バージェスとほのぼのエチ2

バージェスとほのぼのエチ2

サシュラ・ゲダオームゴット

「好かったみてぇだな、リラ」

「……嫌い」

「ウィ~ハハハァ! 悲しいこと言うぜ、本当によ。……だったら、俺もそれ相応の対応をするしかねぇよな」

それ相応の対応、という言葉とともに、バージェスがチャンピオンベルトをズボンから取った。

「え……♡」

パンツ一枚になったバージェスの股間は大きく盛り上がっており、自ずと視線がくぎ付けになってしまった。

「な、なんでそんな勃ってるの!?」

「んなメス臭ぇフェロモン漂わせてるせいだろうが」

何言ってんだこいつという表情を浮かべているバージェスに、リラは石のように硬直してしまう。

「ど、どうし、え? や、ま、待って」

発情しきっているのにも関わらず強引に手でされたのだ、突っ込まれてしまえば、確実に脳の大切な神経が焼き切れてしまうだろう。

ベッドに後ろ手を着いたリラに、バージェスはニヤニヤと憎らしい笑顔のままゆっくり追い迫ってきている。

「わ、私、壊れちゃうよ……♡メス堕ちしちゃうか、ら……ね? やめよ♡? 非力な女の子の子宮をバチボコにしちゃだめだよ……♡」

「期待してるのがバレバレだぜ、そんな蕩け切った言葉で抵抗しても説得力なんてねぇぞ」

延ばされた腕がリラのブラを簡単に外し、そのまま乳房を愛撫する。どうやら数日前の『リラの胸を性感帯にする作戦』は継続中らしい。

「ん……♡」

彼らしくないソフトタッチにくすぐったいような感覚がする。しかもどさくさに紛れてもう一方の腕が、再びリラの秘部に当てられた。

「だ、から……、ん、駄目だってぇ……♡」

「嫌いなんだろ? そんな男が言うこと聞くと思うかよ」

そのまま徹底的にいじくられて、こねまわされて、彼の情熱的な愛に溺れて。

「……さて、結構ほぐれたな」

「へ……?」

いつの間にかベッドが愛液まみれで汚れている中、ついにバージェスが己の下着をはぎ取った。

いつ見ても大きい。高く掲げられた、黒ずんだバージェスのバキバキな一物に、あぁ、また私は抵抗できずに鳴かされるのだと理性ではなく、一度メスにされた自分の本能が悟った。

相変わらず大きい。しかも雄臭い。……キュン、と子宮が甘く疼く。ヤバい、コレオマンコに挿れられたら堕ちちゃう♡バージェスの傍に居たくて取り繕っていた完璧女官の仮面剥がれてただの女の子になっちゃう♡。

「ね、ねぇバージェス♡」

「どうした? 今更待ってとか言うんじゃねぇだろうな?」

「お口でしたいな♡私、絶対こんなの入らないからさ♡お願い!」

ちらりとギンギンになったバージェスのそれを見、リラは逃げを選択した。一発くらい射精させてしまえば少しくらいは小さくなるだろうとしての予想だ。

「ウィ~ハハハハァ! 度胸あるなぁ、お前は!」

「ほら、ベッドに座ってて! 気持ち良くしたげる!」

「いや~お前しゃぶるのめっちゃ下手じゃねぇか」

「そ、そりゃまだ一回しかしたことないし! そ、それに口を窄めると不細工になっちゃうし……」

「頼むぜぇ、デリゲートなんだから丁寧に扱えよ」

「わ、分かってるもん! ちょっと黙っててよバージェス!」

そのままベッドに寝転がるように、胡坐をかいたバージェスの正面に這いよるリラ。

……果たして何センチあるのだろうか。あまり回っていない頭でも十八センチ以上はありそうだと理解できる。女性の膣の長さの平均は八、九センチ。絶対にこの大きさのまま挿入させてはならないだろう。

むせかえりそうな男の臭いを発する肉棒を至近距離から眺める。……これが、この前自分に入り、自分の処女を奪ったのだ。

大事な恋人の、致命傷に成りうる部位を無防備に見せてくれている。

「何をニヤけてんだリラ」

「ううん。何でも……じゃ、失礼します♡」

まずは舌を伸ばし亀頭あたりを舐め取れば、彼の味と若干の尿の味がした。いつ舐めても苦手な味だけれど、それでも嫌ではない。どういう心理状態なのか、リラは未だに自分がわからない。

