいけなかった。

挿入状態を維持するだけで亀頭は興奮に張り詰め、弱い俺の粘膜は感度が異常に上がっている。

不随意の腸壁の蠕動による快感に、本能が更なる快感を求めてしまう。

我慢しようとしているのに勝手に腰が動き出す。

やばい、と思った時には既に遅く、今更腰の動きを止めることは叶わなかった。

そのまま絶頂し、中に射精してしまう。


「あぁ……やっちまった……」


眠っている相手を達さない程度に感度を上げて、自分も果てないようにして起きるまで待つ。

それだけのことがこんなに難しいとは……

というか意識のない相手に勝手に射精させて勝手に射精してしまったのか。


「なんか罪悪感が……」


これだけたっぷり中出しして知らぬ存ぜぬは通じないだろうし、目が覚めれば絶対に明るみになってしまう。

怒られはしないだろうが、本来やりたかったことを失敗した上に勝手に一人で気持ち良くなって終わってしまったこと自体、揶揄されるのは確実だろう。


「慣れないことをするもんじゃあねェなァ……」


満足感より虚無感が優ってしまった事後の空気の中で、どういう言い訳をしようか、どんな埋め合わせをしようか。

あいつが目覚めるまでそんなことばかり堂々巡り思考しながら、本来爽やかに迎えられた筈の朝の時間を悶々と浪費し続けたのだった。



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