ノース4ifリトルガーデンの話

ノース4ifリトルガーデンの話


※リトルガーデン編のノース4版を捏造したもの

※ルートの整合性については気にしないこと

※「いつかグランドラインに入ったらドラム王国に行きたい」というローたっての願いでドラム王国のエターナルポースをバラティエ時代に入手している設定


「誰か手が空いている奴はいないか」

「どうしたホーキンス、何か見えたか?」

「ドレーク、帆を見てくれ。上の部分が破れている。おそらくリバースマウンテンを越えたときに出来たんだろうが…」

「どれどれ…ああ、これぐらいならおれにも直せそうだ」

「良かった、では9時の方向に見える島で停泊して修繕しよう。海上での作業は"凶"と出ている」

「確かに作業中に海へ落ちたら、間違いなく大変だ。サンジ、ロー!お前たちもそれでいいか?」

「そろそろ食糧の補給してェし、ちょうどいいな」

「おれも問題ねェ。修繕の手伝いは必要か?」

「いや、おれたちふたりで大丈夫だろう」

「そうか。じゃあおれも散歩してくる」

「わかった。数時間あれば直せるはずだから、日暮れ前には戻ってくれ」



「……なあ、ロー」

「どうした?」

「なんつーか、ドレークみてェなトカゲがあちこちにいねェか?」

「ああ…ありゃ恐竜か。アロサウルス以外の恐竜、初めて見たぜ」

「な?木の種類も見たことねェし、変な…鳥?トカゲ?恐竜?も飛んでるしよ。密林ってこういうモンなのか?」

「…この島については前に本で読んだことがある。なんでも古代の環境を保っている上に、巨人が棲みついてるんだと」

「へぇ。巨人か。やっぱりでけェんだろうなあ」

「少なくともバラティエ店内には入れねえだろうな」

「ははっ。じゃあ来店の際は「ヒレ」にご案内だな」

「…そういやサンジ、おれたちが買い出しに行ってた時に「ヒレ」破壊してただろ。結局あのとき、何があったんだ?」

「ああ、ゴタゴタしてて話してなかったよな。まあなんつうか、麦わら帽子被った海賊がきてさ……」


「……へェ、変わった連中だな」

「ああ。また会おうと約束はしたが、海は広いからなぁ……ってなんだこの振動音」

「また噴火か?どうなってんだこの島は」

「あんまり長居はしたくねェな…虫がいるし」

「虫はともかく、巨人を見かけねェのが気になるな…」

「昔の本だし、もう島から出ちまったんじゃねェか?」

「そうだな…まあ元々巨人目的でもねェし、この島でこれ以上見たいものも特にねェし、ボチボチ船に戻るか」

「ああ。さっさと食糧の補給して戻るか。しかし恐竜を狩るのはどうも気が引けるな…」

「恐竜以外の動物もいるみてェだから、そこを狙っていくぞ」

「そうだな、そうしよう……ん?なんだありゃ」

「なんだ?」

「白い建物?みたいなものが」

「?!"白い"建物だと?」

「?ほらアレだよ。木に隠れて見づれえけど、左の奥にある豆腐ハウス」

「……白い、建物……だな」

「さっきからそう言ってんじゃねェか」

「あ、ああ…」


「グランドラインともなると建物も一風変わってるのが当たり前なのかね」

「……ああ、そうだな」

「鍵掛かってねェな。おっ、中に紅茶セットがあんじゃねえか。おれたちサイズの人間がいるみてえだな」

「……このティーセット、汚れや埃がねえな。数日以内に誰か居たんだろう」

「ふーん…密林にあるくつろぎ空間と、そこにいる人間、か」

「しかし間取りや物を見るに、ここで生活するための空間じゃなさそうだな。外の様子も見てくる」

「おれはもう少し中の様子見てェから、船に戻るときは言ってくれ」

「ああ」


「(さて、と……"白い"建物か。改めて見ると全然違うじゃねえか。驚かせやがって。ったく……素材はなんだ?溶けたような形、相当の硬さ、統一感のある白、四角い造り、違和感しかねェ構造……もしかすると、能力者が能力だけで作った建物か?)」