ぺろぺろと犬のように亀頭やカリの方を舐め取れば、頭上から喉を鳴らす音が聞こえる。

感じてるんだ……♡

調子に乗ってカリから睾丸までべろ~~♡と舐め下ろしたり舐め上げたり、手で先端あたりを扱いてあげれば、さらに良い反応が返ってきた。

「フフフ……♡ここ、弱いの?」

「テメェ調子乗んなよ……」

ちらりと上目遣いで彼を見上げれば、少し呼吸が荒くなったバージェスが口角を上げて見下ろしていた。

「もっとしてあげる」

そのまま彼の極太オチンポを口に含んであげる。そのまま一気に喉奥まで飲み込んでやれば、「お前……!」と彼がひるんだ気配がする。

おっきぃ♡顎疲れちゃう♡

口の中で器用に舌を動かしバージェスのおちんぽに奉仕する。生娘だったリラだが、その手の知識が皆無なわけではない。いつかそういう関係になっても良いようにとイメトレだけはしていたのだ。

ジュポ♡ジュル♡という淫猥な水音とともに、歯を立てないように最大限の注意を払いながら、リラは彼のを頭を上下させながら扱く。

ヤバい、なにもされてないのに、奉仕している側なのに、どうしてこんなに気持ち良いのだろうか。

「がっつきすぎだぜ、リラ……!」

「ふぉう?」

「うぉ、喋んな! 息が当たる!」

「ふぉ、ふぉめん」

濃厚な彼の味と微かな尿の味がする。……このデカチンが、自分の淫乱マンコを徹底的に耕すのを想像するだけでじっとりとまた濡れていく。まるで発情期のネコ。

「あ~~~~気持ちいなぁ」

風呂上がりのおっさんみたいな感想をいただく。……このまま一発、めっちゃ濃ゆいのを搾り取ってやろう。

「そんなにオレのチンポに夢中とはなぁ、リラもやっぱりメスだったってことかぁ?」

黙れバージェス。一物を噛みきるぞ、とは思っても口がデカチンでふさがっているため何も言えない。

キッと彼を見上げてみれば、ニヤニヤといつもの下卑た笑顔を浮かべている彼がリラを見下ろしている。

「そういうのいいぜ、反抗的な目! いつも戦っているお前の目がやっぱり一番馴染むぜ」

何によ……と思った瞬間、リラの頭の上にバージェスの掌が乗った。そのままいつも気を遣っている自慢の黒髪を優しくなでられる。

しかも、ぴくぴくとバージェスのそれが少し震えたと思えば、少しだけ大きくなる。

……出すのだ、私の口の中で、彼のザーメン、全部出すんだ……♡。

「あ~ヤバ、そろそろだな」

出せ♡出しちゃえ♡どれだけ生意気なこと言っても、下半身は正直だって認めちゃえ♡

慣れない舌でぺろぺろとしゃぶっていれば、ビクビクと動いた彼のそれから精液がリラの喉にあたる。

「……ン」

彼が喉を震わせると同時に、バージェスはリラの口の中でイッた。

自分のお口が気持ち良くて、簡単にイッた。

青臭くて、あんまりおいしくない苦い味が口いっぱいに広がり、口から少しだけザーメンがこぼれる。

「♡♡♡」

顔を上げれば、バージェスが「おぉ、吐かなかったのか、偉いじゃねぇか」と労う。

「口開けろ」

「……あ~~♡」

「うぉ、ぐちゃぐちゃじゃねぇか。……飲めるか?」

「ん~~♡」

こくん、と飲み込めば、まだ喉に絡みついてしまう。ミネラルウォーターを持っていればよかったかと思う。

「は、上出来だ」

「うるしゃい……//」

まあ何はともあれ一発抜いたのだ、大きさだって小さく──

リラの余裕は、そこで一瞬で砕け散る。

「……なんで、大きいの?」

「ふつう味とか言うだろ」

そこにあったのは、先ほどより、何故か大きくそそり立っているオチンポだった。

え、なんで? 一発抜けば小さくなるって……そういう物じゃないの、男の人って。

「だ、だだだだってこの前すぐに小さくなって……え//」

「往生際が悪いぜ、リラ」

グイッとゆっくり押し倒され、真上から勝ち誇ったバージェスが自分の股間をリラのそこに焦点を定めていた。

「ま、待ってよ……♡さ、さすがに入らないって……♡」

ぴたりと彼のが当たれば、火傷しそうなほどに熱を帯びていて、それだけ、その、私に興奮してくれているということで……♡。

「言い残すことはそれだけか?」

「あ、えっと……」

熱い♡いよいよ入っちゃうんだ……私のオマンコ処刑する肉棒入っちゃうんだ……♡

「そんな目で見んじゃねぇよ、期待してるのバレバレだぜ? リラ」

「……や」

「あ?」

地面に直角についた彼の太い腕に、自分の華奢な腕を這わせる。

「や、優しく、してください……♡」

「……いっちいち、テメェの言動はチンコに響くな」

「そ、そんなことんおお♡」

反論を遮るかのように、突然バージェスの太いオチンポがリラを貫いた。自分の中に、彼が入ってきた感覚が痛いほどに感じる。一瞬呼吸すら忘れるほどの圧迫感と熱に、知らずにリラの腰が浮いてしまった。

