バゲクパ要素のあるマリオ×FGOのSSの第一話

バゲクパ要素のあるマリオ×FGOのSSの第一話


キノコ王国からずっと離れた場所にあるクッパ城でマリオの永遠のライバルクッパは悩んでいた。


「う~む」

「クッパ様?どうかなされたのですか?」

「良い作戦が思いつかんのだ。ピーチ姫を攫いマリオをギャフン!と言わせられるナイスな作戦が」


あの手この手でピーチ姫を攫いマリオと戦っているクッパ。普通に攫うのはプライドが許さないのだろう。


「あまり根を詰めすぎるといい考えは浮かび上がらない物ですよ、食事してからよいのでは?」

「そうするか、腹も減って来た事だし」


クッパが玉座から立ち上がろうとしたその時クッパの頭に何かが落ちてきた。


「ンッ!?なんだ!?」


落ちてきたもの見るクッパ。それは黄金色に輝くコップのような物だった。


「何だこれは?どこから落ちてきたのだ?」


クッパはそれを手に取り見る。


「よく見れば中々綺麗な物じゃないか、ワガハイの宝にするとしよう!」

「流石に怪しすぎますよ、カメック達に調べてもらいましょうよ」


それもそうだと納得したクッパはカメックに調べさせた。


「カメックよ、あのコップについて何かわかったか」

「おおクッパ様、丁度調べ終わりましたところです。どこで手に入れたかわからないですがありゃとんでもない代物ですよ」

「どういうことだ?」

「あれはただの金で出来たコップじゃありません、凄まじい魔力が宿しています。それだけじゃありません」


カメックはコップの内側をクッパに見せる。


「何か描いてあるな」

「これは召喚に使う魔方陣です。しかも異世界の英雄を召喚できる物でございますよ」


異世界の英雄という素敵な単語、それを聞いたクッパはピーンと来た。


「そうだ!これを使い異世界の英雄を召喚してマリオをギャフンと言わせてピーチ姫を攫おうじゃないか!」


クッパはカメックの手から黄金のコップを奪い取る。


「お、お待ちくださいクッパ様!召喚した英雄が言う事を聞くとは限りませんぞ!」

「ならワガハイのいう事を聞きワガハイにピッタリな英雄を召喚すればいい事だ!早くしろ!」


クッパに急かされコップの中の魔方陣を急ピッチで描き始めるカメックと他の部下たち。


「準備はできたか」

「ゼーゼー・・・ハイ、後はそれをゼー・・・魔方陣の・・・ゼー、中央に置けば・・ゼー・・つ、疲れた・・・」


疲れたカメック達ををよそに魔方陣の上に黄金のコップを置くクッパ。するとコップから凄まじい光が放たれた。


「さあ!来るのだ!ワガハイのいう事を聞きワガハイにピッタリな英雄よ!」


更に光は激しくなり部屋を包み込んだ!


「ヌゥ・・・どうなったのだ?」


流石に眩しかったためか腕で光を防御したクッパ。

光が収まり召喚された英雄が魔方陣の上に立っている。


「サーヴァント、セイバー。バーゲスト、召喚に応じ参りました」


そこにいた英雄は豪華な鎧を纏った荘厳な女騎士と言う言葉が相応しい英雄がいた。


「おお!成功したか!」

「まだわかりませんよ!あの者如何にも”私は正義の味方!悪党は嫌い!”ていう感じですよ!」


バーゲストと名乗った英雄はクッパの元に行き片膝をつき跪いた。


「召喚された以上、召喚者に従うのがサーヴァントである私の意義。主たる貴方の命に従いましょう」

「ガハハハ!そうかそうか!ならばワガハイの部下としてキッチリ働いてもらうぞ!」


バーゲストの忠誠を誓う言葉にすっかりご機嫌になったクッパ。


「それにお前のような美人が我がクッパ軍団に入るなら部下の士気も上がりそうだしな!」


そう言うとクッパは上機嫌で部屋から出ていく。


「・・・まぁ、クッパ様がああ言った以上お前もクッパ様のためにキッチリ働いてもらおうか。客間に案内する、クッパ様の指示があるまでそこで待機しておきなさい」


カメックの案内で客間に通されたバーゲスト。


(美人て言われた!あんなにたくましくて素敵な殿方に美人て言われた!)


