デート回

デート回


当方ではヴェールはサンドリヨンが魔法で身体だけ若返ったものとして扱います 彼氏はそれを知ってます


人気の遊園地アメイズメイトプレシャスパークにやってきた俺達 ヴェールもご機嫌だ

「今日は楽しむわよ~!はい!これ、大人二人ね!」

「ありがとう!お嬢ちゃん!でもお嬢ちゃんは子供料金で大丈夫だよ、はいお兄さん、差額お返ししますね」

「は!?あたしの方があなたよりずっと年上なんだけど!?ここの従業員は見た目でお客さまを判断するわけ!?」

「はいはい、混んでるんだし吠えてないでさっさと行くぞ、すいませんねお姉さん」

「はーい!楽しんでいってくださいねー」

ぷんすかしながら俺の手を引いてヴェールは歩いていく

「まったく失礼しちゃうわ、こんなレディを捕まえて子供扱いだなんて…あんたもそう思わない?」

(どう見てもキッズだけどそう言ったらもっと怒るだろうな)「まあまあ、気を取り直して楽しもうぜ」

「…まあ、そうね!くよくよしてもしょうがないわ!」

「ごめんねお嬢ちゃん!このサイクロンコースターはもっと大きくなったら乗りに来てね!」

「は?」

「お嬢ちゃんお兄ちゃんに連れてきてもらったの?楽しんでいってね!」

「はあ?」

「はい、お嬢ちゃん風船あげるね」

「はあああああ!?!?!?」

─園内レストラン─

「なによ!なによ!みんなして子供扱いして!レディに失礼だと思わない!?」

「その見た目じゃ仕方ないだろ…」

「お待たせしましたご注文のDXアメイズパフェでございます   

 それとお嬢さんにはブーフォのおもちゃのプレゼントです どうぞごゆっくり…」

「…」「…なによ、笑いたければ笑いなさいよ」

「いや、なんでもない…」

「ふんっ」ヴェールは少し不機嫌になりながらもパフェをもくもくと食べ進めていた


─夜─

「本日はご来園ありがとうございましたー」

「なかなか楽しめたわね!…接客はよくなかったけど!」

「いやー適切な対応だったと思うぞ」

ヴェールに手を引かれ歩いていく 風船を持ちながら歩く彼女…俺達はどう見えているのだろうか 兄妹?親子?まさか恋人同士だと思う人はいないだろう そんな寂しさを彼女も感じているのだろうか

「まあいいわ!帰ったら最後のアトラクションで楽しませてもらうから!」

「アトラクションって?」

「ええ!それはあんたの上に乗って楽しむやつよ♥️」

「お前のそういうなんでも茶化すところ、好きだよ」

「ありがと♥️当アトラクションは激しく上下 左右 回転する危険なアトラクションです 楽しんでね♥️」

なんて下らないことを言いながら2人で楽しく帰った 正直疲れてるが、愛しのプリンセスの頼みなら仕方ないな

─深夜─

呆れながらベッドに座る女の子と絶望顔でベッドに横たわる男性がいた

「なぁに?またいつもの絶望賢者タイム?そんなので賢者になれるんなら今ごろエンデュミオンは大発展ね」

「その時は俺が養うから一緒に暮らそうな…いやあまあ俺達の関係をちょっと考えちゃってな…」

「なに?もしかして別れ話!?そうやってヤるだけヤってポイなのね!?!?!?」

「それだけはねーよなにがあってもな…いや、今日のこととかで年の差についてちょっと…な」

「…やっぱりハイネみたいに同い年くらいの娘の方がよかった…?」

「いや、そうじゃなくて、お前が子供扱いされてイヤな気分になってないかなって…あと、お前と付き合うって決めた時にえっちなことは大きくなるまで待とうって誓ってたのにこう、毎日してると罪悪感が…」

「それはあたしが思わず襲いたくなっちゃうくらい魅力的ってことよね♥️」

「そういうことにしておくよ…まあこっちが勝手に悩んでるだけだから気にするな」

「…わかったわ」

─数日後─

あのデートからしばらく経ったが…最近ヴェールはどうやら考え込んでるらしい…余計なことを言ってしまっただろうか…夜も一緒に寝てくれないし…そう思いながらベッドから身を起こす

