デスピアン達に凌辱される莫邪

デスピアン達に凌辱される莫邪

匿名希望

 その日、大霊峰が戦火に包まれた。

 突如襲来したデスピアの軍勢。彼らはそこに住む者達を見境無く蹂躙する。大霊峰の守護者である相剣師達の多くは前線に立ち、デスピアの軍勢と激しく刃を交えていた。

「我らは決して屈さぬぞォ!」

 最前線で凄まじい剣戟を浴びせるのは大師である赤霄。灼熱の剣閃がデスピアの軍勢を瞬く間になぎ払っていく。

「赤霄殿に続け!奴らを決して氷水の所に近づけるな!」

 泰阿が鼓舞すると他の相剣師達も奮い立ち、デスピアの軍勢へと突撃していく。

 霊峰の相剣師達は誰もが一騎当千の雄である。デスピアの軍勢とは練度が違う。彼らが剣を振るう度にデスピアの尖兵、デスピアン達は次々と倒れていく。

 だがそれ以上に数が違った。いくら倒しても無尽蔵に攻めてくるデスピアの軍勢に対し、相剣師達は徐々に押されつつあった。


 そんな様子を戦場の後方から眺める女剣士がいる。莫邪と呼ばれるその少女は相剣師の中でも屈指の精鋭の一人であった。

「私も戦わなければならないのに……!」

 莫邪は歯噛みした。戦おうにも剣がない。彼女は突如狂乱した師、龍淵によって自身の剣を奪われたのだ。

 相剣師達にとって己の剣は己の心そのもの。おいそれと数を揃えることも叶わず、他の者から借り受けることことなどご法度。ましてや奪い奪われるなど論外のことであった。


「莫邪殿!ここは私達に任されよ!」

「泰阿殿!ですが私は……」

 一旦後方に下がり、莫邪のところまで来た泰阿は、逸る彼女を制止した。

「僭越ながら言わせていただこう。今の貴女は手負いで剣も持っていない。そんな貴女を戦場に立たせるわけにはいかないのです」

「……くっ!」

 泰阿の正論に莫邪は何も言い返せない。それでも、己が何かの役に立ちたいと莫邪の眼差しは語っていた。

「莫邪殿には逃げ遅れた民の保護を頼む。突然の襲来ゆえに避難が進んでいないのだ。頼めるだろうか?」

「承知しました。泰阿殿」

 剣は振るえずとも、己に課せられた使命を果たすという心は今も莫邪の中で燃え盛っていた。例え信頼していた師に裏切られたとしてもだ。

「とはいえ貴女は手負いの身。くれぐれも無理をなさらぬよう」

「わかっております。泰阿殿もどうかご無事で……」

二人は約束を交わし、互いの戦場へと繰り出した。


「ヒーヒッヒッヒッヒ!」

「アーアーアーアーッ!」

「やめて……こないで……」

 戦場から少し離れた川沿い。逃げ遅れた少女がデスピアン達に追い詰められていた。

「ヒーヒッヒッヒッヒ!」

 不気味な笑い声を上げるのは喜劇のデスピアン。全身を鋭い刃物で武装した非常に危険な存在だ。

「アーアーアーアーッ!」

 奇妙な悲鳴を上げるのは悲劇のデスピアン。全身から飛び出した拷問器具が見る者を恐怖させる。

「いや……こないで……だれかたすけて……」

 逃げ遅れた少女はデスピアン達のあまりにも惨い姿に恐怖し、腰を抜かしてしまっていた。これでは逃げることもままならない。

「ヒーヒッヒッヒッヒ!」

 喜劇のデスピアンの振るった刃が少女に迫らんとしたその時だった。

「危ない!」

 間一髪で莫邪がその場に飛び込み、少女を抱えてその場から跳び退った。

「相剣師さん……!」

「もう大丈夫ですよ。早くここから退散しましょうか」

 莫邪は少女を抱えてその場から駆け出した。デスピアン達もそれを追うが、莫邪の足の速さには遠く及ばない。

「……っ!」

「相剣師さん……もしかして怪我を……!?」

「大丈夫です。このくらいどうってことありませんから」

 口ではそういうものの、莫邪の負っている傷は深刻なものだった。龍淵に負わされた脇腹の傷、そして先ほど少女を庇った際についた背中の切り傷。今すぐ命に関わるほど深刻な怪我というわけではないが、彼女の動きを鈍らせるには十分なほどの傷だった。

(向こう側からも敵の気配を感じます……このままだと二人とも捕まってしまう……であれば)

