ドレスローザ戦あとの妄想(続き)
妄想したところまで全部書きたかったので続きを書きました。便宜上、王女さまの呼び名をアンバーちゃんにしてますが、とりあえず直球で決めただけで特にこだわりはないです。革命軍のコードネーム的な何かで、王族の身分を捨てたときに名前も一緒に捨てたけど、かつての幼馴染に本当の名前を呼ばれて罪悪感とともに嬉しくなっちゃったらいいなと思いました。
お嬢様言葉を話すクセ強めのエセお嬢様かと思ったらお嬢様どころかガチの王族で、民草を救いたいという願いは本物だったしその理由も激重でしたっていうのが見たいよ……こんな子が毎晩「あの国の人達は私が殺したんだ」と罪悪感に苦しんで悪夢を見ているの最高じゃん……
ただ話すだけにしては長い時間が過ぎたころ、ブォンと青い膜が広がって2人がやっと帰ってくる。ローは帽子を目深にかぶっており、アンバーの目は真っ赤に腫れていた。
明らかに大泣きした跡を見て、コアラたちが心配そうに駆け寄る。近づいてきた二人に、アンバーはズビっと鼻を鳴らしてから高らかに宣言した。
「サボさま、コアラさま、わたくし改めて覚悟を決めましたわ!!
この世界の腐った王政を全部とっちめてやりますの! 王族に虐げられる民を、王族に見捨てられた民を、一人残らず救いたいのです。そのためなら何だってやりますわ!!」
えいえいおー!と勇ましくこぶしを振り上げるアンバーに、サボがなんとも言えない顔を向ける。
「あ、ああ……やる気充分でいいんだが……けっきょくあいつとはどういう関係なんだ?」
サボが目線を向けた先には、壁にゆったりと寄りかかるローがいる。相変わらずキャスケットを深くかぶっていて、その表情はうかがえない。
アンバーは大仰に肩をすくめて首を振った。
「いいえ、あんな乱暴なかた全く身に覚えがありませんわ」
「おれもあんなお転婆で高飛車な女は知らねェな」
ローの返す言葉に、アンバーは胸を張って鼻をツンと上に向ける。
「あら、高飛車だなんて言ってくれますわねトラファルガー。わたくしの気高さはそんなものでは表せませんことよ」
自信満々で居丈高、典型的なお嬢さまそのものの仕草にローはふっと小さく笑って、「そうだな」と呟いた。
「わかったならよろしいのです!」
オーホッホッホッ!と高笑いする彼女の頭には、あいかわらず純白のリボンが揺れていた。