チャカ様 AI小説
バレル「チャカ隊 整列!!!」
「休めっ!敬礼ッ!!」
チャカは正面を見つめる。目の前を流れる川の中に、自分たちと変わらぬ数の戦士がいるはずだ。あの中にもきっと「自分がいる」。
チャカ「我々はもう20年もあの方にお仕えしている!」
息を吸い込み向かい側の隊へと叫ぶ。
チャカ「そのことを誇りに思うか!?」
ジャッカル隊「オォ〜〜〜〜〜〜っ!!!」
チャカの問いかけに皆敬礼し、声を揃えた。そして左拳を掲げる。それを見て、ほかの隊も真似をした。並んだ戦士たちが一本の矢に見えた瞬間だ。
チャカ「……よし!あの太陽に我らの威信をかけ……堂々と帰還しようじゃないか!!」
ジャッカル隊「はっ!!!!!」
チャカ(ビビ様 ご覧下さい。20年で培った我々護衛隊の力を!!!)
チャカ達は一斉にカルガモに乗り込み叫ぶ。
「出航!!」
チャカ(さらば アラバスタ!!!)
雨を切り裂くように、彼らはペル通りを後にしていった。
チャカ(誇りとは生き延びてきた命の数が決めるものだ……今日こそ
「生き残ろう」とあの方が願っているのだから……)
一方でアラバスタを旅立つ彼らを眺める王宮の「ある男」がいた。
「チャカ隊か……懐かしいな」
その名はペル。今やチャカと並んで「アラバスタの英雄」と呼ばれる男である。
ペル「チャカ……お前は今どこにいるんだ?」
ビビ「私もいつか護衛隊に入ってみたいなぁ」
ペル「……それは難しいな」
ビビ「……え?」
ペル「アラバスタにはもう“英雄”がいるからな」
ペルは空になったコップを空に放り出した。
アルバーナ宮殿の広大な中庭。天気が良い日は王女ビビとイガラム、チャカが運動がてら中庭を散歩し、疲れて戻ってきたビビをチャカがミルクティーを作って迎えるのが日課であった。
この日も例外ではない。ビビとチャカ、イガラムはリラックスして中庭で過ごしていた。
ビビ「ねぇ チャカ……今日はなんでチャカから誘ったの?」
イガラム「やはり……運動不足のせいですかな?」
ビビ「うん 確かにチャカもたまには運動したほうがいいんじゃない?って思ってたわ」
チャカ「私も……たまには運動をいたしませんと 体が鈍ってしまいます。何と言っても アラバスタの戦士はみな屈強な者ばかりですからな」
イガラム「確かに……!チャカの筋肉が衰えたらまずいですな!」
ビビ「うん!じゃあ“戦士達”にお花を摘むのを手伝ってもらうように言ってくる!」
ビビはそう言うとわんぱくな表情でイガラムとチャカに敬礼をして宮殿に戻っていった。
宮殿の中に入り、ビビが向かっているのは王室だ。アラバスタ王家では王女のビビが「王女様」として丁重に扱われていた。
ビビ「あら……?みんな?」
しかし、廊下を歩いていくと宮殿にいるはずのない“ある者達”が、壁にもたれて話をしているのが聞こえた。
クロコダイル「クハハハハハ!いい絵画が飾ってるじゃねェかよ!!この宮殿は……!」
ビビ「クロコダイル!?」
クロコダイルは、王女の部屋が見たいと女官に無理やり頼み、侵入しようとしていた。ビビは隠れようとしたが、あいにく柱の陰にはイガラムが隠れていた。
イガラム「姫様……落ち着いてくだされ」
ビビ「えっ!?……イガラム……
ど どうしましょう……!!」
ビビは声を潜めてイガラムに訴える。
イガラム「このままではクロコダイルにビビ様の部屋を物色されてしまいます……!」
ビビ「あぁ……!クロコダイル……
とんでもない奴め……」
するとそこへチャカがやってきた。
チャカ「イガラムさん!ビビ様!!」
こう呼びかけると、チャカの視界にクロコダイルの姿が入った。
チャカ(く!!……遅かったか))
チャカにはクロコダイルの声が大きいのか、はっきりと聞こえていた。クロコダイルは言う。
クロコダイル「王宮を走るとは不貞の輩め……!!この王女様の部屋はどこにあるんだァ……?」
ビビ「!?(ああ……!クロコダイルが宮殿の中の部屋を探し回っている……!!)」
イガラム「早く!!姫様の部屋に戻らなくては!!」
チャカ「待て」
ビビ「チャカ!?」
イガラム「チャカ殿!?」
チャカ「今出たら殺されるぞ……!相手は“七武海”のクロコダイル……。奴が本気を出したら10秒もせず我々の命はない……!!」
ビビ「でも……どうするの……?」
チャカ「こうなれば……私がクロコダイルを止めてみせます……!!」
クロコダイルはビビの部屋に入り、絵画を眺めながら言った。
クロコダイル「クハハ……!!芸術は理解不能だ……!おれの興味の範疇の外にある……」
ビビは恐怖のあまり声すら出ず、その様子を隠れて見ていた。
クロコダイル「おっと!王女がいたなァ〜!!この部屋のことを国中にバラされたくなかったらァ〜!!“イガラムとチャカの処刑”を……」
ビビ「……!!(殺されるッ!!!)」
すると、チャカがクロコダイルに話しかけた。
チャカ「クロコダイル様……!!」
クロコダイル「あ……?」
チャカはクロコダイルの懐に素早く入り、クロコダイルの心臓を貫いた。
クロコダイル「ガッ……!!何だ!?」
チャカ「あまりはしゃがれると危険かと……言ったのです……!!」
クロコダイル「……ク……ハハ…ハ……ハ………」
クロコダイルは「死」を覚悟し 満足げな表情を見せて倒れた。
ビビは、チャカとイガラムがクロコダイルとの一騎討ちをして勝った瞬間を見ていた。ビビはホッと安堵し、部屋に戻ってきた。
ビビ「はぁ〜!!イガラム!チャカ!クロコダイルに勝ってくれたのね!?」
イガラム「はい!チャカ殿のおかげですよ!」
ビビ「ありがと!チャカ!!」
チャカは少し照れ臭そうに
「もったいないお言葉……」と言った。