パラメシュヴァラ
【元ネタ】クメール王朝碑文
【CLASS】セイバー
【マスター】
【真名】パラメシュヴァラ
【性別】男性
【身長・体重】178m・67kg
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久A 敏捷B 魔力A+ 幸運C 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【固有スキル】
神性:B
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
セイバーはシヴァ神、ブラフマー神、インドラ神といった高位の神々の化身たる神聖王である。
カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。
精霊の加護:A++
各地の精霊(ネアク)信仰を取り込んだことを示すスキル。
あらゆる場面で幸運を呼び寄せ、自然現象系の攻撃に対して高い耐性を発揮する。
皇帝特権:EX
本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。
ランクがA以上の場合、肉体面での負荷(神性など)すら獲得する。
―――宇宙の万象を司る神聖王に不可能などあり得ない。
天下布武・革新:A
時代の革新者たる英雄に与えられる特殊スキル。古きに新しきを布く概念の変革。
精霊の加護を持つ者や、体制の守護者に対峙した際、有利な補正が与えられる。
ここでの「精霊」とは、神と信仰されたが天上ではなく地上に在った存在まで含まれる。
典礼改革:B
集団および支配地の機能を向上させるスキル。
セイバーはヒンドゥー信仰と精霊信仰を渾融させ、自らが転輪聖王となる儀礼を成立させた。
これによって後代へ続く神聖王信仰が確固たるものとなり、帝国の発展の基礎を築いた。
【宝具】
『至高なりし王輝の剣(プリヤカーン・パラメシュヴァラ)』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
クメール帝国の王権を象徴する聖剣。
黄金と白銀から構成される刀身は日輪の炎熱と月輪の清光を併せ持ち、
それは太陽と月の血統の結合者たるセイバーその人を示している。
神聖王となって身に宿った、シヴァやインドラといった高位神の属性神気、
カンボジアの精霊たちを取り込んだ上でその王となって獲得した“星の息吹”、
転輪聖王としての“真理の光”をも、それぞれ斬撃として転用することが可能。
この宝具が故に、後代の王は全員が剣士(セイバー)としての適性を有する。
【Weapon】
『神聖なる王輝の剣(プリヤカーン・リーチ)』
クメール歴代の帝王たちに受け継がれることになる黄金の聖剣。鞘もまた黄金で象られる。
クメール王以外には特殊な力は引き出せず、ただ在るだけではこの聖剣のランクはC相当である。
インドラ神によってもたらされた神造剣とも言われるが、これは後代に付加された伝承である。
【key word】
『始まりの神聖王(カムラテン・ジャガット・タ・ラージャ)』
『神聖王』とは、土着の精霊信仰を取り込んだ上で、王を高位神の化身とした君主である。
元より王を現人神と見做す文化は存在したが、セイバーによってこれが正統なる帝国の伝統となった。
即位式がインドラ神の大灌頂に由来することから『デーヴァ・ラージャ(神々の王)』と表記されるが、より正当にして正式なる名称は『カムラテン・ジャガット・タ・ラージャ(王は宇宙の主なり)』。
この名に内包される概念は「諸王の王」、「守護精霊の王の中の王」、「万能なる世界の統治者」、「水と大地の支配者」、「都城の力強き守護者」、「法の敵の勝利者」、「聖なる御足」などである。
『皇帝特権』
クメール帝国の神聖王たちは一般には“皇帝”と解されない。
しかし最高神の化身として、絶大な権威を誇って諸王を統べるという在り方は紛れもなくそれである。
加えて言うならば、神聖王たちにとって王位とは血統によって授かるものではない。
自らの実力によって覇権を獲得し、己を神なる王へと昇華させるのである。
―――世界の万象を司り、宇宙の主として君臨する者という自負を持つセイバーにとって、「皇帝特権」は寧ろ不本意なスキルという認識らしい。
【解説】
ジャヤヴァルマン2世。クメール帝国を創建し、王朝の礎を築いた至高王。
神聖王(デーヴァ・ラージャ)にして転輪聖王。在位802‐850年。
諡号パラメシュヴァラ(至高の王)。これはシヴァ神の別名の1つでもある。
研究者たちはその血筋を不詳としているが、碑文に曰く、カンボジア土着の竜王族とインドから渡来したバラモンの血筋、そして太陽族と月族の血筋をそれぞれ身に宿しているという。
770年、20歳の頃にジャワ方面から帰還(諸説あり)してインドラプラ都の王となり、781年に最大勢力ジャムブプラ都を攻略し、790年頃にアンコール地方を征服。
802年、プノンクレーン山をインドのスメール聖山に見立てて絢爛たる“神聖王の祭儀”を行った。
この儀式はジャワの宗主権の否定と、王を精霊の主、神々の化身、正義によって世界を統べる転輪聖王へ昇華させるなどの意味を含んでいた。
その後の32年間も征討に明け暮れた王の足跡は、現カンボジアのほぼ全土に広がったというが、国土の統一には至らなかったと考えられており、真の帝国統一は3代王によって成された。
長らく複数人物説があったが、碑文解読によって正確な活動経路と年数が明らかになった。
ただし、碑文群は遥か後代に作成されたものなので、2世が神話的な存在ということには変わりはない。
碑文を作成した学識者と当代王が、帝国の創建という偉業をジャヤヴァルマン2世に仮託し、2世の業績は大幅に誇張されて現代に伝わったというのが妥当な見解だろう。
しかし帝国最古のピラミッド神殿の建立、最初の大貯水池の構想などは恐らく確かである。
碑文にて2世は、数多の王の君臨者、地上の支配者、幸運と勝利の推進者(ヴァルダナ)、生まれながらの至高なる者などと賛嘆されている。
【コメント】
日本のカンボジア史料ではクメール王は神聖王より神王の方が一般的だが、ファラオと区別したいので神聖王で通す。
一人称は俺(クメール)。金と銀が入り混じった髪のシャルルマーニュっぽいイケメンをイメージ。
同名の英霊が何人かいるが、マラッカ建国者はパラミソラ、インド数学者はパラメーシュバラと発音しよう。
人間だけではなく土着の精霊たちとも戦い、服属させていたため征討事業が長引いたという設定。
聖剣が実際に造られた時期は解析結果ではクメール帝国末期より少し前と出たらしい。
ジャワとはジャワ島のことを指すわけではなく、2世はカンボジアの血統と関係なく、シュリーヴィジャヤの海軍司令だったという見解もある。
適正クラスは船ライダーなのだが、聖剣はこの王によって造られたという資料もあったのでセイバーにした。