ドM勇者は寝ボケて卒業

ドM勇者は寝ボケて卒業

ノーパン勇者ちゃん概念流行らせたいエルフ


 

僕がマヌルと過ごす夢を見た翌日、ケンシとカスパーはティゴも加えて額を突き合わせて話し合っていた。漏れ聞こえてくる内容から考えると、僕が勝手に『夢魔の淫石』を買ってきて使ったのが問題になっているらしい。話し合いは昼まで続いて、結局は『購入禁止』で決着がついたようだ。遅めの昼食の間に伝えられた。

「そんなぁ……。あんなに楽しかったのに……」

「あれは使い捨てのアイテムとしては高価すぎる。下手をしたら無一文になってしまうぞ」

「でも、夢の中では本当にマヌルに会えたんだよ?」

「それでもだ。夢の中の相手と何を話す必要がある?お前はただ、お前自身の未練を晴らしたいだけじゃないのか?」

「それは……そうかもだけど……」

「とにかくあれはもう買わないことだ。いいな?」

「はい……」

そう言われてしまえば仕方がない。僕は諦めてうなずいた。

食事を終えて、ケンシとティゴはそそくさとその場を離れて外に出ていった。うなだれている僕に、カスパーが声をかけてくれた。

「あれは使い切りのアイテムとしてはかなり高価な品ですから。皆さんは勇者様があれに依存して身を持ち崩してしまうことを心配しているんですよ」

「そんな! 僕は……もう買わないとは約束できないけど……」

昨晩の夢が思い出される。それだけで下腹が熱くなるようで、今までにない快楽と心が満たされる感覚を身体が覚えてしまっているのがわかった。でも依存しているつもりはなかった。マヌルには故郷の村に帰れば会えるはずで、帰りさえすればもっと、欲しいだけ身体を求めることができるはずだから。

「……使っちゃダメっていうなら、ガマンはするから」

「いえ、そこまで制限するつもりはありませんよ。ただ、あまり頻繁に使われるのは困るということです」

そういえばケンシは、カスパーに教えてもらって買いに来たようだった。それならカスパーのほうが詳しく知っているのは間違いない。

「勇者様がどうしても……とおっしゃるのなら、私が代理として購入してくる、というのはどうでしょう?」

「? どういうこと?」

「この度禁止されたのは、貴女自ら出向いて夢魔の淫石を購入することだけです。相場を知らないままに購入するにはリスクの高い品物だというのが、ティゴさんの懸念です。使用者の願望を夢の中において叶えることで未練を引きずってしまうというのが、ケンシさんの懸念です。ですから、相場を知っており、使用法を熟知しており、その上で購入を禁止されていない私が手に入れてきたものを勇者様に譲渡する、という方法をとれば、貴女が禁を破ったことにはならない、ということです」

「あ!」

それなら、と僕も納得してしまった。ばれてしまったらケンシがカスパーを咎めるかもしれないけれど、そのときは僕が正直に出て叱られよう。僕は彼に向き直ってお礼を言う。

「ありがとうカスパー! これでまた、夢の中でマヌルに会いに行けるよ」

「……お気になさらず。勇者様の旅路を支える仲間として、当然のことをするまでですよ」

僕はカスパーにお金を渡すと(昨日支払った金額の半分くらいが相場だったらしい)、買い物には出ていかずに自己鍛錬をすることにした。一日外出禁止とも言われてたから、それくらいしかすることもなかったけれど。

 

そして日が暮れて、皆での夕食を済ませてから、宿の個室に戻った。僕の手には、隙を見てカスパーが渡してくれた『夢魔の淫石』があった。渡したよりも安い値段で買ってこれたらしく、お釣りまで返してくれた。

ベッドに寝転んで、枕元に『夢魔の淫石』をそっと転がす。今日は半日とはいえひたすら鍛錬に勤しんだので、いつもより疲れているような気がした。それもまた、夢の世界に旅立つには都合がよかった。

いつもより強烈な眠気に、何をしようとしていたのかも分からなくなっていく。意識が真っ黒に塗りつぶされる。

 

「『夢魔の淫石』は、保有者が眠りにつく直前まで思い浮かべていた人物が登場する夢を見ることができるアイテムです」

誰かに抱えられているような感覚に目を開ける。誰か……カスパーだった。はっきりしない頭で聞く。

「どうしてカスパーが?」

「貴女が買ったわけではない以上、あのアイテムの保有者は私なんです。ですから、夢の主導権は私にあります」

暗闇の中を、カスパーに抱えられたまま進んでいくうちに、周囲の光景が変わっていった。明るく照らされてはいるけれど、どこか薄暗いそこは、泊っている宿の部屋とそっくりだった。

