ハートの海賊団、まんじゅうちゃんと出会う
飴コロ。まんじゅうちゃん概念が好き過ぎて、何個も自家発電で概念ポイポイしてるが、もうこりゃSS書くしかねぇわ!!と筆を取った。
私はカラコロシリーズも実況者ちゃんのブレイクハートも書いてるのに、何故また増やしているんだ…??(真顔)
※注意!!
まんじゅうちゃん達が舌ったらずなので、なに言ってるか分かりにくいかもですスイマセン
あとシャチとペンギンの差別化が出来ていない可能性。ごめんよ2人とも。
ポヨンッ、ポヨポヨ
「ちゃぷちぇー、ろーしゃー」
「おみゃえりゃ、しじゅかにしりょ…ちゃんちょ、きょきょを、よみちょりゅんだ…」
「んー…ねみゅ…れも、いいちょこりょ…」
「ろーしゃー、いちゃいいちゃいでしゅきゃ?あっ、おにぇむぅ?」
「ちゃぷちぇー、ろーしゃー、おにぇんにぇ!!にぇろ!!」
何だコレは。
トラファルガー・ローはひたすらに困惑していた。隣にいるもう一人の自分も同じ表情をしている。
ガチャッ
「ちょっと~キャプテン、ローさん。また医学書読み耽ってますねアンタら?さっさと寝ろって何度も…」
手に湯気の立つマグカップの乗った盆を持ってきたペンギン。
「ペンギン~、どうだ?やっぱ一緒にいたか?」
そんな彼の背後からひょこりと顔を出すシャチ。
「2人の息づかいとページを捲る音がしたから、絶対2人でいるとは思うんだけど…」
最後にぬっと姿を現したベポ。
「「「………何これ??」」」
「俺が知りたいんだが?」
「うん、俺もわからない。」
ポヨポヨポヨーンと2人で読み進めていた医学書の上で跳ね回る5体のまぁるい謎の生命体。
サイズは手のひらに乗る位だろうか。そう、ワノ国でよく食べられていた饅頭とかいう菓子。あれと同等か、少し大きい程度。
全身を使ってポヨポヨと音を立てながらジャンプで移動している。
俺達の顔がまん丸になり、デフォルメされたかの様な表情。
小さな口からは舌っ足らずな言葉が紡ぎ出されている。
白いモコモコしたキャスケット帽を被り、眉間にシワが寄って険しい表情に見えるのは恐らく俺。
そして帽子は無いが少し長めに伸びた髪と、僅かに見える白い包帯や小さな処置痕。実は少し気にしている垂れ目が分かりやすい表情をしているのは、もう一人の俺。
特徴的な帽子とサングラスをしているのはシャチ。同じくデザインは異なれど特徴的な帽子と、それにより目元が見えにくくなっているのはペンギン。フワフワもこもこしている白熊はベポ。
……見事に俺達をデフォルメしたかの様な、謎のまんじゅう型の生命体であった。
「オイ。」
「ンンッ?」
「お前らは何だ?何処から入ってきた。」
医学書を2人で読んでいて、一息着くかと顔を上げたらコイツらがいた。
万が一、いや億が一ではあるが、敵の能力者による現象…という事も考えられる。取り敢えず自分に酷似したまんじゅうに質問を投げ掛けた。
「おりぇりゃは、おみゃえりゃだ。」
「は…?」
「えっちょ…そーるのぐぎぇんきゃで、ちゅいしゃっき、でちぇきちゃ。おどりょかしぇちぇ、ごみぇん…」
じっと此方を見つめて答えた俺のまんじゅうの傍で、申し訳なさそうに眉を下げて答えるもう一人の俺のまんじゅう。……めんどくせぇな。小さい俺とかでいいか。
「ソウルの具現化…?」
「あっ!!そういえばこの島、何か奇妙な噂がありませんでしたっけ?」
謎の言葉に首を傾げるもう一人の俺。直後、シャチが思い出したかの様にポンッと手を叩く。
「あ~…確か『ウュジンマを訪れた者には、魂の分身が見える様になる。それはこの世界からその身が消えるまで、同じ島の空気を吸った者達の間で共有される存在となるであろう。』ってヤツか?」
マグカップを俺達2人がいる机に置きながら、ペンギンがシャチに向けて言葉を発した。
「そうそう、それ!!何の事だよって思ったけど『それ以外は特に何にもない平和な島だから、ゆっくりしていってね!!』なんて島の案内してくれたおねーさんが言ってたからさぁ…まあ特に気にしてなかったんだけど…コイツらの事なのかもな。」
「ええ~?これ、俺達の分身なの?」
