チャド井上の修行見守り編
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浦原さんの駄菓子屋地下にてチャドさん、井上さんあと恋次が修行をしていたので私も修行に付き合うことにした
「チャドさんの能力を改めて拝見した所一つ気づいたことがありまして」
「今俺自身でもこの能力はあまり分かっていない...気づいたことがあるなら些細なことでも言ってくれ」
恋次とのぶつかり稽古の休憩時間に声をかけたのだがどう説明した者だろうか
「私が思ったのは 貴方が"我流滅却師"であることですわ」
「......待ってくれ 俺は石田のように滅却師の力は使っていないぞ」
「いえ 滅却師ではなく我流の滅却師ですわよ?」
チャドさんが首を傾げたり、記憶を思い起こしているのか空を見上げたりしているのを眺めている
「滅却師...弓 いや違うな 俺はこの拳や体そのもの...」
チャドさんがウンウン唸っていると私たち二人の後ろから
「そこら辺は私が補足しましょう このままだと正解に辿り着けそうもないんで」
とカラコロと下駄を鳴らしながら浦原さんが歩いてきた
「まずですねェ 滅却師と我流滅却師は完全に根本から別物なんスよ」
「それはそうですわよね」「えっ」
チャドさんが謎に驚いていますわね...そう思っているとまず我流滅却師は武器を青色に光らせて弓を使うこともあるためぱっと見では滅却師と見まがうのだとか
「我流滅却師は知識がない人からしたら本当に滅却師に見えかねないんスよ そこを前提にしていないと話がこじれて伝わらないんスよね」
(チャドさんなんで滅却師の話をしているのでしょうと思っていましたがそういう事でしたのね)
「まぁその別物の力というのは正直まだ私でも調べてる最中なんスけどね とはいえ本当に力の根源が一緒であれば 我流滅却師のノウハウを教わることで力を見つけることが可能だと思うっスよ」
チャドさんは納得したのだろう力強く頷きこちらに向き直った
「すまないタスク...俺にその我流滅却師の修行を教えてくれないか」
「もちろん構いませんわよ!」
こうして恋次を浦原さんが雑用で使っている間にチャドさんと私あと恐らく井上さんも同じような力が根源だろうという事で参加して修行が始まった
「正直 虎屋家流なら殴り合って戦いの中で強くなれ!と行きたいところですが...ちゃんと我流滅却師として進めるのなら『物の魂を力を引き出す・借りる』事自体になれることからですわね」
「思ってたよりタスクちゃんの実家って体育会系なんだね」
「そんなむさ苦しいノリではなく 殺伐とした格闘家系が近い気がしますわね」
「体育会系の方がまだマシだな...」
目潰し上等ルール無用試合を率先してやろうとする実家の人達を思い出しつつ修行を開始する
「まずお二人の気質からして武器を用いて戦うことは少ないでしょうから素早く移動する術を身につけましょう」
そう言いつつ地面を蹴り地面から進むための助けを受けながら大きく移動する
「地面というのは生きてきてずっと慣れ親しんでいる"物"でしょう?ひとまずは地面の助けを借りて移動する方法から行きましょう」
二人が手探りながら修行を開始したが数時間経って少し変化があったのはチャドさんのみで井上さんは変化なく時間のみが過ぎていた
「もしかすると大本の運動の経験ですとか戦闘のカンなどが関わっているのかもしれませんね...模擬試合のようにしてちょっと刺激を入れてみましょうか」
ひとまずチャドさんと素手同士の試合でもすることにした
「さぁ行きますわよチャドさん!私これでも虎屋家主催のチビッ子総合格闘技試合では優勝を...」
あらいけませんわ私ったら...チャドさんの腕が長すぎて技をかけたりする前にグーパン一発KOコースになってしまいますわね
哀れ私はチャドさんの腰の入ったパンチによってカッ飛んで行った、二人とも青い顔をしながら飛んで行った私の方へと全力ダッシュをしどうにかチャドさんが受け止めてくれたらしいですわ
ちなみにこの時チャドさんが初めて地面の助けを借りられたそうです 結果オーライですわね!