ドレークへのラキスケ(1回目)
ドレークのラキスケ値 12 を参考に書いています。
時間軸はシャボンディ諸島(シャチ&ベポより前)です。
所はシャボンディ諸島、21番GBのアイスクリーム店。ずらりと並ぶケースの前で、メイナとドルヤナイカはかれこれ5分ほど頭を悩ませていた。
「……よし決めた!私はオレンジソルベにするわ」
「じゃ、じゃあ私はアールグレイで……!」
それぞれ店主に金を払い、アイスクリームを受け取る。普段船の上で過ごしている以上、甘味というのは限られる。久方に口にするアイス、しかも大好きなお茶の味がするともあれば、メイナが目を輝かせるのも無理はなかった。
「そこのベンチで食べましょ」
「うん!」
店のすぐそこにあったベンチに座ると、2人は夢中でアイスクリームにかぶりつく。豊かな茶葉の香りとほのかな甘み、すっきりとした後味にメイナは思わず頬を緩ませる。隣に座るドルヤナイカも、オレンジソルベの酸味と爽やかな風味に舌鼓を打っている。
そんな仲睦まじい二人の姿の様子を伺う影が1つ。
「確かアイツらはキッド海賊団の……」
民間人にも被害を出していると聞くが、今の2人は可愛らしい少女そのもの。悪い噂の絶えないキッド海賊団に所属しているとは、にわかには信じられない。
もしや、自分のように何か特別な事情があって泣く泣く海賊業をしているのでは……X・ドレークはそう考えていた。
「……ん〜、美味しかった!」
「ご馳走様でした」
ドレークがそうこう考えているうちにも、彼女たちはアイスクリームを和気あいあいと味わっている。メイナの鼻についたアイスをドルヤナイカがハンカチで拭き取ったり、1口ずつ交換し合ったりと、まるで本物の姉妹のような振る舞いだった。
「……さて、そろそろキッドたちと合流しましょうか」
「うん、そうだね」
どうやら2人はもうこの場から離れるようだ。最初から最後まで、ただの少女のようだったな……。ドレークは去ろうとする2人を見て、そんな感想を抱く。
自分も船員たちの元へ戻るとしよう、そう思ったときだ。
「なっ……!」
ドレークが見てしまった、ベンチから立ち上がるメイナの姿。そして、彼女の今にも捲れ上がりそうなスカートだった。
見えていない、中身は断じて見えていないし見ていない。しかし、彼女の白く細い脚部が目に焼き付いてしまう。ドレークはぶんぶんと大きく頭を振り、先程の記憶を消そうと必死になる。2人に気づかれているわけでもないのに、罪悪感と背徳感で心が綯い交ぜになっていた。
「あっ!メイナったら、またスカート捲れてるわよ!」
「へっ?……ま、またやっちゃった……」
「まあ、周りに人がいなくてよかったけど」
「……う、うん、よかった」
そんな会話も赤面するドレークには聞こえていない。そして、気まずそうにこちらを盗み見るメイナにも、気づいていなかった。