同じように備え付けられていたベッドにそっと降ろされる。カスパーを見ると、日ごろ着ている魔法使いとしての服装を着ていなかった。痩せた長身で、引き締まった筋肉がついていることが分かる。下着以外穿いていない。僕もいつも着ている服を着ていなかった。肌に直接触れる布地が気持ちいい。ワンピースみたいなそれの裾はいつもの服くらいの長さだけれど、とても薄くて下着がほとんど見えてしまっている。

「…………ここは?」

「夢の世界ですよ。現実の私たちは眠っているわけです」

「じゃあ僕はどうしてここに?」

「私が連れてきました。ここでもないとできないことをしたかったので」

そう言うと、彼はおもむろに僕の体に手を這わせ始めた。太腿を撫でられて安心してしまう。内腿をなぞられるとくすぐったくて声が出てしまう。防御をする必要はないと思って普段は衣服で覆っていないところを触られているだけなのに、不思議なくらいに感触が心地よかった。

「ん~~っ、ふ~っ♡……もぅ……恥ずかしいよ……」

「私もケンシさんの気持ちがよくわかりますよ。こんな可愛い子が目の前にいたら我慢できませんよね」

カスパーはそう言って僕の背後に回り込んだ。何をするつもりだろう。手が胸元をまさぐろうとしたとき、ようやく何をしようとしているのか気づいて抵抗しようとした。

「ちょっ、ちょっと待ってよ!んあっ♡」

「待ちませんよ。ほら、こことか……」

「あっ……そこ、だめぇっ……!」

カスパーの指先が薄い布地越しに乳首をかすめると、腰の奥がじんわりと熱くなるような快感が広がった。そのままくにゅりと押しつぶされれば、甘い痺れで全身が支配されてしまう。こんな状態で、カスパーの執拗な乳首責めに耐えられるわけがない。

「あぁっああん……♡ そこ、いい……♡」

僕の反応を見て楽しんでいるらしい。カスパーは満足げだ。

「やはりここでしかできませんね。……次はどこを攻めましょうかね?」

そう言って唇を舌で湿らせる。その仕草は日常のカスパーとかけはなれているようだけど、そうでもない気がした。

「胸はもういいよ……。早く下を、触って……♡」

「いえいえ、まだまだです。せっかくに育っているのですから、普段できないことをしないともったいないですよ?」

そう言うと僕のおっぱいを掴んで、形を変えて遊び始める。乳首だけを狙ってきたときほどの気持ちよさではないけれど、きまぐれに指が乳首にいたずらをしていく。そのたびに声を上げてしまう。

「あっ、あぁんっ……、そんなところばっかりぃ……っ♡」

「ふむ、感度は良好ですね。では次はこちらを……」

今度はお腹をくすぐられる。脇や足の裏をくすぐられた経験はあるけど、お腹は初めてだ。他人に触れられることの少ないそこを、カスパーがいやらしい手つきで刺激してくる。声を抑えていられない。

「ひゃうぅ! やめぇ……くくく、くくくくく……くくくくくくく…………!」

笑いすぎて苦しい。涙も出てきてしまった。それでもカスパーの手の動きは止まらず、僕は声を上げて笑う。もう限界だというところでようやく解放される。

「ひーひー、はぁ……はぁ♡……ひどいよ、カスパー……♡」

「申し訳ありません、つい」

謝っているけれど、カスパーはまだ悪い顔をしている。僕は呼吸を整えるのに集中して文句を言うことができない。ようやく落ち着いた、と思った次の瞬間、首筋を舐められた。ゾクッとした快感が背骨を伝い、昨夜覚えたばかりの感覚を思い出す。

「んひぃっ♡」

「勇者様、どこを触ろうというんです?」

「ふぇ!?♡」

両腕を力強く掴まれたことで、無意識に自分が何をしようとしていたのかに気づいた。裾を捲り上げて、両手をパンツの中に入れようとしていたところを止められたのだ。

「カスパー……♡どうして止めるの?♡」

「貴女こそ、なぜそんなところを触ろうと?」

「だって……♡体が変なんだもん……♡♡こんなのおかしくなりそうだよ……♡」

自分でも何を言っているのかよくわからなかった。ただ、僕の体はもうあの快楽を欲していた。あれは一度味わうべきものだ。絶対にやめたくない。もっと気持ちよくなりたい。僕の心はそう叫んでいる。僕は熱くなった顔を、カスパーに向けながら言った。薄い服はすっかりくしゃくしゃになってしまっている。カスパーが裾をつかんで言った。

