バレンタイン事変

バレンタイン事変

稲生紅衣メメ虎屋ダルヴァの主

「吾らの計画は順調そのものじゃ...当日には相応の量のチョコを用意し友チョコを渡すことが出来るじゃろう」

「全ては森長と大正のシナリオ通りという訳か」

「いや違うが?まあ...すべては吾のシナリオ通りじゃ」

怪しく笑う二人...傍迷惑BBA"稲生ひよ乃"と全裸の変態"京楽紅衣"である

三界すべてにチョコを渡しまくるというアホみたいな作戦であるが二人は無理難題を莫大な財力とコネでカバーしていた マネーパワーによる虚圏におけるカカオの栽培の実用化の急進や工場の建築と稼働を進めた結果である

ただ実際には金と技術面の指導者の雇用などは手伝ったが 既にマグダレーナ嬢がそれらと似たを計画していることを知りそれに乗っかる形で協力 裏でチョロチョロと働きかけ異様に巨大な規模へと変更させたのである

虚圏の工場及びカカオの栽培においては東仙と共に野菜を作る研究を手伝っていたメメ・マールヴォロの采配もありがたい物だった

「なんだかよく分からないでござるが...たくさん作ればたくさん食べれる!ヨロコンデー!」

マグダレーナ嬢は千人向け程度を考えていたのを横入りされて数倍に膨れ上がらせていたためブチギレていたが ぱっと見ではメメの暴走に見せかけていたので稲生は事なきを得ていた

「アイエエ⁉規模縮小ナンデ⁉雇用が減って失業者が出るからこのまま続行でたのむでござるー!」

入手経路は虚圏の労働力を使い事前に生産・保存を繰り返し莫大なチョコを得るに至った


「だが問題は当日の...『戦力』じゃ 吾らの計画にはクリスマスより更に強力な抵抗が予想される」

「とりあえず俺は当日体にチョコ塗ってくる以外は考えてないべ」

「やめるのじゃ紅衣!!それ見た後にチョコ食べるのは吾でも厳しいものがあるのじゃ!」

もしそんな事をすれば三界全勢力から全力で消されるだろう

「我儘だべな...しょうがないから配る間はなんかそれっぽい服を着ておいてやるべ

それで『戦力』に関してはどうするんだ?」

紅衣が聞けば待ってましたとばかりに胸を張りながら稲生は答える

「強い奴を金と物で釣るのじゃ!」

「うわあ すごいシンプルだべ」


「という訳でカワキちゃんの自宅に来たのじゃが...」

「護衛か...話を聞こうか」

突然の訪問であり内容も滅茶苦茶だがカワキの機嫌は悪くない...それどころかとりあえず受けようとする態度ですらあった

「君は基本的にどんな内容であっても報酬の面で信頼できるからね」

「金払いが良い客はそりゃよい客じゃからのう...報酬は酒 だけではなくおぬしが欲しいじゃろう見つけづらい隠し場所も込みでの報酬じゃ

前金でその物件と多少の酒 成功報酬で出来るだけ希望に沿った酒を調達する予定でおったがどうじゃ?」

カワキからの返事はもちろんYES 酒だけなら考えたが影やマンションは既に人の手が及んでいるため多少でも隠せる場所は多い方が良い

カワキは現世のチョコの護衛担当である 多分猛威を振るうだろう

こうして一人目の強者を確保した稲生は更なる強者を求めて携帯に手を掛ける


ヨルダよ...指定通り一人で来たのは上々じゃな」

「僕に一体何の用かな 子供の頃は結構面倒見てくれたのに今はちょっと疎遠で悲しいなひよ乃さん」

稲生は無造作に懐からなにやら切符のような物を出す

「これは高級な方なお水屋のタダ券でのう...」

「分かった 指示に従おう」

即答であった 裏の注意書きまで嘗め回すようにタダ券を拝見している

「それは前金じゃ 成功の暁には更に報酬は弾むぞ...ただおぬしの従者共にやいやい言われても困るからのう ばれたら吾を庇ってほしいぞ」

「いいだろう」

全て確認し終えたのだろうヨルダ稲生の方を向いて答えた

「あと追加で指示じゃ...吾の胸を凝視するのを止めるのじゃ!BBAの胸を見て何が楽しいんじゃ!」

「楽しいがダメか? では」

「目を見て話せと昔からしつこく言っておるじゃろうが!胸がダメならケツを見るのも駄目じゃ!」

色々犠牲があったが二人目を確保した ヨルダは滅却師組のチョコの護衛である


教員梨子おるか~?」

「はい 居ますよ」「いまーす!」

次に訪れたのは霊術院の一室 鬼道を居残りで修練する二人を稲生は訪ねた

「先生~かつて生徒じゃった吾からのお願いじゃー!吾を護衛してほしいのじゃ!」

「生徒の頼みであれば聞きたいところですが...内容に依りますね」

教員は金でも物でも動かない だが"生徒"の事であればそのフットワークは随分軽くなる

「バレンタインじゃしチョコを配るのじゃが...ちょっと恥ずかしいし二人にも同行して勇気づけて欲しいのじゃ」

「そういうことでしたら良いですよ それにしても稲生さんに恥の概念はあったのですね」

「すごいナチュラルに失礼だよ 芦原先生

稲生がこの二人を自身が配る予定の護衛に選んだのには理由がある...それは

多くの死神の恩師である教員と五代貴族の養子となった梨子この二人を巻き込む可能性がある中でポンポンと戦闘は出来ない

更に言えば現世で既に雇用した虎屋翼の完現術『マインド・スイート』(菓子を渡した相手を操る 霊圧消費で解除可能)と梨子の霊圧を封じる能力を使えば一人は確実に操り操作することも出来る まあ誰かがブチギレた時対策である

ちなみに梨子と翼にはフリフリのメイド服を着せて配る予定である

「アッシャッセーデスワー」「いらっしゃいませー!」

二人がそんな事を言ってチョコを配れば真面目な奴らも斬魄刀を納めるだろう


虚圏は...そもそも沢山貰ってもそこまで文句を言う輩がおらず配っても保存食だと言い含めておけば納得してそこまで抵抗がないだろうと戦力はあまり割いていない

まあ最悪全裸を投入して混乱させるのが良いだろう


あとはシーカー・ダルヴァがいるが...彼も滅却師側の担当であるが荒事はヨルダが行うためチョコの安全の為に体を張ってもらう予定である

「滅却師達に配るための吾の友チョコじゃ...おぬしであれば守ってくれるかの?」

「勿論 儂も任されたからにはチョコの保管状態は完璧にして届けることを約束するぞ」

その子分?のシーカー・マツィヤにはしっかり金を握らせてダルヴァの手綱を握ってもらう様に頼んだ

「これだけあれば...何が買えるんだ?俺被造されたの最近過ぎてまだ金の扱いはそこまでわからねえからな…」

「普通車とかかのう?」

ヨルダが戦闘に出てチョコがフリーにならないように二人には頑張ってもらおう


作戦を立てて出来るだけの策は立てた...あとは宣言し実行するのみ!






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