「お……♡あぁ♡、あ♡」

ビクビクと痙攣とともに挿入れられただけで無様にイってしまう。今自分がどんな表情をしているか、どんな声で喘いでいるか気にする余裕なんてない。

「うぉ、めっちゃ締まるじゃねぇか、欲しがり過ぎるだろお前」

「挿入ったぁ……♡つよつよオチンポ、私の中に、入っちゃったぁ♡」

「聞いてんのかリラ」

「あ♡、オマンコ、ギチギチしゅる……♡」

「無視すんな」

「んほぉ♡」

一気に引き抜かれたと思えば、最奥に体重を乗せて思い切り突かれ、痙攣しながら早くも二度目の絶頂を迎える。ピシャ、と潮まで吹いてしまい、ふかふかなベッドがより一層湿ってしまう。

「色気ねぇな」

「やめでおっほ♡ちゅかにゃいで、お、イグ♡壊れちゃ♡んああ♡」

人体の神秘と言うべきだろうか、自分で火照らせ、バージェスによってほぐされたリラの膣内で、彼の太いオチンポがスムーズに律動している。しかも高いカリのせいでGスポや敏感なところをゾリゾリと引っかかれて、抵抗する意思も体力も根こそぎ持ってかれてしまう。

彼の容赦のない正常位ピストンが、ゴリゴリとリラの理性を削っていく。強くて重くて熱くて、何から何まで彼らしい強いセックス。パンパンと体を打ち付け合う音とともに、彼の筋肉質な巨漢が華奢なリラに覆いかぶさり、性欲を貪ろうとする。

「あぁあ♡まだ♡、お゛、まった♡イクゥ♡ぎゅぅぅ♡」

女性は雰囲気でイケると聞いたことがある。今までのリラはそんなのは幻想だと思っていたが、今実をもって、その言葉の重みを知らされる。

……大切な彼と誰よりも近い距離で繋がれているチュエーションはひどく甘美で、快感により焼き切れた脳神経がバカの一つ覚えのようにイき続けてしまっていた。

「たしゅけ♡あ♡イキしゅぎてこわれちゃ♡」

腰をがっしりと捕まれ、快楽から逃げることもできない。内臓が下から押し上げられ、バチボコに彼の形に合わせられているのがわかる。

「具合いいぜ、リラ」

「やめてぇ♡あたまなでなでしないで♡あぁあぁあやらぁああ♡」

またイッた。

違う、違う違うはず、私がこうなっているのも、全てオーガー様に媚薬を盛られたからなの♡だから私が淫乱なんかじゃなくて全部全部全部媚薬のせいであぁまたイく♡

まとまらない思考に、快楽の過剰供給のおかげかぼやりと霞意識がかすみ始めた。

「潮を吹くのもいいけどよぉ、脱水症状にならねぇようにしろよ? ウィ~ハッハッハァ!」

「ふざけ、あ、~~♡♡」

頭を撫でられ、面前には逞しい筋肉がある。……二年間、努力と研鑽を重ねた筋力と力。バージェスが好きになるのに置いて、最も重要視している『強くなるために努力し続けるひたむきな姿』の集大成。

パンパン、と刻みよいリズムがだんだん速まってくる。

「あーやべ、ザーメン上ってきた」

先ほどのリラだったら彼の射精をいじって煽っていただろうけれど、今バージェスにより快楽の暴力を受け続けている今、煽る気力もない。ただ自分の未発達な子宮に彼のつよつよザーメンをぶちまけられるのを無力に待つことしかできない。