誰もいない客間でバーゲストの固かった表情が一気に崩れた。

彼女はあることが理由でとても惚れっぽい性格になっている。そして好みのタイプも強くたくましい男性。

マリオと長年戦い続けたクッパの強さを本能的に感じ取ったバーゲストはものの見事クッパにメロメロになったのだ

しかし彼女は騎士でもある、初対面でいきなり色ボケな態度をとるのは騎士としてのプライドが許さない。故にあえてガチガチな騎士としての態度をとったのだ。


(あんな素敵な殿方に巡り合えるなんて、あの方ならきっと・・・)


しかしバーゲストにはとんでもない悪癖があった。

それは好きになった男性を食らう悪癖である。これは彼女に掛けられた解ける事の無い呪いであり宿命。

それでも彼女は一抹の希望をクッパに寄せる。自身が食らおうとしても抗える強い男性を。


「バーゲスト!クッパ様がお呼びですよ!」


カメックがバーゲストを呼ぶ声が聞こえる。バーゲストは「わかりました」すぐさまキリッとした表情になりカメックと共にクッパの元に向かう。


「皆の者!我がクッパ軍団に期待の大型新人が入ることになった!」ホールに集められたクッパ軍団。

「クッパ様ー、それってどんな奴なんですかー?」


軍団の一兵卒の一人ノコノコが質問する。


「ガハハ!すぐに来る!入ってこい!」


クッパの言葉を合図にバーゲストがホールの高台に乗ったクッパの隣に来る。


「彼女が大型新人のバーゲストだ!無礼なことはするんじゃないぞ!」

「バーゲストです、今後ともよろしくお願いします」


礼儀正しく挨拶をするバーゲスト。


「美人だー!」「かっこいいぞー!」「ハンマー使えるかな?」「力試しがしたいぞー!」「好きな食べ物はー?」

「恋人いるー?」「あっ!こっち向いた!恥ずかしぃー!」「真面目そうだなぁ」「僕らと雰囲気全然違うね」「というより絵自体が」


バーゲストを見たクッパ軍団の反応は様々であった。そしてバーゲストは驚きを隠せなかった。


(ここまでバラバラの種族を一つの軍隊にまとめ上げているなんて・・・!なんて統率力だ・・・!)

「ワガハイはこれからバーゲスト連れてピーチ姫を攫いに行く!お前たちも後からついてくるのだ!」


”オオーー!!”という歓声がホールに響き渡りクッパ軍団はキノコ王国に向けて進軍を開始した。


「さてバーゲストよ。ピーチ姫を攫うとなれば間違いなくマリオの邪魔が入る。お前はマリオの相手をしてもらう、よいな?」

「承知しました。ところでそのマリオという者は何者なのでしょうか」

「ワガハイの永遠のライバルだ!だが今回はワガハイが勝つぞ、ワガハイの事を知りつくしているマリオでもお前の事は知らないからなグワハハハ!」


一方キノコ王国のピーチ城は平和この上ない。見張りのキノピオですら昼寝をしているくらいだ。おまけに誰も叱る者もいない。

しかしその平和をあっさり崩れ去る。


「グワハハハ---!!大魔王クッパ様のお通りだぁー!!」

「うわーー!!クッパだー!!」「ひえぇぇぇーーー!!」「げ、迎撃準備ーー!!!」


クッパとその軍団の来襲で一気に大パニックになるピーチ城。しかしクッパの狼藉を許さない彼がいた!


「クッパ!お前の思い通りにはさせないぞ!」


キノコ王国のスーパースターでありクッパの最大のライバル、マリオだ!


「フン!いつも通りワガハイの邪魔をする気だな!マリオ!しかし今回は貴様の相手をせん。代わりこいつが相手だ!」


どういう事だ!とマリオが言う前に剣の斬撃がマリオを襲う!しかしマリオは華麗なジャンプで見事に躱しきる!