「おはよう、ヴェール 起きてる…か?」

そこにいたのはヴェールではなく…

「あら、初めまして 私はマギストス…いいえ、ただの サンドリヨン よいつもヴェールがお世話に…」

「いや、ヴェールだろ?なんだよその姿は」

「…わかるの?私がヴェールだって」

「可愛い彼女のこと間違えるわけないだろ」

「うふふ…あなたのそういうところ、好きよ」

サンドリヨンもといヴェールは続ける

「昔ね、いろいろあって…自分を若返らせて今のヴェールの姿にしたんだけど…逆に成長させてサンドリヨンに戻れるんじゃないかって…やってみたら出来ちゃった…やっぱり私って天才ね?」

「出来ちゃった…じゃないんだけどなあ で、どうしてその姿になったんだ?」

「どうして?って決まってるじゃない…デートしましょう?またあの遊園地で」

─アメイズメイトプレシャスパーク─

「大人二人、よろしくね?」

「はい!ありがとうございます!あの、お兄さん…ちょっといいですか?」

「はい、なんでしょう」

案内人のお姉さんはひそひそと話しかけてくる

「お兄さん達この前も来てましたよね?デートですか?あの方はあのお嬢さんに似てますけどお姉さんですかね?」

「ああ…ええと、まあそんな感じです」

「彼女さんの妹さんと遊んであげて素敵なお兄さんですね☆これ、カップルの方に渡してるんです ペアのブレスレットです 頑張ってくださいね☆☆☆」

「あ、これはどうもありがとうございます」

お姉さんはサムズアップしながら元の仕事に戻っていく

「あら、お帰りなさい、ナンパでもされてた?」

「されてねーしされててもお前一筋だって断るよ ほら、カップルに配ってるんだってよこれ」

「ふーんカップルにねえ…まあ悪くないわね」

「お気に召したようでなにより」

「それじゃあ行きましょうか」

そう言いながらヴェールは腕を組んでくる

「おい、当たってるんだが…」

「あら?イヤだった?いつもハイネの胸を見てるくせに…?こういうことして欲しいんじゃないの?」

「いつもは見てません、たまにですたまに」

「たまには見てるんじゃないの…ばか…」

ちょっと不機嫌そうにヴェールに背中をつねられるいつもより痛いからやめて欲しい でも彼女の身体が一番でも大きいのに目を引かれるのは仕方がないじゃない、男の子だもん


─園内レストラン─

お待たせしました、カップル限定ケーキセットでございます

「今日は楽しいわね…この前乗れなかったアトラクションにも乗れたし、みんなからちゃんとカップル扱いされるし」

「満足してくれたならなによりだ それで、なんでそんな姿になったんだ?」

ヴェールは上品に少しずつケーキを食べ進めながら答える

「なんでって…アトラクションに乗りたかったから?それに子供扱いされたのが悔しかったから?」

「それだけの理由で姿を変えるのか?」

「貴方にとってはそれだけに思えても私にとっては大きいことなのよ ほら、食べ終わったなら行きましょ?まだまだ遊び足りないわ」

─夜─

「今日は楽しかったわね…前出来なかったことも全部出来たし…」

手を繋いで帰り道を2人で歩く

「それで、なんでその姿になったんだ?」

「さっきも言ったじゃない?アトラクションに乗りたかったから、子供扱いされたのが悔しかったからよ」

「いや、それだけじゃないはずだ」

「…どうしてそう思うの?」

「だって楽しいって言っててもいつもみたいに笑っていないじゃないか」

「っ!!!…ダメね、貴方には隠せないみたい」

「ほんとの事を話してくれヴェール」

「いいわ…ほんとはね、貴方に手を引かれるんじゃなくて手を繋いで歩きたかった 貴方と同じ目の高さで過ごしたかった…ただそれだけなの…」

「ヴェール…ごめん…」

「ううん、貴方が謝ることじゃないわ…でもダメね、心が身体に引っ張られちゃうみたい…あの頃はただ研究だけをしていて、笑うとか泣くとか楽しいとか悲しいとかそんなの全然なかったの…それにつられちゃったのか今日は全然笑えなかった…それでも私は貴方の恋人なんだって胸をはって、みんなに言えるようになりたかったの…」