プルルル…

「(なんでこの島に建てる必要があった?古代の環境への研究目的か、何か別の理由が……ん?入り口近くにある、妙なクレーターはなんだ?血痕が残ってるが、これは人間の血じゃねェな。動物…クレーターの大きさから見て、恐竜サイズの生き物を上から重さで潰した可能性があるな)」

プルルル…

「(潰された恐竜がいねェから確証はできねえが…こんな芸当ができるパワーを持つというと、巨人の仕業か?やっぱりまだ居るのか?建物屋内で見かけた机やソファーを作ったように、自在な大きさで相当な強度の拘束具も作れるってわけか…巨人の捕縛をしにきた可能性もありそうだ。が、どうもなにか引っ掛かる……)」

プルル……

「……さっきから電伝虫がうるせェな。どこで鳴ってんだ?」


「……(サンジの奴、なに人の家で勝手に紅茶淹れて勝手に電伝虫に出てやがる)」

「!あ〜〜…いや…何でもねェ…ハァ、いや…ありません」

「……(誰と何の話してんだ?しかもなんでサングラス掛けたラッコと鳥が床に落ちてんだ)」

「…だから、もう追手を出す必要はねェ。OK?」

「……(本当に何の話してんだ?)」

「………切れた………」


「おいサンジ、順を追って説明しろ」

「ええっと……まずは建物の中で見つけた茶葉の缶があって、書かれた産地が見たことのねェやつで……」

「まて、順を飛ばして説明しろ」

「ああ……電伝虫のことだよな。まず相手が"王女と麦わらの一味を抹殺できたか?"とか聞いてきやがって」

「"王女"は知らねえが、"麦わら"と言うとお前がバラティエで「ヒレ」壊したときに会ったっていう海賊か?」

「本当にルフィの奴の命が狙われてるかは知らねえが、"麦わらは倒した"って適当に話合わせたんだよ。そしたらそこで床に転がってる奴らが急に襲いかかってきたんだ」

「で、応戦したと」

「そういうこった。通話相手には"追手を出す必要はねェ"と念押ししたら、切れた」

「状況は把握したが、結局誰と話してたんだ?」

「"Mr.0"とか名乗ってたぜ。そんで、こっちを"Mr.3"だと思って話してきた」

「なにかのコードネームか。情報が足りねェな……少なくとも、この建物は"Mr.3って奴が麦わらの一味と王女とやらを狙うために作ったアジト"ってことで間違いなさそうだな」

「…ここにMr.3が戻ってきたらマズいな」

「ああ。これ以上何かに巻き込まれる前に、建物から…いや、島から離れた方が良さそうだ」


「しかしこいつらは一体何だったんだ。ん…?これは……」

「エターナルポースか。刻まれているアラバスタ王国っていうと、ドラム王国の近くにある島だったな」

「…"王女"…"王国"……"抹殺"……?なあ、ロー。このエターナルポース、麦わらの連中に届けてやったほうがいいかもしれねェ」

「はぁ?何言ってんだてめェ」

「正直なにが起きてるのかさっぱりだし、壮絶にきな臭ェよ。でも、命を狙う奴らから奪った物を、命を狙われた張本人に渡してやる。それは麦わらの連中の助けに多少はなるんじゃねェかな……バラティエを助けてくれたルフィに、少しは恩返しできんじゃねェかな、って思ってんだ」