「誰だ!」

「まさか避けられるとは・・・クッパ様のライバルだけはありますね」


マリオの目の前にバーゲストが現れる。


「紹介しよう!我がクッパ軍団の大型新人のバーゲストだ!」

「我が名はバーゲスト。クッパ様の命により貴様と戦を交える!」


クッパの紹介と共にバーゲストが名乗りを上げる


「ここは任せるぞバーゲスト。ワガハイはピーチ姫の所に行く」

「そうは「貴様の相手は私だ!」くっ!」


クッパを止めようとしたマリオにバーゲストが立ち塞がる。


「クッパの味方をして悪さをするなら手加減は無しだ!」

「手加減無用!かかってきなさい!」


バーゲストは一気にマリオとの距離を詰める!


(早い!クッパが自信満々に言うだけはありそうだ!)

「もらった!」


バーゲストがマリオに剣を思い切り剣を振り下ろす!


「そう簡単にはいかないよ!」


しかしマリオはスライディングでバーゲストの足元をすり抜け攻撃をかわす。それだけではなくそのままバーゲストに足払いを掛けた!


「うわっ!?」思いもよらない反撃を受けたバーゲストは体勢を崩し前のめりで倒れる。もちろんマリオの攻撃はここで終わらない。

「まだまだぁ!」マリオは倒れたバーゲストの足を掴み思い切り回り始めた!回転の勢いはどんどん増していく!そして最後には!


「このままクッパの所まで・・・飛んでいけぇーー!!」


クッパのいる方にぶん投げた!回転の勢いにより猛スピードでクッパの元に飛んでいくバーゲスト!

しかしバーゲストとクッパは衝突しなかった。クッパと衝突する前にバーゲストが不思議な泡に包まれたからだ


「さすがはマリオくんですねぇ、こうもあっさりバーゲストを手玉に取るとは」


泡を作ったのはカメックであった。


「ガハハ!よくやったカメック!そしてバーゲスト、少々マリオを甘く見ていたようだな」

「返す言葉もありません・・・」

「構わん、すでに目的は達成しているからな」


クッパがそう言うとクッパの乗るクッパクラウンから一人の女性が姿を現す。


「ピ、ピーチ姫!!」

「マリオー!」


その女性こそキノコ王国の姫君、ピーチ姫であった。


「貴様がバーゲストと戦っている間にとっ捕まえたぞ!返してほしければクッパ城までくることだな!ガーハッハッハッ!」


クッパは高笑いしながら飛んでいってしまった。


「さて、バーゲスト。どうします、このままクッパ城に帰りますか?」

「いえ、名誉挽回の機会をお与え下さい」


バーゲストがそう言うとカメックは彼女を泡から解放した。


「さっきは油断したが今度はそうはいかない!!」


バーゲストがそう言った瞬間その周りから凄まじい力が溢れだす!


「?!な、何だ?!」マリオはバーゲストの力に驚愕する。(これは・・・!)カメックもバーゲストの力に驚く。


「ハアアァァァーーーー!!」バーゲストは先程とは比べ物にならないスピードでマリオに接近し掴み上げた!


「さっきのお返しだ!!」


そしてそのままマリオを思い切りぶん投げた!

マリオは抵抗できず空の彼方に飛んでいってしまった。


「さて、戻りましょうかカメック様」

「そ、そうですね(こいつの力・・嫌な気配を感じましたねぇ・・・警戒は怠らないようにしましょう)」


バーゲストにぶん投げられたマリオは自宅まで飛ばされてしまった。更にそのままの勢いで地面に突っ込んでしまい地面に突き刺さってしまった。


「な、なんださっきの音・・・に、兄さん!?」


音に反応し家から出てきたマリオの弟ルイージが見たのは地面に突き刺さったマリオの姿だった。

ルイージは家に戻り知り合いの博士から貰った掃除機でマリオを吸い込み始め地面から引っこ抜いた。


「大丈夫かい?兄さん」

「う~ん、マンマミーヤ・・・」


ルイージの心配をよそにマリオはそのまま気絶してしまった。


”一方クッパ城”


