テレグラフ感想戦
新作だー!解説も含めて執筆お疲れさまです…!
煮込んで語り継ぎますね…!ありがとうございます…!
…既に>>151 の心うち震える美しく素晴らしい感想レスの後なので正直「…ワイの感想…いる…?」と尻込みしてる心情なのですが、うるせぇ知らねぇ最終幻想ー!と自分を鼓舞して載せさせて頂きます…。
…というかですね、タイトル前のキャプションにてコラさんが『ドンキホーテ・ロシナンテ』の名を名乗っていたのは下界に降りてきてからはカインハーストの城でだけっていうイントロダクションに既に胸が締め付けられております…
さてコラさんinカインハースト後編。
コラさんが何時頃兄上への報告書を書く事を決めたのか、何故その場所にカインハーストを選んだのかを語るコラさんの独白から物語が始まります。
しかしカインハーストに戻って早々に血の女王のあられもない姿(ぼかした表現)を見る事になろうとはコラさんも思ってなかっただろうな…コラさんSANチェック、いる?
そして血の女王から託された遺志と悲願。カインハーストに残る亡霊達との温かい交流。カインハーストの皆さんがコラさんにあれやこれやと可愛がって世話を焼く姿が目に浮かぶようです。コラさんも皆さんもなんと愛らしい事かと。隔絶された月白の光が照らす、雪に閉ざされた束の間の故郷となった城内にて過ごした時間はまさしく『凪』の時間だった事でしょう。コラさんにとっても、カインハーストの皆さんにとっても。
こっそりデュラさんへの差し入れの出所が判明したり、コラさんの『血』に関する伏線が張られてたりと見逃せない点もちらほら。
報告書を書きながら時を過ごしていく中で、ひとり、またひとりと姿を消す亡霊達。その誰もが満たされた顔をして。彼らは消えてしまったのか、それとも『凪』の庭に旅立ったのか…
そして訪れる『終わり』の時間。コラさんは報告書が書き終わるのを見届けてくれた首なき淑女に告げる。ここを旅立ったら、次はもう戻っては来れないと。夢の終わり、夜明けの気配。淑女の手を取り、城のホールへと足を運ぶコラさん。かつて城の亡霊達に教わった作法に則り一礼を交わし、ひとつきりの靴音を響かせてワルツを踊る。それはきっと、手向けだったのだろう。最後まで見届けてくれた淑女への、戻らぬ束の間の故郷への手向け。
…で、格好良くワルツを踊りきるのかと思ったら、そこはやはりコラさんであった。うん。裏切らないねコラさんは。安心した。
床とお友達になりながら語るコラさんの独白。淑女への語り掛ける言葉。彼からみた当時の『兄上』の姿。置いていかれる事への恐怖。彼の口から「生きる事を諦めないでよかった」という台詞が聞けて思わず涙が滲みました…
戻らないもの。それでもこの手に残ったもの。淑女への感謝の言葉。
コラさんが床とお友達になってからのくだりは言葉の一つ、文字の一つ一つが温かくて、優しくて、切なくて、夢のようで…本当に美しくて。筆舌にしがたい。素晴らしい文章にただ満たされる幸福を噛み締めております。
白き真昼の夢の様に…霞の彼方に消えた淑女ちゃんの最期に思いを馳せずにはいられません…
そうして彼は束の間の故郷を去る。小脇に報告書の束を抱え、その血に遺志を携えながら。二度と戻らぬであろう白く輝く月を湛える『ずっと寒くて、暗くて、とても優しげな"穢れた"おれたちの居場所』を。
なんかもうね…胸がいっぱいでいっぱいで…!
解説の『白い月』には成程な、頷きましたね。
神代の火の時代の『絵画世界』に近いのだろうな…と思いつつも個人的にはダクソ3の『古竜の頂』を思い出してました。あそこもまた、断絶された時間軸にありますが故。じゃなきゃ火の時代の終わりにおいて白く輝く太陽も青空もありはしないから。
『世界のどこにも居場所なく』も、あぁ…成程なぁ、と。画家の少女ちゃん…
そしてコラさんと辺獄と上位者の性質のお話。なんて優しくて、なんて恐ろしいのだろうな…と思いました。
まさしく『凪』なのでしょう。どこか長閑で、優しげで、しかしただただ終わりに向かうだけの場所。それを生み、作り出す力こそがコラさんの上位者としての性質であると…。
優しげな『凪』の辺獄、その主。
しかもそこに受け入れられた誰もが恨みはしないという。『凪』たる精神が感応するとでもいうのでしょうか…?
そしてそのあおりを受けた範囲の広さよ…!
『フロムゲーの主人公は往々にして現存する世界に終わりを齎すもの』という一文に大変頷きましたね…コラさんもまた『終わりを齎してきた』んだ…ヤーナムの夜に、ローの珀鉛病に…様々なものに。
でもコラさん自身もまた『狩人の夢』にて手放せるものを手放してるんだね…ここもまた辺獄であるが故に。
沢山の手放せるものを手放す。それでも手放せないものの為に。
それを知るのは人形ちゃんだけ…。
検証の為にヤーナムを一から中盤の終わり辺りまで走られた作者様の飽くなき情熱に最大限の拍手と感謝を…!ありがとう…大好きです…!