バーボンセイアにて
「HAHAHA!私の勝ちだエロリスト共!最初から解りきっていた事だろう?バーボンセイアこそ正統!ツムギは一歩後ろだと!正義は必ず勝つ!そういう物だろう!」
「もう少し君達のことを嘲笑していたいが、悪いね、ティーパーティーが私を祝ってくれるんだ。そういうことだから、セクシーセイアはクールに去ることにするよ。」
「...じゃあな!馬鹿共!」
なーんて
そんなこと思ってたんじゃないですか?」
トリニティの某所に存在する、バーボンセイア。今その看板は堕ちた。店内はエロリストに占拠され、彼女は一切の尊厳も許されない様な風体にされている。
「次は貴方の番ですよ、マスター。」
「...私のことをその様に呼ぶのは構いませんが、彼女もまたマスターですよ?」
「ええそうでした。彼女はこの後にその手でSSを執筆するのでしたね。どれ程の屈辱なのか、私達には推し量れませんが。」
「そういうこった!」
「所で、貴方はマスターに何をなさるので?」
「......ふむ、蝶ですか。」
彼女は痙攣するマスターの体躯を押さえつけ、下腹部に精巧に蝶を描き始めた。
「それは『印付け』と解釈しても宜しいですか?」
「...ご自由にどうぞ。」
さて、一つの店がテロリストに占拠されたというと物騒なイメージを抱くものだが、実際のところ、店内は一定の静けさを保ったままであった。私のように文に起こす者、描く者、食い入るように眺める者、各々がこの空気にただ耽っていた。
「ん゛お゛お゛っ゛♡♡♡ぁく゛っ♡ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ゛♡」
時々、マスター・セイアがこの様に声にならない嬌声を上げる。それが、ここではどんなジャズ・ミュージックよりも心地よく感じられるのだ。
不意に、セイアの長い耳がいきり立つ。
得意の直感で何かを察知したらしい。
ツムギは柔らかい笑みを浮かべ、ドアを開いた新しい客を出迎える。
「こんばんは、バーボンツムギです。このドリンクはサービスですから、これを飲んでまずは落ち着いてください──」