『ドキドキ』
「かくれんぼしよう!」
「いいな、やろう!!」
それは突然始まった。サニー号に遊びに来ていたウタは暫くルフィ達といると言う事でシャンクス達と分かれた(シャンクスはこれを聴いて泣いたのは余談だ)。それからずっとウタとルフィは仲良く一緒にいて遊び、偶にウソップやチョッパーも参加する。そんな中でウタはサニー号の中でかくれんぼしたいと言い始めてルフィはいつも遊んでるウソップやチョッパーを集めた。
「それじゃジャンケンだ」
「おう・・・ってちょっと待て」
「どうしたんだウソップ?」
「いや、俺やルフィは見聞色、チョッパーは鼻があるからすぐに終わらねぇか?」
「使うつもりだったのか!?」
「いや冷静になれば使っちまうだろ」
「あー!そうだった!!」
ウソップの言葉は間違ってなかった。ルフィもウソップも冷静になると見聞色を使ってしまうのが癖になってるし、チョッパーの鼻は言わずがもなでルフィとチョッパーは頭を抱えた。するとそこにロビンがやってきた。
「あら?面白そうね、私も混ぜてくれないかしら?」
「ロビンもやるの?やろうやろう!」
「それがよロビン・・・」
色々と説明をするウソップ。それを全て聞くとロビンは優しく微笑んだ。
「なら、最初は私がやるわ」
「良いのか?」
「ええ」
「ロビンが良いなら良いぞ」
「ありがとうロビン!」
「ありがとう!」
こうして面々は無事に最初はロビンを鬼にしてかくれんぼをやれた。
〇〇〇
「ししし、良いところに隠れられたな!」
「うん!」
そんなこんなでルフィとウタは一緒の場所に隠れていた。何故一緒の場所に居るのか、残念な事に2人に対してそれをツッコむ人は今、周りにいなかった。
「懐かしいな、昔はルウとかヤソップとかモンスターとかが一緒にやってくれたよな」
「うん、それでルフィが最初に見つかってたけどね、ジッとしてられなくて」
「違うぞ、偶々きのみが近くに落ちてそれでバレたんだ」
「でた、負け惜しみ〜」
「負けてねぇ」
昔話に花を咲かせる2人。次の瞬間、サニー号が大きく揺れた。ルフィは咄嗟にウタを抱きしめて無事にそれをやり過ごすも鼻先が掠れるほどウタと密着してしまった。
「・・・ルフィ・・・」
「・・・ウタ・・・」
お互いに相手が近くにいる事に対して頬を朱色に染めていく。そして2人はそのままかくれんぼの事を忘れて見つめ合っていた。
「2人とも無事かし・・・あら?ごめんなさい」
「あ、ロビン」
「ごめんって何が?」
だがそれは2人を心配で見事に探し出したロビンによって遮られた。見つかった事でルフィとウタはそっちにすぐ気を向けた。
「だって、随分と盛り上がっていたみたいだから・・・」
「「?・・・あっ!?」」
ルフィとウタはロビンが抱きついている自分達を見ていると分かると顔がカッと赤くなり離れた。
ロビンはそれを見てニッコリと微笑んだ。
「お邪魔してごめんなさい」
「「ロ、ロビン!!」」
顔を赤くした2人の抗議の声が響いた。