ド遅刻キッドバースデー!

ド遅刻キッドバースデー!


・現パロ

・ホーキンスにも恋人がいる設定

・同棲中

・ただし誕生日の数日前の話し


「ユースタスへの誕生日プレゼント?」

プライベートの連絡ならメッセージアプリで淡々とする友人から電話が掛かってきたから物珍しさで出たホーキンスは出たことを早々に後悔した。

『ああそうだ。そろそろ誕生日だからプレゼントを贈りたいんだが、お前はなににしたら良いと思う?』

受話器越しでも分かるそわそわした声は普段堅物が服を着て歩いてるドレークからは想像も出来ない。恋をしたら人は変わるの典型例を見たのはちょっと感動だが、天秤は『面倒臭い』から動かない。占いが出来るからとキッドから怒涛の恋愛相談をされたホーキンスは、キッドがドレークの渡したものならなんでも絶対喜ぶし、こっちに自慢してくるのが分かるから物だけは渡して欲しくない。それにアイツが喜ぶのは物というより、

「リボンでも着けて『おれがプレゼントだ』とでも言えば良いだろう」

今なおされている恋愛相談ではやれ『ドレークが恥ずかしがり屋で中々ヤれない』『そんなとこも可愛いけどもっと愛したい』だの言われているのだ。内気なドレークからお誘いとも取れることを言われたら、あのバカはそれこそ天にも登る心地になるはずだ。それにホーキンスも恋人から言われたい。あ、想像したら勃った。早く9月が来て欲しいものである。

『そ、そそそそそそそそんなふしだらなこと言えるか!!!』

「(まあそうだろうな)

今である必要はない。いつかやると良い」

『そんな日は来ない!だが相談乗ってくれてありがとうよ!!!』

電源ボタンで一方的に通話終了したドレークの一応感謝を伝える律儀さは、キッドにも見習って欲しいものだ。一週間後キッドから大量のフォーチュンクッキーが贈られてホーキンスはやってんじゃねぇかとなったのは仕方のないことだ。


と、ここまでが前振り


「リボンは…うん、これで良いな」

リボンというか紐自体は、ライブで拾うというカラーテープがあった。推しバンドのと言っていたテープな丁寧にケースに入っているが、それ以外は一纏めにしてあるのでその中から丁度いい長さのものを一時的に拝借すれば良い。ドレークの太い首でもゆったりと結べる長さのテープで良かった。緩く蝶々結びを作って鏡を見ると相当シュールだし、ドレークが言うセリフも相当問題だ。『おれがプレゼントだ』なんて、ホーキンスに言ったようにふしだらだし、阿婆擦れと思われるかも知れない。キッドは情事の時『もっと乱れろよ』と言ってくるが、どれだけ本気かなど分からない。

「キッドの為なら頑張るが、『おれがプレゼントだ』はないだろうホーキンス」

「…………は?」

練習用の紐を探している間に相当時間が過ぎていたようで、気が付いたら夜の帳がやってきていたようだ。仕事から帰ってきたキッドのあまり聞いたことのない惚けた声は新鮮だが、折角の休日なのにリビングでこんな遊びをして夕飯の用意していない彼氏なんてキッドは軽蔑するだろうか、いやそれよりだ。

「今のは冗談だ忘れてくれいや忘れろ!!」

誕生日プレゼント(仮)の用意を本人に見られたなんて相当恥ずかしいし、今の格好もよろしくない。カラーテープの無断拝借は流石に怒られるだろう。テープを取ろうとしたドレークの手をキッドのそれが遮った。

「………あの、キッド?」

「つまり今年、おれは誕生日を2回やれるって事か。ツイてるぜ」

情事のときに時々見せる欲に塗れた瞳でドレークを横抱きにして、ベッドルームに歩き出すキッドはとても楽しそう、いやとても愉しそうだ。それだけならドレークは嬉しいのだが、如何せんキッドがこの目をする時はとても恥ずかしい目に遭った上で、訳が分からなくなる程抱き潰される時だ。恥ずかしくはあるが気持ちは良いので、この目を見るだけでドレークは期待に濡れてしまうのも恥ずかしい。

「プレゼントなんだから、アンアン喘いでおれを愉しませろよ」


キッドの言う通りアンアン喘いで、とても恥ずかしい格好で、とんでもなく恥ずかしいセリフを使っておねだりまでさせられたドレークは、事前に思った通り足腰立たなくなる程抱き潰された。正直恥ずかし過ぎてもうやりたくはないが、とても嬉しそうに本番も楽しみにしてるぜと背中にキスをされたらやらない選択肢はない。

かくして本番は、ドレークが羞恥に耐えながら選んだ恐ろしく恥ずかしい衣装とリボンで『おれがプレゼント♥』状態となってキッドに骨の髄までしゃぶられたのだが、それはまた別の話しで。

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