「おいリラ、中に出すぞ!」

ゴリゴリと膣内抉られながら、リラの意識が少しだけ浮上する。

「え……な、中に?」

「あぁ、大丈夫だ、テメェは小柄だが可愛いガキが産めるだろうよ!」

リラの腰に添えられた両腕に力がこもる。

「中出しされりゅ♡きょーせいてきにママにされちゃうよ♡」

「っは、拒否することもしねぇのか? まぁいい、望み通りにしてやるぜ」

汚い喘ぎ声とともに吐き出した受精宣言に、バージェスの頬から汗が一筋頬を伝う。発汗するほどに強く求めてくれている事実に脳内麻薬が止まらない。……本当に、中に出すのだ。種付けされちゃうのだ、バージェスの女として孕まされてママにされちゃうんだ♡

「だして♡こだねじるぶちまけて♡いっしょに新次代しよ♡」

これほどの幸せはあるだろうか。

大切な人の子供を身ごもって、幸せなうちに彼と交わって。

ビクビクと彼のオチンポが震える。出すのだ。リラのお腹の中に、ビューって、沢山出すのだ。

リラも十数回目の絶頂が近かった。容赦なく防御力ほぼゼロのオマンコをガン突きされて躾けられたのだ、仕方のないことである。

「リラ……!」

「ん♡」

彼と顔を寄せ、そのまま下を絡めるような獰猛なキスを交わす。その瞳に宿る情欲と獣の色は、戦闘で滾っている時とは似ているようで少し違って。

リラが潮を吹きバージェスの腹を汚したのと、ギリギリまで引き抜かれた彼のそれが一気に最奥まで突き刺さったのはほぼ同時だった。

「あ、ああぁあぁぁ……♡」

ドクドクと脈動しているのがわかる。子宮の奥深くに、彼のつよつよ精子出てる。上も下も繋がり、長い放精の余韻に浸る。

「……プハ♡」

長い接吻が終わり、はぁはぁと呼吸を荒らげながら、バージェスを見上げる。

彼も長い吐精のせいか、若干息が乱れていて、その目は相変わらず鈍色の光が宿っていた。

「蕩けた顔をしやがって」

「仕方……ないでしょ……//」

「生意気言うんなら続行するが?」

嘘つけ、従順にしていてもバージェスは続行するという確信こそある物の、そんなことを言ったら絶対体力自慢のバージェスはやるだろうから沈黙を貫くことにしておく。

「で、聞かせてもらおうかね」

「なにが?」

「とぼけんじゃねぇよ、最近避けてただろ、お前」

う、と先ほどの頭幸せモードから現実につき戻される感覚がする。

「……お前も何か考えてたんだろうが、正直恋人関係になりたいと騒いでた矢先にショックだったぜ~なぁリラ」

「そ、それはその……」

言えない。言えるわけない。気恥ずかしくて顔を合わせ辛かったなんて……。

「……恥ずかし、かったから」

「……何がだ?」

「だから、その、初夜とか、恋人とか、そんな関係になったじゃん、私どんな顔をしてバージェスに会って話せばいいんだよ!」

「あ? いつもみたいに飛びついてくりゃいいだろーが」

心底理解できないという表情を返され、リラの顔は茹でだけの如く真っ赤になる。そりゃそうだろう、こっちは勇気を振り絞って応えているんだぞ。

「だ、だって! こっちは告白もへたくそでエッチも醜態晒してから回ったりしたんだよ! もう無理じゃん……」

「は~~~~~~~~! くっだらねぇ、んなくだらねーこと考えてたのかよお前は」

「な! こっちは真剣なんだよ!」

「俺は結構焦ったぜ」

「え……わ、わわ」

バージェスの巨体が、リラの上に折り重なった。そのごつごつした両手が、リラの背中に回った。あまり高くないリラの体温に、バージェスの熱い体温が心地よかった。

「やっぱビビるんだぜ、突然お前の都合で避けられてよぉ。いつもの調子で来て、だべって、そんな生活一年以上もしてたんだぜ、俺達は」

「……それは、ごめん」

いつになく神妙な彼の調子に、ようやく自分がどれだけバージェスに心配かけたかを悟ってしまう。そっか、もう、バージェスと私は恋人なのだ、もう自分一人だけの問題ではなく、彼を心配させてしまうことに繋がってしまうのだ。

