デイビットが女神達にトロトロにされてテスカトリポカと初夜を迎える話
と言いつつ本番はないです。
一連の流れに悶え狂って頑張りました。
黒とか青とか赤とか分からないしアステカの婚礼も分からない。雰囲気で読んで下されば……
「っん、あ、あ、あ」
女神達の嫋やかな指が、まるで弦を爪弾くかのようにデイビットを奏でていく。
夫を待つ褥の上で、デイビットはテスカポリトカの妻たる4人の女神に花嫁の手ほどきを受けていた。
「ひ、ぁん、あっ」
女達の指先が体を辿る度、デイビットの中に自分でも知らなかった音が生まれていく。
それは快感と呼ばれるものだ。
寄せられる女神の滑らかな蜜の肌。甘い香り。自分さえも知らなかった自身を暴いていく優しい指先──
「ふぁ、ぁ……っ」
手管に翻弄され、明確だった思考がほどけていく。
自己の境界線が、肉体の輪郭が曖昧になり、「自分」が溶けだしてしまうような心地。けれどそこにあるのは恐怖ではなく、とろけるような快楽だった。まるで春の潮だまりの中で揺蕩っているかのような快さ。
なんて、気持ちいいのだろう。
緩やかな官能に身を任せ微睡む意識の片隅で、誰かが近付いてくる気配がした。
途端に、周りの気配が華やいだ。
──まぁ、随分とお早いお出でですのね
──きっと待ちきれなかったのでしょう
──ふふふ、我らが夫ともあろうお方が
──まるで経験のない男童のようですわ
そよ風に揺れる花のさざめきのような、密やかな笑い声。だが相対する気配は不機嫌そうだ。
「うるせえよ。この俺にそんな口をきいて許されるのはお前達くらいのもんだぜ」
いっそう広がる吐息のような忍び笑いと微かな舌打ちの音。
「随分と気に入ったみたいじゃないか」
──ええ、とても
首筋を擽るようになぞられ、ぴくんと身体が跳ねた。
「んぁ……」
──男も女も知らぬ清らかな身体
──成熟した器に不釣り合いなほど無垢な心
──これほど偉大なるテスカトリポカの花嫁に相応しい人の子はいないでしょう
「あ、あぁ、あっ……」
女神たちに体中を改めるように弄られ、デイビットは首を打ち振った。じっくりと高められた身に、それは余りにも強い刺激だった。
過ぎた快感に、体をびくびくと跳ねさせる。
──支度は整いました
──この末の花嫁に、どうぞあなた様のご寵愛を
4人の女神は膝をつき、頭を垂れて閨に侍る。
「あ、あぅ、は、あ……」
上気した肌を晒し息を弾ませ、褥にしどけなく横たわる青年へ、彼の夫となる神が覆い被さっていく。
ぼんやりとした瞳に、愛しい相手の姿が映った。
滝のように流れる金糸の髪と、澄んだ青空のような瞳。
「デイビット。最も新しいテスカトリポカの花嫁」
応えるように、青年は重い腕を男の首に回す。
「いいこだ」
斯くして、人と神との婚礼は成った