【バニートキ】自分ならこうすると思う

【バニートキ】自分ならこうすると思う

長い


鎖骨の根本から上へ辿っていくと、鎖骨よりも奥に顎があり、真上には鼻が位置します。横から見ると図のような感じ(横から見たらどうなるか、真正面からはどうか、と視点を変えて見直すと楽しいです)


首を細くする場合でも、前側は鎖骨に胸鎖乳突筋で、後ろ側は背骨に頸椎で繋がるのを強く意識するといいと思います

また顎を引いていますが、背中が反っているポーズなだけに、首のところでいきなり骨の角度が変わっているように見えました。不可能ではありませんが、胸を張りつつ顎を引くのはちょっと苦しいです 角度的に顎が首にめり込む

という感じで首の位置を調整しました 頭には少し角度がついていたのですが傾きを強め、顎をまっすぐ引くのでなく向かって左奥にコテンとかしげているふうにしてみました

目尻から耳の間にスペースが皆無なのが気になるな……と思ったんですがこれ原作からしてこうなんですね イラストじゃよくある省略ではあるし、顔似せの一環としてはいいと思います マジで顔似せるの上手くなられましたよね〜 目線合わせの精度ふくめてさらに高めていってほしい

とはいえ立体を軽視しすぎるのも弊害がありますし、ちょっとずつでも立体の知識と感覚を育てておいていいと思いますね あやふやになっていると描くとき困りますし、描いたあとに根拠を持って正しいと言えなくなってきます

眉毛を目より前に出して立体感演出するやつもやってる

頭の後ろに見えるリボンのひるがえりですが、これは手元で帯状の何かをいじくってみるのがいいと思います 見えている面が切り替わって両辺が交差するパターン、手前の辺と向こうの辺がそれぞれ逆向きに曲がるパターンなどがありますが、確かなのはリボンに(見掛け上の)くびれが出ると魅力的だということです 味気ない直線だけじゃなく気持ちいい曲線を作るだけでいい感じになるのは全部に言える 細く切った紙でもなんでも触ってみて、ついでにその帯で三つ編み作って角度変えて眺めるのも楽しそう

この描き方はそのまま髪の毛にも応用できます 毛束が中程でくびれていたり、毛先の方では裏面と表面が切り替わっていたりしている絵もいろいろあります

リボンの開く角度がよくわからず立ち絵を睨んだ


さて視点を移し、胸元のリボンのうち、奥側は余裕があるのに手前側が乳房にかぶさっているのがチグハグに見えます

ひとまず体の真ん中の部分のガイドライン(紺)を描いて、それを頼りに胸の平らな部分に同心円様のアタリ(赤)をつけてみるとわかりやすそうですね だいたい理解したら上からモノをかぶせます 左右対称のものを描くときは、画面上の長さが同じかどうかにとらわれず、画面内のキャラクターに合わせてやる意識を

画面という平面の端点と端点の角度を測ってそのままあてはめるだけでなく、画面の向こう側に確かに存在する、緩やかに遠近と角度のついた曲面を指でなぞる感覚で描いていくとテンション上がるのかもしれません

おっぱいですが、付け根の部分をより意識した方がいいのかなあと思います なんせ脂肪だしグリグリ動くし個人差大きいしで、いきなり輪郭を描こうとしても謎の曲線が生まれてしまうので……ソッカの248-251pのスケッチをまじまじと見つめると楽しかったりするのかなあ、とは思います 脂肪の下の筋肉の構成だとか、鎖骨の下に逆三角形のゆとり(ここは真っ平で骨が出ている)が存在することだとか 胸郭のどの位置におっぱいが位置するか測ってみて写すだとか ソッカといえばコントラポストについてもチラッと載ってたので見返すと発見あるやもしれませんね

人体のデフォルメの参考はかも仮面さん「かもの練習場」が超良い


個人的にはまずひらべったい胸を描き、大胸筋の胸が生えそうな部分を決めて、そこからバルルンと生やすやつをやってます 根元が定まると乳の角度も定まっていい感じ

バルルン

胴長気味なのが惜しくて、そこでバニー服のデザインも曖昧になっているのでバランスをちょっと変えています とくにおへその位置でしょうか 胸郭のくぼみ(剣状突起とかがある部分)がだいたい両下乳が集まってくる部分で、そのくぼみからおへそ、おへそから股下、と距離を測ったときに、後者の方がやや長め……といった塩梅と覚えましょう

文字で説明するとややこしい


あと胸郭の部分をカクッとさせています、好みで これは人物画における「ランドマーク」として描かれがちですね 人体の輪郭をまるごと追いかけるのは難しく、デフォルメもしにくいです 身体のうちとくに特徴的な部分を強調していくのは、見ていて気持ちいいメリハリに繋がり、それらを把握することで人体の観察のポイントもおさえられてうまみが濃い

股の部分のバニーは立ち絵を見るにかなり大胆にハイレグにしていいと思います 上前腸骨棘(こちらもはっきり目にカクつかせています)も脚の付け根もくっきり見えるくらいですね

