トレ×オル試作
スレ主——来たか
余が指定した時刻より少し早い…‥良い心がけだ。褒めてつかわそう。今日、こうして貴様を呼び出したのは一つ聞きたいことがあったからだ。心して聞け。貴様は——
———貴様は余をどう思っている?
君臣としてではなく、もちろんトレーナーと担当としてでもない。余を一人の女としてどう思っているか、だ。正直に申してみよ。余が許す。
………いや、それでは答えぬか。貴様は弁えすぎる。余が大道のためならば自らを押し殺すことを厭わぬ女だ。天下に余の王覇を示すため王との誓いを破り諫言や謀叛をする事幾たびか……貴様こそ真の忠臣よ。故に問い方を変えよう。——正直に申さねば許さぬ。
逃げることは許さぬ。誤魔化すことも許さぬ。答えは二つに一つだ。……声が出ぬならばそれでも良い。だが、首を縦か横に振るくらいはできよう?ここを貴様の稲佐の浜と心得よ。
……やはりな。ふん、臣の心一つ見通せず何が王か。……そう、余は王だ。天下に覇を唱え、臣下に道を示す統治者。……貴様の気持ちになど応えられはしない。
君臣の別も弁えぬ者に天命は下らぬ。範たる王が範たらぬならば人心は惑い世は乱れるが道理。第一、王道を示す余が易姓など笑えぬ冗談だ。
故に一つの道を示そう。貴様の人生という領土を余の領土に加え、封爵されよ。他の臣下達とは違う真の意味で余の下に降れ。貴様の全てを余に献上せよ。
………貴様が求める形の愛は永遠に手に入ることはない。貴様が余と肩を並べる日はこず、一生貴様と余は上下の関係だ。余が上で貴様は下、覆ることはない。どうか?………それでも構わぬか。
我が冊封から逃れること、もはや罷りならぬぞ。生涯余のみを愛せ。死するその時まで余に無償の愛を捧げ続けよ。——余は万倍でもってそれに報いよう。
……何を呆けた顔をしている?不服があるならば申せ。聞き入れる保証はせぬが聞くだけは聞こう。……ふん、そんな事か。愚問も愚問。貢物に対してそれ以上を返すは王道よ。それに——
——王といえど天子でなく人の子ということだ