ヴェールは表情は変わらないが…その目からは大粒の涙が溢れ落ちていた

「ダメね、こんな風になりたかった訳じゃないのに…私はただ貴方と…」

俺はヴェールを抱き締める

「ごめん、ヴェール…俺があの夜あんなこと言ったばっかりに…」

「ううん、貴方は悪くないのよ…」

「それでも聞いて欲しい…俺はヴェールがどんな姿でも好きだ 誰にどう思われたっていい この娘が俺の彼女なんだって自信を持って生きていきたい」

「…そうよね 貴方はそう言うわ…ごめんね、貴方をちょっとだけ信じきれなかった」

「いいや、俺が不安にさせてしまったんだ…」 

「ふふっ…ならこれでおあいこね」

そう言うとヴェールは唇を重ねてくる…俺はそっとそれに答えた 暫くして唇が離れて 俺はこう誓った

「なあ、ヴェール いつものヴェールがこの姿になるまで…それからその先のおばあちゃんになってもずっと一緒にいるよ…その時にもヴェールが笑って過ごせるようにな」

「…ありがとう 私、貴方と一緒でよかったわ」

その後俺達は強く抱き締め合い続けた


どれくらいの時間が経っただろうか…ヴェールが口を開く

「ねえ、そろそろ…」

「ああ、帰ろうか…俺達の家に」

「帰ったらえっちしましょうね♥️」

「…今、この雰囲気で言う?」

思わずずっこけそうになるのをなんとかこらえる

「あら?じゃあ私の身体にあたる、この固いものはナニかしら?先に雰囲気壊したのはどっち?」

「うっ…それはすいませんでした…」

だって抱き締めたとき普段はない膨らみがあたるんだもん、だって大きくなっちゃう男の子だもん。

「えっちな貴方も素敵よ♥️ね、だから早く帰りましょ?」

「わかりましたよ、お姫様」

「今夜が楽しみね、王子様♥️」

俺達は夜に期待を込めて腕を組んで帰った


─翌朝─

幸せな気持ちと共にベッドから起き上がる、隣に居たのはいつものちっちゃな姿のヴェールだった

「おはよう、ねぼすけな王子様♥️戻っちゃった♥️」

彼女はいたずらっぽく笑う

「ねえ、昨日のあたしはどうだった?やっぱり大きいおっぱいがあった方が興奮する?」

朝から聞いてくることじゃないだろ…そんな言葉は飲み込んで正直な気持ちを伝えようか

「いや、どっちのヴェールも好きだよ、それに今みたいに笑ってるヴェールの方が俺も好きだ」

「…あらあらあらあら♥️そうなのね❤️ほんとあんたってあたしのこと好きすぎよね~♥️」

「ああ、そうだよ好きだ、愛してるよヴェール」

まっすぐ見つめて愛を伝える

「も、もう…なによ…やけに素直じゃない………あたしもあなたのこと、好きよ…愛してる…」

そうやって照れくさそうに言うヴェールがとても愛おしかった

「それよりほら、早く起きなさい!今日もコキ使ってあげるわ!」

「はいはい、今起きますよお師匠様」

そうだこれでいいんだ 焦らずにいつもの日常を噛み締めて少しずつ成長していけばいいんだ そう思いながら俺はいつも通りの支度をするために起き上がった

─おわり─

「あ、そうそう身体の大きさ変えるコツが掴めたから…あたしのおっぱいが恋しくなったらいつでも言っていいわよ♥️昨日のあなた、すっごく甘えてきて可愛かったから♥️」

そう、ヴェールに耳打ちされた…綺麗に締めたのにこのメスガキはさあ…でもまあ、甘えたくなったらお願いするのもいいかもしれないな、うん

─今度こそおわり─

Report Page