シャチとベポがじっとまんじゅう達を見つめる。
「ごみぇーしゃちゅ。」
「おりぇちゃちは、おみゃえりゃのいちびゅ。」
「ちゃましーのびゅんしん。」
「「「こりぇきゃらは、よりょしく、ちゃにょむじぇ!!」」」
ポヨーン!!と跳躍し、上からペンギン、シャチ、ベポの順番で積み上がったまんじゅう達。
心なしか自慢気に見える。ドヤ顔ってヤツか。
「さっ、騒がしい…」
「オイ他のクルー起きちまうだろうが静かにしろ…!!」
「へぇ~、俺達こんな感じなんだぁ…」
三者三様の反応を見せる幼なじみ達。
何だかんだで既にこの存在を受け入れているらしい。無害だと分かったからもあるだろうが。
「お前らなぁ…」
受け入れるの早すぎだろ、とツッコミを入れようとしたら小さくか細い声が聞こえた。
「めーわきゅ、かぁ…?」
「ん?」
「おりぇがいちゃりゃ、みんにゃ、きぃちゅきゃう…めーわきゅに、にゃるよにゃ…」
ショボショボと明らかに沈んだ表情を浮かべ、口をキュッと引き結んでいる小さいもう一人の俺。
「あ…」なんて隣の男も申し訳なさそうに俺をチラチラと見てくる。
ったく、こいつは…。
「フンッ!!」
「ちょあ!!」
勢いよくもう一人の俺の頬をつねる。同時に、小さい俺は、もう一人の方の頬に齧り付いていた。
「フギュッ…!?」
「ぴゃっ!?いちゃい…!!」
ビクッと震えて涙目になっているもう一人の俺と小さい方。
「キャプテン!?」
「ローさん!?」
「な、何してるの!?」
「ピャッ!?」「ちゃぷちぇー!?」「ろーしゃー!?」
3人も予想外の事に大層驚いたらしく、まんじゅう共と騒いでいる。
「まだ、んな事考えてんのかお前。」
「いや…だって…」
ギロリと睨み付ければ、つねられた頬に手を当てつつ視線を下に落とした。
「いつ、誰が、お前を迷惑だなんて言った?」
「おみゃえは、きゃんじゃ。おりぇは、いしゃ。いしゃのちゅとめは、かにゃりゃじゅ、はちゃしゅ。」
「お前は患者としての責務…つまり、。『治る』事が仕事だ。それを全力で全うしろ。」
ピシッと指差し、言葉を投げ付ける。些か乱雑過ぎただろうか?いや、これくらい言わなきゃコイツらには分からねえ…。多少なりとも厳しく言っておかなくては。
「っ…うん……」
「ごみぇん……ありあちょ…」
潤む目を擦りつつ、コクリと頷くのを確認した。まんじゅうの方も、すり…と頬を合わせて謝っている。
まあ一先ずはよしとするか。
「分かればいい。」
「ちゃんちょ、にゃおしゅかりゃにゃ。」
頬を擦り合わせてポヨポヨと身体を揺らしているまんじゅう達。
「ちよっ…カワイイんだけど♡キャプテンとローさん♡」
「ううっ…ローさんの不敵な笑みと共にもたらされるデレ…貴重すぎる…!!」
「2人が仲良しで、俺うれしーよ!!」
シャチ、ペンギン、ベポのテンションがおかしな方向に行っている。
「きゃわー♡」「ちょうちょい…♡」「にゃかよちこよち!!」なんて奴らのまんじゅうもポヨポヨ跳ねていた。
「うるさい、夜中だぞ。早く寝ろ」
渡されたマグの中身に口を付けながら、しっし、と追い払う様に手を振る。…む、ホットミルクか。コーヒーじゃねえのかよ。
「いやアンタがそれ言うんかい!!」
「いや俺達の台詞なんですが」
シャチとペンギンに鋭くツッコミ返された。
「む~…しかちゃにぇーにゃ。にぇてやりゅ。」
「チッわかったよ…」
「何で上から目線なんだ…」とかシャチがボヤいてたが知ったことか。
「はぁいローさんもマグの中身飲んで寝ましょうね~」
「俺が部屋まで運んでくよ~。」
そっとマグを寄せてペンギンが促す。ベポがもう一人の俺の背中を擦っていた。
「あ、うん…。……ん、甘いな。蜂蜜入りか?美味しい。」
「にぇむ~…べぽ、ありあと…」
「エヘヘ。どういたしまして。」
こうして、まんじゅう達との初邂逅の夜は終わった。
次の日、他のクルー達にも確認を取った所、漏れなく全員のまんじゅうの存在を確認し「よりょちきゅ、おみちりおきをぉ!!」なんてビシッとポーズを取るのを見て苦笑したのは余談である。
了