ナイトでもありプリンセス
現パロ ルフィ20歳 ウタ21歳程?
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ここらの通り道は街頭が少なく視界が悪いからか、よくレディたちが行儀を知らない無礼者に手を挙げていると聞く…
ならばそれを助けるのがナイトとしてのボクの役目だろう
「____きゃーーっ!!!!」
____早速…できれば何も無く誰もが平和に帰れるというのがボクの願いだったがそれは叶わないようだ
「レディに手を挙げる無礼者は今すぐご退場願おうか!!」
か弱き細身の子猫ちゃんを力でねじふせる悪党をぶっ飛ばすためにボクは裏路地へと飛び出した
「……なんだてめェ…ん?お前ウタか?配信を辞めたって聞いてたが…慈善活動にでも目覚めたのかァ?」
幸か不幸か、ボクのことを知っていた男は標的をボクひとりへと変えてくれた
おかげでレディは傷を負うことなくこの暗い路地から彼女に似合う華やかな街の方へと駆けて行った
「……まさかボクに勝つつもりかい?辞めてほいた方が……」
「!!?」
____なんだ!?後ろにもうひとり仲間がいたのか……ッ!!羽交い締めにされてしまって動けない!!
「あんな女より上玉のウタと遊んだ方が楽しいからな〜 お兄さんたちと一緒にいっぱい遊ぼうね〜」
「……はッ!レディの扱い方も知らない無礼者にボクの相手がつとまるかな?キミたちが想像しているほどボクは甘くもないし優しくもないぞ!!」
____ダメだね…平静を装っているがどうもこの状況はチェックメイトと呼ばざるを得ない状況のようだ
フッ…こんな状況も打破できないボクがレディを守るナイトだなんて聞いて呆れるね
「はいはい強がらなくていいからねェ」
先程までレディを押さえつけていた男の腕が触手のように唸り、一歩一歩着実にボクの胸へと伸びてくる
……"最悪"を覚悟し 全てを諦めてしまった……その時
____神の一手が舞い降りた____
「……お前ら…そいつに何やってんだ」
ボクの…ボク"だけ"のナイトがやって来てくれた
「なんだてめ……ンガッ!!!?」
「こいつ……ガハッ!!?」
たった一手で盤上の優劣をひっくり返してしまった
これがボクだけのナイトの力だ
「…まったく何やってんだよ 街で通りかかってぶつかった女に事情を聞かなかったらお前を助けられなかったかもしれないんだぞ!」
「…ごめんよルフィ……」
「……今の体はお前一人の体じゃないんだからな……妊娠初期でも無茶すんなっていつも言ってんだろ!!お前とお腹の子にもしもの事があったら……おれは…」
「……グスン…」
「____ほら、こんな暗い所はお前には似合わないからさっさと街に出るぞ 話はそれからだ」
「……うん!!」
____ルフィの嘘つき
何が"お前を助けられなかったかもしれない"だ
どうせ君は子猫ちゃんから事情を聞かされずともボクを助けるために何度でもボクの前に姿を現すだろ?
君はボクだけのナイトでもありプリンスなのだから
そしてボクはキミだけのプリンセスウタなのだから♡
END