 莫邪は少女をその場に下ろし、こう告げる。

「この先をまっすぐ行けば、皆さんが避難している場所に辿り着けます。ここからは貴女一人で走ってください」

「わたし一人で……!?相剣師さんはどうするんですか!?」

「私は他に逃げ遅れた人を探さないといけないんです。最後まで連れていけなくてごめんなさい」

「そ、そんなことは……わかりました……」

 少女が了解してくれたことに対し、莫邪は安堵の息を漏らした。

「あ、ありがとうございます。相剣師さんのお陰で助かりました」

「まだ早いですよ。助かるのは避難場所に着いてからです。そのためにここを駆け抜けてください。なるべく、早く…」

「は、はい。相剣師さんもご無事で帰ってきてくださいね」

「もちろんです」

 少女は一人で立つと莫邪に指示された方へと駆け出した。莫邪はそれを一瞥した後、少女とは逆の方へ駆け出した。


「ここから先は通しませんよ」

 その場に転がっていた木の枝を剣代わりに、莫邪はデスピアン達の前に立ち塞がった。

「ヒーヒッヒッヒッヒ!」「アーアーアーアーッ!」

 莫邪を取り囲むのは喜劇のデスピアン3体と悲劇のデスピアン3体。

「私が相手をします。ここの人たちは絶対に傷つけさせません……!」










「ん……うぅ…」

 全身を苛む痛みと共に莫邪は目を開けた。そして己が両手を広げた状態で宙吊りにされていることに気づいた。全身には細かな切り傷がいくつも刻まれ、所々からタイツの下の肌を見え隠れさせる。

 莫邪の真下には砕け散った喜劇のデスピアンと悲劇のデスピアンの残骸。だが全部ではない。

 2体の喜劇のデスピアンが各々莫邪の四肢を鎖で拘束して宙吊りにし、残る1体の悲劇のデスピアンが莫邪の目の前でふわふわと浮遊している。

「負けたのですね……私は……」

 莫邪は悔しさにうちひしがれる。武器無しではこんな雑兵にも遅れをとるという事実が彼女の心を打ちのめす。

(尊敬する師に捨てられ、こんな雑兵にも遅れをとる……私はなんだったんでしょう……)

 絶望。そして諦観。莫邪は己の死を受け入れようとする。だがデスピアン達はそれすらも嘲笑う凶行に出た。

「ヒーヒッヒッヒッヒ!」

「きゃあっ!?」

 喜劇のデスピアンの凶刃が莫邪を襲う。その刃は器用にも莫邪の鎧のみを切り裂いた。彼女のカラダを守る鎧や着物がバラバラと崩れ落ちていき、ぴっちりとした黒いタイツで覆われた全身を露にする。

「なっ!?」

 思いもよらない敵の凶行に莫邪は顔を真っ赤に染めながら必死に身じろぎする。だが四肢を拘束する喜劇のデスピアンの鎖は強靭であり、カラダをモゾモゾと動かす程度のことしか出来ない状態だ。

「まさか私に辱しめを……ぐぶッ!?」

 悲劇のデスピアンの首輪が莫邪の腹部に打ち込まれた。大きな棘のついたその首輪は、刺さるほどの鋭さはないものの苦痛を増大させることに関しては十分に仕事を果たしていると言えよう。

 莫邪は宙吊り状態のままカラダをくの時に曲げた。全身からは脂汗が滲み出ており、粗い息づかいが辺りの木々のざわめきと離れた場所の喧騒と混ざりあう。

「はぁ…はぁ…私は負けません……絶対に……絶対に……!」

 その虚勢の矛先は敵か、はたまた自分自身か。莫邪は必死に強がる。だがそれを嘲笑うかのように喜劇のデスピアンは四肢の鎖の拘束を強め、悲劇のデスピアンは莫邪の背後に回り込んだ。

「今度は何を……ひいッ!?」

 悲劇のデスピアンの衣装の隙間から、グロテスクな肉の触手が這い出てくる。触手は莫邪のカラダを撫で回すかのように巻きつき、異臭を放つ粘液を塗りたくった。

「やめなさ…い……こんなことをしてゆるされると……」

 カラダ全体をまさぐられる感触に莫邪は不快感を露にする。全身に塗りたくられた粘液によってタイツはヌラヌラと妖しげな艶を帯びていく。

「くっ!」

 莫邪は必死にカラダをくねらせ踠く。だが四肢の拘束から逃れられるはずもなく、その肢体を触手に蹂躙され続けた。

「くぅ…やめぇ…………ふあっ!?」

 莫邪は目を見開いた。触手の先端が手へと形を変えたのだ。そしてそのまま莫邪の胸に張りつき、その綺麗な形を歪めるかのように揉みしだき始めた。

「くぁ…ああっ…な、なんでぇ……!」

 触手の手に胸を揉みしだかれ悶える莫邪。自分が戦っていた相手が何なのか、自分を犯してる相手が何なのか。その真相に徐々に気づきつつあった。

(まさか……これは……そんなことがあっていいはずが……っ!)

