【デジクリAdventCalendar】CG:ひと月同人誌のレシピ

【デジクリAdventCalendar】CG:ひと月同人誌のレシピ

もっちー

10/8の某同人誌即売会に参加するまでの思い出話を絡めながら、同人誌頒布までの流れをまとめました。


[この記事を読む全ての方へ]

本を1ヶ月で作ろうとしてはいけない。

この記事は、本をひと月で作ることを推奨するものではありません。

締切を1ヶ月後にするのはやめてください。

ひと月後とかいう頭の悪い締切を作らないぜ!という方は既に天才なので読まなくて大丈夫です。原稿やっててくださいまし。


【材料(目次)】

①イベントへの申し込み

②締切

③スケジューリング

④プロット

⑤肉体

⑥進捗を無限に褒めてくれる人間

⑦無敵の売り子

⑧画力(技術)



【①イベントへの申し込み】

主原料。これが無いと同人誌を作れません。しかしながら、最も入手が難しいとされています。

同人イベントに申し込むというのはとても勇気が必要そうですが、実際はほとんど必要ありません。同人誌はプロの現場では無いので、ハードルも何もありません。プロの現場がウィンブルドンだとしたら、同人イベントは町内会主催のテニス大会です。誰でも本を出せます。

おすすめの感情は、受け売りですが自分は最強の作家だと思うことです。あなたは最強の作家です。大丈夫、あなたの作る本は無敵です。


[よくある質問]

Q.即売会といえばコミケだけど、コミケはハードル高そう。

コミケは寧ろ低いそうです(参加したことないので人伝てですが)。コミケは参加サークル数も多く、いくらでも紛れられます。自分の本のジャンルが目的でない人も大量にいるので、自スペース前を素通りされるダメージもありません。


Q.コミケがハードル低いとの事ですが、逆にハードルが高いイベントは何?

A.同人イベントは町内会のテニス大会なので総じてハードルは低いです。ただ、コミケはジャンル数が多いため紛れられる事がハードル下げているとすると、逆にジャンルが狭い(オンリーイベント等)は比較的高いかもしれません(それでも町内会ですが)。


Q.検索したけど同人イベント多すぎてどれにしたらいいか分からないよ。

A.分かります。本を作りたいジャンルの同人イベントを検索したら、たくさん出てきますよね。

まずは開催地を確認しましょう。遠いと大変です(遠征費もかかります)。出ようと目論んでたイベントが大阪開催だったなんて事は多々あります。

参加可能な開催地のイベントに絞れたら、次は細かく見ていきます。個人情報取り扱いの規約がしっかりしているか……告知はしっかりと行われているか……主催の実績……etc...もちろんこれらの情報を比較する事は大切です。が、面倒ですね。簡単に比較するには、イベント名の後についてる数字(コミックマーケット"96"など)を確認すると良いかもしれません。これが多いと何度も繰り返し開催できている=問題なく運営できているという事になるので信頼できます。(数字だけで盲信してはいけません。必ず詳細を確認しましょう。主催との間にお金のやり取りが発生するので。)


Q.申し込みました!

A.おめでとうございます。同人誌は7割完成です。後は締め切りに追われた自分が何とかしてくれます。主催からの連絡や提出物は忘れずに確認してください。


【②締切】

締切とは、原稿を完成させなくてはならない日のことです。申し込みが済むと、自動的に締め切りが発生します。

この締切ですが、学校の宿題とは違い、他人が勝手に決めてはくれません。自分で決めます。

コピー本(自前のコピー機で印刷して自力で製本する本)の場合、イベント当日(以下:当日)一週間前がおおよその締切です。"おおよそ"と言うのは、製本まで自力で行うため、調整が可能だからです。

印刷会社に製本を依頼する場合、締切は当日の二週間以上前がオススメです。本の種類によって様々ですが、B5フルカラー16pイラスト本の場合、一週間ほど印刷にかかります。これに印刷会社からの郵送の時間が加わるため一週間と数日かかります。さらに原稿の不備があったとの連絡(通称:赤紙)が届き、修正が必要になる事が多々あるため予備日も考える必要があります。