髪ラフ(赤)は結局ボツ


髪の毛は自分の場合は太めのブラシで解決しています

毛流れに沿って、ひと塗りでひと束ぶん作る気持ちで不透明度低めの曲線を引いていきます ある程度かたまりになったらボリュームが大きく崩れていないか確認します あとはこまかい毛先の処理だったり、輪郭の外側で髪を遊ばせてみたり、たまに適度にまびいたりすれば形にはなります 足や腕、肩なんかにピロピロ乗っけて遊ぶのも手軽で嬉しい

これは各所で色を変えながら塗ると髪のブロッキングにも使えますね

これも後にボツに


追記:結局髪の構造がよくわからず一から描き直しに 頭から布の幕を垂らし適当にカットした……みたいなラフを用意し、適当に周りをカットし髪型に合わせ、さらに細かい毛束を処理していく方式に

脚回り、ここは画面外まで描いておいた方がいいように思います! 接地面がどうなっているのか、この体勢でちゃんと立てるのか……自分で書いておいてなんだけどこの脚もちょっと体支えられてなさそう感ありますね まあ適当にラフを変形移動しつつリカバリー

体重がかかっている側の腰が下がっているところと、太ももがソックスでむにっとなっているところ かなりいいと思います

せっかくだから上げている側の脚はこっちに膝向けてる感じだと立体感が出るかなあ すねもすらーっと向こうに伸びている感じで たまにうす〜い線で脚を輪切りにしながらラフを描いているのですがこれオススメです

いろいろと雑ゥ

ということで完成です。あとは画像なしで1500文字ほど続くだけなので適当に読み飛ばしてもらえれば…


いろいろ見てきて、やはり人体を立体で捉えるのを続けていけば確実にレベルアップできるだろうなあと思いました といっても頭の中で思い描いた立体の輪郭をいきなり描く、のではないのかなと 完成されたイラストからは見えてこない、けれどたしかに感じられるはずの立体のボリューム感、画面の中には存在しない部分の構造(裏側はどうなってる? どこまでが正面でどこからが側面? 画面外の関節はどのように曲がってる?)をひとつひとつ問いながら進んでいくのが堅実そうだ というのを提案したいです それらをいかに把握するか、立体や靭帯の構造から合理的に導き出せる角度・形をいかに出力できるか、が重要だと思っています


ストーリー性についてですが、すでに指摘のある通り、言葉でなく絵で説明するということだと思います

キャラクターがどういった経緯でどんな表情・仕草・格好をしているかが一目でパッと思い浮かぶというのが理想です

もちろんストーリー性にこだわらなければただ微笑んでいるだけ・ただポーズを決めているだけでも絵になりますが、そちらは画力だとかキャラのかわいさ、話題性での勝負になるのが難しいところです

ストーリー性を付加するともう一歩踏み込んだ、キャラの感情の動きを描写し、それによって閲覧者の感情も動かす、ということが可能になります


たとえば「普段は大胆な服装をしない、あまり積極的でない女の子が、珍しくいつもと違う衣装を着ている絵」を描くとします(二次創作のえらいところは「普段は〜違う」までのすべてがすでにファンの共通認識にあることです。なんらかのギャップをつくるときにもともとのキャラの性格や普段の衣装を提示してやる必要がないのです)

ただ恥ずかしそうにはにかみながらこっちを見ているだけならストーリー性は皆無です

しかし「慌てふためき、顔を真っ赤にして、こちらを見ることもできない様子」なら閲覧者は「この子は自分を好いてくれていて、勇気を出していつもと違うものを着て見せてくれたけれども、やっぱり恥ずかしくなってしまったようだな、このキャラクターの性格からするとすぐ走って逃げてしまいそうだ」と状況の把握に加えて妄想を膨らませてくれます

あるいは「試しに袖を通してみていただけなのに自分がたまたま入ってきてしまったからびっくりしている」とか「自分が無理やり着せてしまったものだから怒って恨みがましい視線を向けられている」とか読み取る情報はいろいろでしょうが、「この絵の状況になった経緯」「このあと起こりそうなこと」だったり「キャラクターの表情が意味するところ、言いたげなこと」「そのキャラクターらしいかどうか」だったりの情報を伝えるのは文字がなくても可能です

情報が伝わりさえすれば閲覧者は「このキャラクターらしさが出ていてかわいい、好きだ」となるか「このキャラクターにしては珍しい挙動でかわいい、好きだ」となってくれそうです

とはいえ手がかりがないと読み取らせることもできませんので、手をもじもじさせてみるとか、体を隠させるとか、更衣室の背景を描くとか、ハンガーを握らせて怒っている表情にするとか、なにかものをこっちに渡しているように描くとか……なんでもいいのでシチュエーションを連想させ、情報量を増やし、解釈の幅を狭めてストーリーを明確にする作業が必要になってくると思います

それが「ストーリー性」ってやつじゃないでしょうか

とくにシチュエーションを作り上げて伝えたいってわけじゃなければ、「絵になる」構図やバリュー(明暗)のうまい扱い、かっこいいシルエットだとかさまざまな技法を取り入れて視線を画面に釘付けにするとか、色使いや人体をべらぼうにうまくするとか、そういうことになると思います そこらへんは自分はよく知らないんですけど……


[了]







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