ナミとモブ幼女

ナミとモブ幼女


私のお家は、おじいちゃんの代からずっと続くみかん農家です。

この島にあるみかんは、ほとんどがうちで育てたものなの。私も、みかんの木のお世話や収穫を手伝います。今はお手伝いだけど、これから色んなことを覚えて、大人になったら家を継ぐんです。


うちのみかんを褒めてくれた、みかん色の髪の綺麗なお姉さんにそう言うと、お姉さんはニッコリ笑って私の頭を撫でてくれました。

「それは楽しみね! あなたが大きくなったら、またここにみかんを買いに来るわ!」

「本当!?」

「もちろん!」

私は嬉しくなって、お姉さんの手をぎゅっと握りました。

「たっくさんみかんを作って、待ってます!」


お姉さんは、うちのみかんをたっぷり買って、ライオンさんの船に乗って行ってしまいました。私は港からそれを見送っていて、船にみかんの木が植っていることに気づいたのです。

「お姉さんのみかんかなぁ」

あんなに優しくて、みかんが大好きなお姉さんだもの。きっとアレもすっごく美味しいんだろうな。次に会えたら、みかんの交換とかしてみたいなぁ。


私は、船が水平線の向こうに見えなくなるまで港にいました。ずっと、ずぅっと。

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