「汗をかいて冷えたらいけないので……失礼します」

「えっ、ちょっ、いやぁっ♡」

バンザイをさせられるような格好で、一気に脱がされてしまう。さっきからスケスケで裸みたいなものだったはずなのに、脱がされると妙に気恥ずかしい。ベッドの上で、胸を隠しながらしゃがみ込む。

「もうっ、カスパーのえっち……♡」

「恥ずかしがることなんてありませんよ。とても綺麗ですから」

「そういう問題じゃないよぉ……うぅ……きゃっ」

ふいにバランスを崩して転がってしまう。驚嘆の声をあげる間もなく、僕の体はのしかかってきたカスパーに組み敷かれていた。

「ちょっと、やめてよ!」

「やめません。勇者様、あなたの全てを見せていただきます」

「やぁん……そんなとこ見ちゃダメだよ……」

「大丈夫ですよ。力を抜いてください」

「あっ……♡」

カスパーはいつものように優しく微笑んでいるけれど、僕を拘束する力はいつもより強い気がする。ゆっくりと湿ったパンツが脱がされていく。透明な糸を引いているのが見えて、猛烈に恥ずかしくなった。湿ってるなんてものじゃなくて、もうべちょべちょだった。足先から抜き取ったそれの臭いを嗅いでいる。舐めているような音もした。

「やっ、やめてよカスパー!汚いよぅ……」

「勇者様の淫液……どんなポーションにも勝る、天上の甘露です」

こうしている間にも、僕の無防備な股間は刺激を求めてうずうずしていた。触ってほしい。でも言えない。言えばきっと、叶えてくれる。僕はそんなことをしてもらうために旅をしているわけじゃないはずなのに。だけど体は正直で、心に反してどんどん濡れてきてしまう。そんな葛藤を知ってか知らずか、カスパーは僕の耳元で囁いた。

「こんなに濡らして……勇者様は本当にエッチですね。私の指で慰めてあげますから、思う存分イってください」

カスパーが僕の脚をゆっくりと開いていく。むき出しにされた性器に躊躇なく、彼の細くて長い指が侵入してきた。

「んっ、あっ……はぁっ……!♡」

待ち望んでいた快楽を与えられて、僕は歓喜の声を上げていた。同時に頭の中も快感に染まっていく。僕はこの人のことが好きなのかもって初めて思わされた。

「気持ちいいですか?」

「はい、あぅっ! 気持ちいぃっ!♡」

もっとして欲しい。そう思いながら僕は腰を突き出した。そのせいでさらに奥へと入ってきて、僕はもう喘ぐことしかできなかった。

「ふふ、可愛いですよ。私だけの勇者様……」

「僕、カスパーのものだから! いっぱい可愛がってぇ……♡」

ぐちゃぐちゃと音がするたびに、わけもなく興奮が高まっていく。愛液を掬い取られて、陰核を擦られると、それだけでイってしまいそうになる。

「ひゃうんっ、だめ、そこ弱いのぉ!♡」

「知っていますよ。だってここは私の指を締め付けて離してくれませんからね」

そう言って笑うと、今度は膣内をかき混ぜ始めた。Gスポットを的確に押し潰されて、あっけなく達してしまう。

「ひぁんっ、イクッ、イッひゃうぅぅッ!♡」

ぷしっ♡という音とともに、透明な液体が吹き出した。潮を吹きながら、ビクビクと身体を痙攣させてしまう。カスパーにかかるのもお構いなしに出てくる液体が止められない。ようやく止まってからも、だらしなく液体をまき散らした性器を見せつけている事実に興奮した。

「これなら遠慮は……いりませんね」

カスパーは僕の股の間に座り込んだ。そして下着を下ろして、勃起した男根を見せつける。誰かのものよりも細いような気がしたけれど、それよりも長かった。

(誰かって……誰だっけ……)

ぼうっとする頭でそんなことを考えていた。目の前にいる相手と僕は交わろうとしているけど、僕が求めているのはこの人じゃないはずだった。

「ねぇ、ちょっとまっ……んお”っ?♡」

「……要望に沿えず申し訳ありません。すぐに堕としてさし上げます、からっ!」

どちゅんっ♡と腰が押し付けられて、カスパーのチンポが一気に奥まで入ってくる。いつもの物腰とは裏腹に、どうしてこんな……?考える暇もなく、チンポが気持ちいいところをつついてくる。