「……好きにしろ。アラバスタ王国のエターナルポースなんかあっても、おれたちは使わねェしな」

「!!」

「おれは先に船に戻る。お前も用が済んだらさっさと帰ってこいよ」

「ああ、すぐ渡してくる!」

「本当にアイツは…相変わらず、お優しいことだな……」


「おかえり、ロー。サンジは一緒じゃないのか?」

「届け物してくるんだと」

「届け物…?」

「ああ、そのうち戻ってくる。ところでドレーク、修繕はどうなった?」

「帆の修繕は完了したぞ。見てくれ、綺麗なものだろう」

「ふーん、やるじゃねえか。すぐに出航できそうだな」

「いつでもいけるぞ。そういえば島の様子はどうだ?なにか面白いものはあったか?」

「面白いかはわからねェけど、お前によく似た大トカゲがあちこちにいたぞ」

「恐竜が?!恐竜がいるのか?!」

「いた」

「いや、しかし……そうか……恐竜が……すまんロー、少し船番は任せてもいいか?」

「構わねえが、この島には別の連中がいるみてェだ。鉢合うと面倒そうだから、静かに速やかに帰ってこい」

「ああ、わかった。おーい!ホーキンス!恐竜がいるらしいぞ!見に行こう!」

「静かに行け!」


「戻ったぞ〜」

「サンジか。なんだ早かったじゃねえか…おい、どうしたその変な表情は」

「……ルフィの奴、またひとり美女を仲間にしてやがった……なんでこの船には花がいねェんだよ……なんで……」

「さあな」

「ハァァ……あれ?ホーキンスたちは?」

「あいつらは恐竜見物ですぐ戻る。すぐに出航するから、今のうちにその大荷物さっさと食糧庫にいれてこい」

「了解」


「ただいま!本物の恐竜が沢山いたぞ。な、ホーキンス」

「ああ。だが、あれらは魔術の素材にはどうやら不向きだな」

「てめェら遅かったじゃねえか。サンジはもう帰ってる……で、他に誰にも会わなかったか?」

「特に会わなかったぞ」

「そうか、ならいい。すぐに出航するぞ」

「待て、島の西側からの出航の生存率が"0%"と出ている。東から遠回りに行くぞ」

「一体なにがいるんだ、西側には……」

「……騒がしいと思えば、てめェら帰ってたのか。よし、もう出航だな?」

「ああ。帆を張れ、錨をあげろ!出航だ!」



「そういやロー、結局あの島で巨人見たか?」

「……そういや見てねェな」

「おれも見なかったんだよな。ただ、麦わらの奴らの近くにクソでけェ人型の山があってよ」

「そりゃあ、巨人だったんじゃねェか?」

「ああ〜」



オマケ(届け物に行ったときの様子)

「ルフィ!おめェ、本当にこの島にいたのか…….」

「なっ、サンジ?!」

「長鼻もいんのか。ってなんだよお前らボロボロじゃねえか!ローを呼んでくる!」

「サンジ!大した怪我じゃねえから大丈夫だ!」

「あ、ああ…そうか」

「あら、サンジくんもグランドラインにいたのね」

「ナミさんに会いにきたんだよ〜〜っ!無事でよかった〜〜〜!刺激的な君も素敵だ〜〜〜!」


「それでサンジはどうしてこの島にいるんだ?」

「船の補修が必要で一時停泊してんだよ……ところでお前ら、一体なにに巻き込まれてんだ?ああいや、やっぱり言うな。聞いたらおれも巻き込まれる気がする。ほら、受け取れ」

「?なんだこれ。エターナルポース?」

「ああ。アラバスタ王国って島のものらしいぜ」

「アラバスタへのエターナルポース?!」

「?!?!だっ、なっ、だ、誰だこの絶世の美女は!!」

「どうしてあなたがこれを?!」

「……や、なんか知らねェけど、てめェらの命を狙う"Mr.0"とかいう奴が"Mr.3"って奴に渡すはずだったコレを偶然手に入れてよ。おれが持っててもしかたねェし、お前らにやるよ」

「ありがとう……!」

「いや…いや…ど〜〜いたしまし…テヘ!……おっと、もう船に帰らねェと……」

「ありがとな、サンジ!またな!」

「……おう。てめェら、無事でいろよ」


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