ニンジャスレイヤー 美少女忍法帖ミチルっち炎上
とある日、ニューハウンズにて
「・・・」ズズッ
「ん?リズ何見てんの?」
「んぁ?あぁ、622先輩。チョッと最近ハマってるMOMOTUBEの動画を見てまして」
「え?どれどれ・・・”美少女忍法帖ミチルっち”?」
「そうっす。これ案外面白くて見ちゃうんすよねぇ」
「チャンネル登録しとこ」ポチッ
「早っ?!まだ動画も見てないのにっすか?!」
「だって、リズが見てるなら絶対面白いじゃん。ねぇねぇ、みんなでスクリーンで見ようよ」
「・・・それもそうっすね。皆今日は依頼なくて非番ですし。しかも生放送っすよ」
ルビコニアン建設
「ん?ツィイー何見てるんだ?」
「あ、アーシル。最近これにはまっててさぁ」
「えっと・・・”美少女忍法帖ミチルっち”?」
「そうそう!これに出てくる子たちがみんな可愛くてねぇ!」
「あ、そうだ。皆も呼んでみよう。案外楽しめるかもしれない」
「いいねぇ!今日は特番らしいからさ!絶対面白いよ!」
万魔殿にて
「もうすぐ美少女忍法帖ミチルっち始まるよ―――!」
「今日もイブキは可愛いなぁ!」
「今日は特番らしいわね」
「ふわぁ・・ねむ・・・」
各々がワクワクしながら待機する中、ついに生放送が始まった。
「ドウモ、視聴者の皆=サン、千鳥ミツルです~」
「視聴者の皆さんこんにちわぁ!久田イズナです!」
「あっ、あの・・・こんにちわぁ・・・大野ツクヨです・・・」
すると画面には忍術研究部でおなじみの3人が映った。全員が奥ゆかしくもお決まりのアイサツをする。
「ところでケンナは?」
「あぁ、なんか『百鬼夜行に軽い依頼が入りましたわ~!行ってきますわ~!』とか言って今いないぞ」
「あれ?なんか依頼あったっけ?」
「確か・・・なんか手伝いの依頼だったはずっす。そこまで高くもないやつっすね」
「今日はぁ、カメラ係として外部から協力者を呼んだよ~」
「今日カメラ係をしてくれるのはニューハウンズ所属の阿手ケンナさんです!今日はよろしくお願いします!」
「ご紹介を受けました阿手ケンナですわ~!皆様、今日はよろしくお願いいたしますわ~!」
カメラが少しぶれる。どうやら3人の反応を見る限り彼女は手を振っているようだ。
『『『ブフーーーーーーッ?!!!!』』』
ニューハウンズの面々が全員噴出した。
「アイツ何やってんだ?!いやほんと、何やってんだ?!」
「依頼ってそういう依頼っすか?!」
「アッハッハ!さっすがケンナちゃんだ!」
そんなこんな言ってる間にも動画は進んで行き、ついに本題に入る。
「さて、次からが本当に本当の重大発表です~!」
「なんと!」
「な、なんと・・・?」
「なんと!!」
「いったい何が発表されるんですの~?!」
「ミチルたち忍術研究部に外部顧問がつくことになりました~!」
「「え~~~~?!!」」「すごいですわ~!」
「えー?!ほんとー?!すごーい!」(イブキ)
「よかったねぇ、ミチルっち・・・ずっと努力してたもんね…」ズビッ(ツィイー)
「では、今ここに向かってきてるらしいので紹介します!アレを見てください!」
「およ?」
ケンナがミチルが指さした方にカメラを向ける。するとそこには空を颯爽と飛んでいるACの姿があった。
(BGM:ニンジャスレイヤー=サンがニンジャを殺すときに流れる曲)
「・・・ん?」
「同志フレディ、どうしたんだ?」
「いや、なんか見たことあると思ってな」
「・・・言われてみれば確かに」
sそうこう言っている間にもACはどんどん近づいてきている。そして20mほど先っで着地するとそのハッチから何かが飛び出した。
ここでニンジャ的動体視力をお持ちの方は気づいただろう!そう、男だ!男は10mほどあるACからジャンプで飛び降りると見事な回転着地でカメラの前に姿を現す!!
「ドーモ、視聴者の皆=サン。六文銭=デス」
奥ゆかしくもアイサツをしたこの男、紺色のメンポと装い、そしてたなびくマフラー。腰には鎖鎌と背中には刀。さらに極めつけは胸に刻まれている六文銭と「忍」の文字!(残念なことに「忍」の文字が反転している・・・ウカツ!)
どっからどう見てもあからさまにニンジャなのだ!!!
『『『アイエエエエエ?!ニンジャ?!ニンジャナンデ?!!』』』
「「「何をやってんだ六文銭?!!」」」
「すごーい!忍者だよー?!」
動画を見ていた視聴者の多くがしめやかにNRSを発症!忍者ごっこをしている少女たちを見ていたら突然本物のニンジャがやってきたのだ!その過剰なニンジャ成分に体が拒否反応を起こしてもおかしい話ではない!!
というよりそもそもなんでここにニンジャがやってきているんですかおかしいと思いませんかあなた。
「すごーい!本物ですわ~!素敵ですわ~!」
「ミチル殿への応援のため、ニンジャに憧れる同志としてここに推参した!以後、お見知りおきを」
ちなみにその生放送は当チャンネル史上最高視聴数をたたき出し瞬く間に拡散され、モモッターのトレンドを全て占拠しました。
後に彼はこう語る。
「私は忍術研究部の顧問としてここにいます。ルビコニアン建設とは無関係」
その言葉に誰もが納得せざるを得なかった。