「うおっ♡おごぉっ♡そこぉっ♡」

「ここですかっ!?」

「あひぃいいっ!♡」

ずっぽりと根元までハメられた状態で小刻みにピストンされる。そのたびにカリ首がGスポットをゴリゴリ削ってきて、頭の中が快楽に染まっていく……。

「あひぃっ♡あひんっ♡いいっ♡そこいいっ♡」

「ここがいいんですね?」

「うんっ♡ああっ♡きもちいいよぅっ♡」

「ふふ、素直な子ですね。ほら、もっと突いてあげますよ」

「あんっ♡うれしいっ♡すきっ♡」

ぐりんっと膣奥をかき混ぜられる。子宮口を責められ、私は獣のような喘ぎ声を上げていた。

「はひっ♡んおっ♡イグゥッ♡」

「イキそうですか? いいですよ、たっぷりイッてください」

「イクッ♡イクのぉっ♡」

「はい、ご褒美です」

ずちゅん、とひと際強く腰を打ち付けられると同時、身体の奥底から湧き上がってくる快感の奔流に全身を支配される。目の前が真っ白になり、一瞬遅れて絶頂の波が押し寄せてくる。

「ああぁあ”っ♡あ”っ♡ん”あ”あ”ぁああぁぁっ♡」

ガクンガクン、ビクビク、と何度も身体が跳ねる。同時に秘裂からは潮を吹き出し、シーツに大きな染みを作っていた。

「あぅう……あぁ……」

余韻の残る甘い痺れの中、僕は力尽きるようにしてベッドへと倒れ込んだ。カスパーが声をかけてくる。

「私の夢の中とはいえ勇者様、本当にスケベなんですね……これで初めてだとは」

「いやぁ……いわないでぇ……♡」

スケベと言われたのに、嫌じゃない。言われるべきことを言われたように、すんなりと心にしみこんでいく。

「言うなと言われても、ここは夢の中ですから。ティゴさんもそうですが、日頃からおっぱいを強調するような着こなしをしている女性がスケベでないとは思えません」

「ん”っ♡やめてぇ♡」

スケベと言われるたびにさっきまでの快感が蘇ってくるようで、シーツに顔をうずめながら身をくねらせる。

「それに気づかれてないと思っているのかもしれませんが……貴女がパンツをはかずに日常を過ごしているのだって、誰から見てもバレバレですから、ねっ!」

「んひぃっ!?♡」

パァンッ!とお尻を叩かれた拍子に、頭の中が真っ白になってしまう。ベッドにうつぶせで、お尻だけを高く突き出したまま、無意識に引き締めていたものがゆるんでしまった。

「……おや?これは……」

「見ないでっ、見ないでぇ……♡」

ちょろろっ……♡じょわあああぁぁ♡おしっこが漏れ出す音と、シーツにしみこんでいく音が鮮明に聞こえる。恥ずかしい。でも、気持ちいい。こんなところを見られたら、軽蔑されてしまう。そんなの嫌なのに……。

「だめなのにっ、だめなのにぃっ♡止められないよぉお♡」

出始めたときは遠慮がちだったのに、じょろじょろ♡と出てくる勢いはどんどん増していき、やがて浅い水溜りを作るほどになる。

「はあっ、はあ……」

ようやく出し切った時には、もうベッドの上もカスパーもぐしょ濡れになっていた。こんなことをしてしまった罪悪感と、解放感が入り混じって複雑な気分だ。

「ごめんなさい……僕、」

謝ろうとしたところで、唇に指を当てて止められた。

「お気になさらず。勇者様に喜んで頂けたなら、私も嬉しいです」

「……うん、気持ちよかったよ。ありがとう」

僕たちはしばらく黙って、お互いの体温を感じながら余韻に浸っていた。

 

「さ、そろそろ朝食の時間ですね。参りましょう」

「うん♡……そういえばこれって、夢じゃなかったの?」

身支度を整えながら聞くと今度はカスパーが、唇に指を当てた。そういえば、僕は『夢魔の淫石』を買ってはいけないということになっていたはずだ。僕も唇に指を当てて、カスパーに微笑む。新しい一日が来たことを告げるように、外では鳥の囀る声がしていた。


宿のシーツを弁償するように言われてティゴが飛び上がったのはまた、別のお話。

 

おわり

 

おまけ

『夢魔の淫石』

使用者の思い浮かべた人物が登場する夢を見ることができる。夢魔の老廃物が結晶化したもので、外観は宝玉に似ているが、保有者が眠りにつくと自動的に割れて発動する。内部から漏出する煙を吸うことで指向性のある夢を見ることができる。近くで同じ煙を吸って眠ることで同じ夢に登場することができる。近くで別の同アイテムを使用した場合、後で使用された方の夢が優先され、夢の内容や主導権が上書きされる。今回は保有者(カスパー)が眠っていないため未発動。

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