ハイランダーモブちゃんと

ハイランダーモブちゃんと


「先生、本日もご乗車いただき誠にありがとうございます♡」


ハイランダー鉄道学園・ゲヘナ行き列車での一件の後、私はある生徒から熱烈にアプローチを受けていた。


”この前は予定が合わなくてごめんね……シャーレに来てもらえたら間違いなく話し相手になれるんだけど……”

「いえ、私は一介の有象無象、名前も知らないようなモブの一人。それで十分なんで」


それにしては随分と距離が近い。ブルーグレーの長髪が目の前で揺れる。意識すればシャンプーの香りまで嗅ぎ分けられそうなほどに密着している。


「……近いって?こっちは意図的に近づけてるんだろ!安心しろ、この車両は先生用に貸し切りだ♡うるさい乗客や上司は無視して他の席のチケットを終売にさせた!」


長い前髪のせいで目元の表情は読みにくい。

しかし、頬を赤らめてこちらに笑いかけるその口元は明らかに恋する乙女のものだった。


「全席指定ってもいつ客が来るか分からない状況……そんな状況で生徒と先生がイチャつくとか、興奮するだろ……?」


どんどんと彼女の息が荒くなる。

身の危険を感じた私は席を立とうとしたが、力で勝るキヴォトス人の腕力に押し戻されてしまった。


「どこへ行こうってんだよ……?走行中に席を立つと危ないっつってんだろ?」

「ふふ……ビビる先生も可愛いな……!……もう限界だ!あ?何をって……今から先生をブチ犯すってんだろ!」


彼女は私のズボンに手を伸ばし、着けていた皮ベルトを引きちぎった。

そして股間をまさぐるようにズボンを下ろさせ──


「スゥーーッ……多忙の先生が最近ため込んでるなんてのは分かってんだよ♡早く足を開けって言ってんだよ!……?何か言いたいことがあるって顔してんな」


震える声で私は頼んだ。


”さ、流石に生はダメだって……!私は貴女の名前も教えてもらってないし、そんな相手と無責任なことはできない……!”


そういって私は念のためにと常備しているコンドームを取り出した。

それを見た瞬間、彼女の顔色が変わった。


「……コンドームを持ってるって……ふざけてるのか?ワケって何だ、もしかしてアレか?」

「どうせ一夜限りの関係なんだから、まともなものじゃないだろうって?いつもはネームド生徒ばかりだから、私の目を誤魔化せるとか……!ゴム内射精くらい許されるとか思ったんだろ……?」


いつも以上に荒々しい口調。

マズい。キレさせてしまったようだ。


「言い訳なんて、もう分かってんだよ!どうせ遊びの関係だろうなんて考えで……白昼堂々、避妊性交をしようってんだろ!!」

「もう限界だ!!先生まで馬鹿にしてくるなんて!!!」


そう吐き捨てるや否や、彼女はタイツと制服のスカートを乱暴に脱ぎ捨て、座席に座る私の上にまたがり……


それからの記憶は曖昧だが、目的地に着くまでの間じゅう、電車内で彼女に搾り取られるハメになったのだった。

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