ドレークさんは女の子!?

・キッドが結構広い浴場のある拠点を持ってる設定

・ドレークさんがカントボーイだよ！

・でも発禁要素は一切ないよ！

・キッドが残念なギャグ未満

長らく片想いしていたドレークと同盟を組めた上、親睦を深める為自分の拠点に彼(とオマケに船員達)が一週間住んでくれることになったキッドの気分は最高潮だ。一週間ドレークとおはようからおやすみまで一緒に出来るなんて、それはもう実質夫婦では？飛躍し過ぎた思考の所為で、今なら赤髪への雪辱戦も圧勝出来るくらいハイになっているまま盛大に風呂場の扉を開けたキッドは忘れていた。拠点生活を了承してくれた時『お前の拠点に一週間住む、というのは分かった。だが、おれが風呂に入る時は絶対入るんじゃねえ。入った瞬間同盟を切る』と凄まれたこと、ドレークが入浴している時は『赤旗使用中』のプレートを浴室前に掛けていたことを。

「は、」

「は？」

つまりドレークからしたら絶対誰も入ってこない状態で身体を洗っていたらキッドが入って来(やがっ)て、キッドからしたら誰も入らなさそうな時間に風呂に入ろうとしたら据え膳…ではなくドレークが身体を清めていたのだ。身体を洗っているからドレークの身体は泡だらけで、胸の飾りも真っさらな下も泡で見えないのが惜しい。しかし『見えそうで見えないは逆にエロい』は万国共通の認識なようで、普段も頑張れば見えるし今も見えそうな乳首はともかく、この機会に普段なら絶対見れない下の口を見せて貰うのは悪くない…ん、『下の口』？

「はああああああああ!!!!???赤旗お前、女の「なに言ってやがるッ！！！」ぶへっ!?」

すかさずドレークが尻尾でキッドを浴槽の中に沈めたついでに下を隠したのは全く悪くない。浴室には二人しかいないから、風呂場で遊ぶんじゃねえ！！！とキレるキラーはいないし、シチュエーションがシチュエーションならナイスショットと言われんばかりのミラクルショットである。仮に自分の拠点であろうと人の入浴中に無断で入るのは、例え同性であろうとセクハラで訴えられても仕方がない案件だし、そうでなくても同盟相手以前に人としてアウトではなかろうか。だがキッドにそんなことを慮ってやる理由はな…いこともない、いや、ちょっとはある。『同盟を切る』なんて言われたら、ただでさえ少ない接点が消えてしまう。流石にそれは由々しき事態だ。

「……おれはもう出る。吹聴したら殺してやるからな」

泡を湯で流して立ち上がり、浴槽にホールインワンされて呆然とするキッドに吐き捨てて浴室から出るドレークは、どう見てもゴミを見る目ですありがとうございません。元からそこまで高くなかったであろうドレークからの好感度が地に落ちた音がしたが、キッドはそれどころではない。片想いしていた相手の、下半身は女の子。下半身は、女の子なのだ。

「(あーーー、早く赤旗抱きてぇ)」

元から両想いになったらドレークのことは優しく抱くつもり(つもりなだけ)だったが、ドレークがどうしてもというなら抱かせてあげようかなと思ってたくらいには彼のことが好きだったキッドは、ドレークの下半身を見ておれが抱く側なんだなとガッツポーズである。抱く以前に両想いですらなく好感度は今大暴落した上、同盟関係すら危ういのだが、身体から籠絡すれば良いだけなのでキッドには一切関係ない。浴槽に浸かって脱力しているハズなのに、キッドは心も身体も息子も元気いっぱいである。

「おいキラー、お前達との同盟は終わりだ」

「ファッ!?ま、待ってくれ、何があったんだ!?誰かが何かしたならおれが代わりに謝らせてくれ！勿論後でソイツにも謝らせる！」

「………お前くらいの殊勝さが、そっちの船長にあれば良かったんだがな」

「……！！申し訳ございません！！！本当に言って聞かせるから、同盟解消は待ってくれないか!?」