印刷会社に御布施をする事でお急ぎで印刷を進めてもらう割増入稿(通称:極道入稿)は極力使わないことを目指しましょう。印刷会社の方々にも迷惑をかけます。


【③スケジューリング】

ひと月で同人誌を作る場合、ほぼ原稿の休みはありません(これを原稿修羅場といいます)。厳密なスケジュールを組んだ方が完成する確率が上がります。

締切までの日にちを逆算し、ページ数で割るのが王道ですが、ひと月同人誌ではそうはいきません。

まず、締切までの日数から予備日(3日ほど)を引きます。締切までで単純に割り算をすると苦しい事になりがちです。

予備日を引いたら、次に調整日を考えます。調整日とは原稿を調整する日です。本文(イラスト本ならイラスト、漫画本なら漫画本体)ができても、体裁を整えるのにかなり時間がかかります。1週間はかかると思ってください。

予備日と調整日を締切までの日数から引いたら、いよいよページ数割る……のでは無く、カレンダーを見ながら、いつどのページを作るか決めましょう。全ページが同じ時間では完成しません。表紙など時間がかかるページ数は多めに、シンプルなページは少なめに日にちを確保します。各ページ大体どの程度時間がかかるか原稿を始める前に考えておきましょう。そのため次項目のプロットが必要です。


【④プロット】

スケジューリングのために大まかに本の内容を決めましょう。GoogleスプレッドシートやExcelは、ページとの照らし合わせが楽なのでオススメです。

イベント申し込み、締切の発生、プロット、スケジュール組みを済ませたら同人誌は9割完成です。ここまでお疲れ様でした。あと少しです。


【⑤肉体】

先程述べた通り、この時点で9割は完成しています。残り1割の話をします。

原稿修羅場では健康的な肉体が必須です。本を作る行為は本来人間がする行為では無いので、無理をすると体が狂います。只でさえ狂うのにひと月で作ろうとなると、とても人間的な生活は送れません。

ひと月で同人誌を作りながら人の姿を保つためには、6時間以上の睡眠が必須です。寝てください。徹夜はよろしくないです。睡眠時間を削るくらいなら、本のページ数や質を削ってください。

原稿修羅場中は、朝起きたらご飯食べたり着替えたり、一日家で作業だとしても外へ出るのと同じように身支度をすると良いとされます。体のスイッチが入り、効率的に朝の時間を使えます。(言うのは簡単)


【⑥進捗を無限に褒めてくれる人間】

"この本おもしろいのかな病"というものがあります。制作時間が長くなると自分の制作物がホントに需要があるのか分からなくなる病です。その原稿を最も繰り返して見ているのは自分なので飽きが効いてくるのは当然です。

この厄介な病を軽減するのが進捗を無限に褒めてくれる人間です。目星をつけたら個人的に進捗を送り付けましょう。大体の方は先に発表前の原稿を見れるかつ本ができる過程(と作者が苦しむ姿)を楽しめるエンターテインメント性から快く反応してくれるはずです。(ちゃんとお礼はしましょう)


【⑦無敵の売り子】

お好みです。初めて同人イベントにサークル参加しするのに締切がひと月後とかいう私のような頭の悪い状態になった場合に有効です。

この無敵の売り子にサークル設営の準備(例の布、ポスター台等)をお願いします。こうすることで原稿をする時間を伸ばせます。

信頼出来る人間にゴマをすりましょう。コミュニケーションがとれる状態を保つ必要があります。(お金のやり取りが発生するので)


【⑧画力(技術)】

要りません。


【おわりに】

ひと月で本を作ろうとしてはいけない。

技術は必要ありませんが、計画性はあった方が心強いです。本を作るのは間違いなく良い経験になるので、少しでも作ってみたいという感情のある方は、とりあえず同人誌即売会に申し込んでみてください。




あとは締切に追われた自分が何とかしてくれます。



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