チャカ様異世界転生

チャカ様異世界転生


私はアラバスタ王国護衛隊副官、“ジャッカル”のチャカ…であるはずだった。

目覚めると見知らぬ場所にいた。

そうだ、コブラ王とビビ王女がマリージョアにて何者かに連れ去られ、追いかけているところだった筈だ。一体どういうことだ。混乱する頭を必死で整理しようとするが、なかなかうまくいかない。

「あー、やっと起きたか」

不意に声をかけられ、反射的に銃を向けてしまう。声の主は武装色の覇気をまとった男だった。

「なんだ?俺は敵じゃねェよ。むしろ助けてやったんだぞ?」

「助けただァ!?」

「ああ、お前らは海楼石の手錠をかけられたまま海軍本部まで連行されて、そのまま処刑される予定だったんだよ。だが、俺がちょいと手を回してな。お前らだけ釈放させてもらったってわけさ」

確かによく見ると、ここはどこかの建物の中らしい。壁も床も天井も全て石造造りになっていて、窓のない部屋には簡素なベッドが一つ置かれていた。そこに寝かされていたようだ。

「ま、お前らも聞きたいことがあるだろうからな。しばらくはここにいてもらうぜ」

男はそう言うと、踵を返して部屋の扉に手をかけた。そして振り返りながらニヤリと笑った。

「俺はクロコダイルだ。よろしく頼むぜ」


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