「ガーハッハッ!マリオがそうなったとはな!」


骨付き肉を片手に上機嫌に笑うクッパ。


「やはりワガハイの目に狂いはなかった!バーゲストよ、お前の働きに今後とも期待しているぞ!」

「お褒めに預かり光栄です。それとお願いがあるのですが」

「なんだ、言ってみろ」

「ピーチ姫と話がしたいのですが構わないでしょうか」

「ガハハ!そんな事か、我が部下も時々話しているのを見かけることもある。遠慮なんかしないで良いぞ」


クッパの許可が下りたバーゲストはピーチ姫がいる客間まで向かった。


「失礼します、ピーチ姫」


バーゲストがピーチ姫のいる部屋に入る。


「ほら!あの子よ!クッパ様の新しい部下の!」


既に先客のクッパ7人衆の一人のウェンディがいたようでピーチ姫と談笑していた。


「あなたがクッパの新しい家来なのね」


バーゲストに気づいたピーチ姫。バーゲストはピーチ姫を見て思った。


(・・・気品に溢れ、穏やかでまさしく姫という言葉が相応しい人だな。・・・クッパ様が攫うのも無理ない)

「どうしたの?」

「こっちに来てガールズトークをしましょうよ!」

「あ、えと、お、お言葉に甘えて」


ウェンディに誘われ椅子に座るバーゲスト。


「ピーチ姫、この度は手荒な真似をした事をお詫びいたします」

クッパのピーチ姫誘拐の手伝いをした事の詫びので頭を下げるバーゲスト。

しかしピーチとウェンディは目を丸くしていた。


「・・・?」(妙な反応ね・・・)

二人の妙な反応にいぶかしむバーゲスト。二人の反応の意味はすぐに分かった

「なんか、ウチでこうやって謝った奴見たの初めてかも」

「いつもの事だからちょっと驚いたわ」

「いつもの事って・・!どれだけさらわれているのですか?!」

「もう覚えてないわねぇ~」

「多分クッパ様もマリオも覚えてないわよ、というかクッパ様はピーチ姫に負けることもあるし」

「ええー・・・」

「ハイハイ!そんな事より男子禁制のガールズトークをしましょ!」


ウェンディの仕切りでガールズトークを始める三人。


ガールズトークも盛り上がり見せた時ウェンディがバーゲストにある事を聞いた。


「そうそうアタイ、バーゲストに聞きたいことがあるのよね」

「なんでしょうか」

「いつからクッパ様の事が好きになったの?」


いきなりの爆弾発言に紅茶を噴き出すバーゲスト。


「なっ!なっ!何を言うの?!ウェンディ?!」


思い切り動揺するバーゲスト。もはや騎士ではなく普通の女の子だ。


「えっ!?なになに、私にも聞かせて!」


もちろんピーチも首を突っ込む。


「アタイの目は誤魔化せないわよ!クッパ様を見る目が恋する乙女なのよ!」

「ウグゥ!!」


自身のクッパの対する想いがこんな所でバレたバーゲスト。


「私にも聞かせて!こんな面し・・じゃない素敵な事をほおっておけないし!」


さらにピーチがグイグイと尋ねてくる。


「ウウ・・・!!」


最早隠し切れないと悟ったバーゲストは少し唸ってからクッパの対する想いを話し始めた。


「・・・正直一目惚れなの。一目見た時から」


一目惚れという素敵な乙女ワードを聞いたピーチとウェンディは盛り上がる。


「クッパの好きなったところってどこ?!教えて!」

「まずはあの体格が良いの、どんな物にも負けずに突き破る剛腕も噛み砕けない物が無い牙に威厳のある角。そして体中から溢れる力とカリスマ・・・ハッ!」


そこまで言ったバーゲストは顔を赤くしてうつむいてしまった。


「こんな素敵な女の子に好きになってもらえるなんてクッパも隅に置けないわねぇ~♪」


ピーチは肘でバーゲストをつつく。それからバーゲストはクッパに対する想いをピーチとウェンディに根掘り葉掘り言わされた。


Report Page