トレネイ
彼シャツいいよねいやぁシャワーありがとうゴザイマス。……それから、服も。………いや、構いませんって。裸じゃないだけありがたいし、文句はないですよって。
それよりトレーナーさんもさっさと浴びなよ。ただでさえ、アタシが先に入ってる分身体が冷えてるんだから。…………正直言うとこのカッコが恥ずかしいからってのもあるから、早いとこ入って貰えると有難いというか……
………ようやく入ってくれた。まったく、自分もずぶ濡れの濡れ鼠だってのに人のことばっかり……少しは自分の身体も大切にしてよっての。
それにしてもトレーナーさんのシャツ……なんというか、包まれてるみたいというか、後ろから抱きしめられてるみたいというか………ちょっと癖になっちゃいそうで怖いわー。いい匂いもするし……
……って、これじゃアタシがヘンタイみたいじゃん。………彼シャツ?ってやつで好きな人と2人きり、まあ冷静になれるわけがないから仕方ないか………うん、アタシはヘンタイじゃない……よね?
しかし、妙に肌寒い。外がああもざんざ降りだからか室温も地味に低いからかな?……うぅ、下着がないせいですっごいスースーする。落ち着かない…。
………それにしてもこのシワのつきよう。アイロンのかけ方が悪いのか、畳み方が悪いのか………。忙しいせいなんだろうけど………こりゃ、ご飯だけじゃなくって洗濯もやってあげた方がいいかな?
………あっ、トレーナーさんもう出て来ちゃったの!?もう少し温まんなきゃ、かえって身体に悪いでしょうが!……ったく、アタシのこと気にしてくれるのは嬉しいですけどね、もう少し自分のことにも気を配ってくんなきゃ………。もう一回シャワーに……あっ、いい事思いついた——
——自分で言っておいてなんだけど、結構恥ずかしいわ、コレ。お互い温めあえばアタシの肌寒さも、アンタが半端にしか温まってないのも一気に解決!と思ったんだけどねぇ………後ろから抱きしめて貰えば不意に色々見られちゃう事故も避けられるし。
………恥ずかしいってだけで嫌なわけじゃないから。だからこのままで、さ?………どう?ネイチャさんは。温かい?………それならよかった。
それにしても『みたい』より実際やって貰う方がいいわ。やっぱ。………うん?ああ、気にしないでいいって——
———こっちの話だからさ。