「意外だな、バージェスも心配することあるんだ」

「あぁ? んな適当な相手を恋人にしちゃいねぇよ。ま、前々から初心な奴だとは思ってたけどなぁ」

筋肉の山に押しつぶされながら、彼のいつになく神妙な彼の言葉を聞く。

「次はねぇぜ。こう見えて俺は執着するタイプなんだからな」

「……うん」

本当に、こんな幸せで良いのだろうか、私は。

そっと彼の背中に手を回そうとするも、横幅が広すぎて脇までしか手が行かない。

「……バージェス」

「ん?」

「大好きだよ、ずっと」

命を救ってくれて、傍に置いてくれて、いつも頼りになる、リラにとってかけがえのない人。

「……ウィ~ハハハァ! 俺もだぜ、お前は絶対逃がさねぇからな!」

「逃げないよ、バージェス」

「本当かぁ? 今の今までやらかしてたのにかぁ!?」

「そ、そりゃもうそうだよ!」

「本当か~やっぱり確証がねぇとなぁ~」

ニヤニヤと意地悪風に笑う彼に、リラの言葉が行き詰る。確証なんて、そんなものはない。

「……例えば?」

「ガキ」

「え」

「ガキ作れば、お前もう逃げられねーよなぁ!」

「こ、子供!? ちょ、ねぇバージェスそれ少しだけ段階すっ飛ばしすぎじゃない? もう少し二人のんびりしてんあぁ♡」

体を起こすや否や、バージェスがリラの最奥を突けば、ぐちゅりと淫靡な水音が響いた。

そうだ、フィットしすぎているせいか忘れていた。今自分はバージェスに襲われ中なのだ。

「何心配いらねぇよ、ガキ用の必需品なんざデボンやティーチ船長に掛け合えばどっかから強奪できるからなぁ!」

「だ、駄目だよ! そういうのはちゃんとお金を払って──ッッ♡」

再びむんずと腰を掴み、バージェスは嗤った。

「お前のせいで消えちまった貴重な数日間のツケ、ここで払わせてやるよ」

ヤバい、とリラは確信する。この意地悪モードのバージェスは、きっとリラがどれだけ辞めてと言ってもやめてくれないだろう。

元と言えば自分が蒔いた種だ、いや、現在進行形で蒔かれているが。仕方がない、壊れないように注意しながら付き合ってやろうではないか。

果たしてなんていえばバージェスは満足してくれるのだろうか。

「はい♡バージェス♡壊して♡私の考えすぎな悪いオマンコ処刑して♡」

長い夜を覚悟し、リラは彼に両手を伸ばした。

 

「あ」

次の日、痛む体を引きずりながら三番船をうろついていると、ばったりと先日媚薬を持ってきたオーガーと出くわした。

相変わらずの表情の読めない双眼が、いざあってみるとなんて喋ればよいかわからず硬直するリラを捉える。しかも昨日、感情任せに殺してやるなんて宣言してしまったせいで猶更である。

「……あの、オーガー様、その」

「バージェスとは仲直りできたか」

「べ、別に喧嘩していた訳では……まぁ、わだかまりは溶けました」

先手を打たれてしまい、つい詳細を語ってしまえば、オーガーの降格が少しだけ上がった。

こんな毒のない笑顔もできるんだ。

「バージェスは粗暴だがいい奴だ、離さないでやってくれ。その役は、吾輩たちには務まらない」

「……! 勿論です! それと、その、ありがとうございました!」

直角九十度にお辞儀すれば、ふう、と彼が笑った気配がした。

少しだけ癪だけれど、彼が媚薬を持ってくれたおかげでバージェスとエッチできたし、いつもの距離感を取り戻すことができたのだ。感謝しかない。

「お礼など言われる筋合いはない」

「いえ! お世話になったのは本当ですから!」

「別段、吾輩は昨日渡したチョコレートに媚薬など入れてはいないのであるからして」

「……はい?」

今聞き捨てならない言葉を聞いてしまった気がする。見上げれば、オーガーの降格が少しだけ上がっていた。

「プラシーボ効果と言う物を知っているかね?」

「ぷ、プラシーボ? ですか」

聞いたこともないものだ。オーガーは物知りなのである。

「簡単に言えば、思い込みだ」

「思い込み……?」

「そうだ。媚薬、お前は盛られたと信じただろう? 実際はただのチョコレートなのに、あそこまで崩すとは、もう少し警戒心を持つべきなのである」

え、じゃ、じゃあつまり、私は媚薬を盛られていなくて、その挙句に醜態晒しててバージェスに性処理させてしまったということか?

「……う、嘘、ですよね」

「……では、吾輩他にやることがあるので失礼する」

つまりあの痴態は媚薬が原因ではなく騙された自分自身がしらふで行っていたということでそれはつまり自分の意志であんなことやそんなことをしてしまったということで。

「あああああああああああああああああああああ!」

絶叫しながら自分が能力者であることを忘れ海へダイブしたのと、「今度は何だお前!」とバージェスがブチギレながら引き上げてくれたのは、それからすぐのことだった。



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