 他の触手の先端も徐々に変貌していく。手に、目に、口に、舌に……それは紛れもなく人間の部位であった。

(この者達の正体は人間!?まさか自国の民を……っ!)

 凄惨な真実に気づいた莫邪。その胸中を塗り潰すのは恐怖と屈辱……そして激しい怒りだった。

(許さない…許せない…許されない!こんな冒涜的な所業……必ずやその首謀者を断罪しなければ……!)

 強い怒りが莫邪に力を与える。四肢に再び力が宿り、喜劇のデスピアンによる拘束を脱しようとしていた。


 だが舞台はデスピアン達の独壇場であることは揺るがないのだ。


「はあうぅッ!?」

 莫邪のカラダが一際強く跳ね上がった。

(中に……直接カラダを触られて……っ!)

 莫邪のカラダを覆うタイツの一部が浮き上がっている。まるで脈でも生じたかのように這い回り、蠢いている。全身に刻まれた細かな切れ目から細い触手が侵入し、彼女のカラダを直に蹂躙しているのである。

「はぁ…はぁ…やめ…てぇ……んんっ!」

 タイツと地肌の隙間に入り込んだ触手は、その表面の粘液を最大限に活用して這いずり回る。触手の通った後からその部分は火照っていき、タイツが擦れては新たな快楽の熱を生む。

「こんな…こんなのにぃ……!」

(負けない……負けちゃだめ……っ!)

「んんぅ……くぅ…………ああっ!」

 莫邪のカラダがビクンと仰け反った。触手の責めに耐えられずに絶頂してしまったのだ。その隙に乗じてデスピアン達はさらなる攻勢を仕掛けた。

「あっ!あっ!あっ!あっ!やめっ!てっ!んっ!んぅっ!んん~~~っ!」

 タイツの下で触手達が激しく蠢く。さらに外側の太い触手達も莫邪のカラダをまさぐるように巻き付き、激しく締め上げた。

 そして手の形をした触手が莫邪の顔先に迫ったかと思えば、がっしりとその顔を鷲掴みにした。

「ふんん~~~っ!」

 首を降って抵抗しようとする莫邪。だがそんな抵抗など意味がないと嘲笑うかのごとく、手は彼女の顔から離れない。

 その指先に力が籠るのを莫邪は感じとった。そして次の瞬間……

「いやあっ!」

 莫邪の顔を覆うタイツが強引にひん剥かれたのだ。誰にも見せたことのない素顔を白日の下に晒される。それは莫邪にとって耐え難い屈辱だった。

 さらに追い討ちを掛けるように、目の付いた触手が莫邪を舐め回すように凝視する。タイツの下に隠されていたその端正な顔も、日々の鍛練によって鍛え上げられた美しい肢体も、タイツ越しでもわかるほどくっきりと浮かび上がった乳首も……

 舐め回すように、舐り回すように、しゃぶり尽くすように。触手は下卑た欲望で莫邪を包み込むのだ。

「やめ……っ」

 ニチャニチャと粘着質な音が周囲に響く。莫邪の汗と触手の粘液とが混ざりあい、地肌とタイツの狭間で淫靡な泡を立てる。

「はぁ、はぁ、そこばかり見ないで……」

 触手の目が凝視するのはピンと立った乳首。その視線に対し、莫邪は否が応にも乳首に意識を集中させてしまう。それが触手の狙いだと薄々勘づいていてもだ。

 タイツの下、紐のように細い触手が莫邪の両胸をぐるりぐるりと何周もするように突き進んでいく。その行き先は徐々にその頂点へと近づいていき、乳輪を一周した後、乳首に到達する。莫邪は次に起こることを予見し怖じ気づく。

「ひっ……あっ……やめて……」

 紐のように細い触手はくるりと乳首を一周し、括るかのようにキュッと締め上げる。

「あ゛あっ♡」

 喘声と共に莫邪のカラダがビクリと震えた。

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