ダークエルフ殺人鬼一家のテンプレ
残酷にして醜悪なハグの母親に率いられた、狂気の殺人者一家である「ヴェルキルヌ家」は、悪名高き闇ギルドの一つたる『地獄の拷問官《ネビュロス》』に属するカルト集団である。
この一家は聖戦士、英雄的な冒険家、そして世界に光と希望をもたらす可能性のある全ての人々を探しては破壊するために、必要に応じて本拠地である地下の暗いアジトから現れ、地上に住む人々の中から新たな犠牲者を探す。
「ヴェルキルヌ家」の長はハグと化した元ダークエルフの「ナルナジア・ヴェルキルヌ」であり、本来はダークエルフの有力な貴族の一人であったらしい。だが、ダークエルフ同士の凄惨かつ陰湿な権力争いに敗れた結果、彼女は政敵の手によって惨たらしく殺害されたのだが、生前自身に施しておいた禁術によって黄泉がえりを果たす。だが、その代償として彼女は美しいダークエルフの姿を失い、醜悪なハグそのものと化してしまった。
しかし、彼女は以前の体よりも強い力と魔力を秘めたハグの肉体をいたく気に入ったようであり、黄泉がえり以降はダークエルフとしての生活と人生の全てを捨て去った。現在、強力なウィッチの殺人者である彼女は、使い魔のマルキジットを通じて、ギルドからの殺人指令や任務を請け負っており、戦いにおいては魔術師系統の呪文とウィッチ特有の呪術を駆使して、相手を死に至らしめる。
ナルナジアに忠実な長男である「ヨグマ・ヴェルキルヌ」は、サディスティックなレンジャーにして追跡者でもあり、獲物が追跡されていることに気付く前に、遠距離から一方的に狩ることを好む。若い頃から犯罪で生計を立てていた彼は、追手や賞金稼ぎから逃れて何年も過ごしたことが、現在のハンターとしての経験に役立っており、彼のサバイバルの才能は家族の頻繁な地上進出を促進し、現在はそこで繁栄している。有能な白兵戦の達人である一方、ヨグマは影などの死角から攻撃することを好み、魔法の長弓の性能と殺傷力を高める呪文で自身を強化する。
次男の「セルヴァン・ヴェルキルヌ」は、母親が調合した呪いの粉を犠牲者の戸口に置いたり、愛用の毒を用いて敵を弱らせる陰湿な戦法を好み、犠牲者を翻弄することを楽しんでいる。影と闇を操るシャドウ・ダンサーであり、常に闇に覆われているセルヴァンは、シャドウという影のアンデッドを使役する能力を持ち、この影じみたアンデッドとは独自の絆を結んでいる。セルヴァンは兄のヨグマと完全に協力して仕事をしているが、競争心が強いため、スカウトの職をしばしば乱用することもある。
ナルナジアの一人娘である「アリッサ・ヴェルキルヌ」は謎めいた嫉妬・嘘・殺人の魔神からの天啓を受信する盲目の巫女であり、この邪悪な殺人鬼一家が『地獄の拷問官《ネビュロス》』に属するようになったのも、その神の信託によるものだというが、神託自体が本物かどうかなど当人にしか知り様がない。どうやら彼女は最近、自分の魔力が母の力を凌駕していることに気づいたようであり、やがて母に代わって一家のリーダーとなるべく、長期的な計画と陰謀を企て始めている。