ケントレギナの観察レポート

ケントレギナの観察レポート


 この国のどこかの地下室に人知れずその研究室はある。

 周辺の寂れた風景とドア1枚隔てただけで別世界に思えるほどに最新鋭の設備が設られたその部屋の中には、青年一人とボディスーツの女が一人。女は診察台のような姿をした大型のベッドの上に座っている。

 青年は女がくすぐったそうにするのも構わずに彼女の体をまさぐり、時折頷いては手元のタブレットに何やら記録を打ち込む。そうして何時間経ったろうか、女は流石にうんざりしたような表情で青年に言った。

「おい親父…まだやるのかよ」

 "親父"とは言ったものの二人は親子ではない。

 女は青年の手で人為的に繁殖されたケントロサウルスのディノサウロイド。凶暴な性格ではあるが、刷り込みによるものか青年には不思議と懐いていた。青年が彼女に贈った名は「ケントレギナ」といった。

 ケントレギナが生まれてからというもの青年の知的好奇心は彼女の未知の生態の虜となり、今やっているように毎日少しずつ調査させてもらうのが通例となっていた。それでもケントレギナが愚痴をこぼしたのは、今日の調査が普段より明らかに長かったからだ。

青年はケントレギナを宥める。

「まぁまぁ…君がこの頃具合が良くなさそうだから気になるんだよ。必要なら治療しないといけないだろ」

 実際、このごろのケントレギナは時折ぼうっとしたり熱に浮かされたような眼差しを見せることがしばしばあった。

「っ……それは…」

 意味深に口ごもるケントレギナの太ももの内側を青年の手が撫でる。青年は全く意識していなかったが、それはまるで愛撫のような繊細さだった。

「あっ♡」

 今までケントレギナの口から聞いたこともないような、女性的な色気に富んだ声だった。

 青年の触診する手が一瞬止まったのを見逃さず、ケントレギナは彼をベッドに押し倒し、押さえ込んだ。

 彼女はフーフーと荒く息をしている。心臓が激しく脈打っているのが触れた肌から青年に伝わる。肌には一気に汗が噴き出しはじめ、ボディスーツに染みを作る。そしてスーツの股間には他の部分よりも一際色濃い染みが浮かびだしていた。

「親父が悪いんだからな……♡」

 長い舌でゆっくりと舌なめずりをする。瞳の奥には、青年の心配の原因となった熱っぽさが普段の数倍の勢いで滾っている。

「あぁ…なるほど発情期だったのか」

 青年は意外なほど冷静で一切の抵抗を示さない。

「ふーっ♡ふーっ♡」

 ケントレギナが息を荒げながら青年のズボンと下着を脱がすと、杭のような極太で長大な代物が姿を表す。

「っ………⁈……♡」

一瞬表情が強張ったかに思えたが、すぐに不敵な笑みへと変わる。

 ケントレギナは自らの爪でスーツを破った。染みの濃さが物語っていたとおり彼女のそこはぐっしょりと濡れていて、その粘り気は破れた布片との間に糸を引いて橋がかかるほどだった。湯気が立ち上り、匂いとともに青年の顔の方に流れた。

 青年は嫌な顔ひとつせずにその匂いを嗅ぎ、頷いて横目でタブレットを見ながら記録を行う。

 青年のムードも何もない振る舞いも気にせず、ケントレギナは肉竿の上で腰を揺すり、膨らんだ陰核をカリに擦り付けはじめた。敏感な神経の塊のはずであるその突起を一切の躊躇なく乱暴に引っ掻くように刺激する。刺激するにつれて肉豆は充血したように赤く染まっていく。腰の動きは段々早くなり、呼吸のペースも早まっていく。

「ぜーっ♡はーっ♡ぜぇぇっ……♡」

 不意に息を詰まらせたかと思うと、次の瞬間ケントレギナは割れ目にペニスの切っ先を当てがい、そのまま一気に腰を下ろした。勢いそのままケントレギナの性器は青年のそれを根元まで咥え込む。ぐぽん、という音とともに、引き締まった腹部の臍の辺りまでにかけてペニスの姿が浮き上がった。

「かっ…はぁっ………!痛ぅぅっ………♡♡♡」

 めいっぱい広がった秘裂の隙間から血液が滴ってくる。処女膜は存在するようだと青年は妙なところに感心していた。びきびき、みちみちと不穏な音がする。

 ケントレギナの目尻に涙が浮かんだかと思うと、ヘッドバンドに内蔵された計測器からタブレットに異変のデータが送信される。

 画面を覗き込むと各種脳内麻薬量を表すグラフの値がみるみる上昇を始めていた。グラフの跳ね上がっていくのと同時に、ケントレギナの顔は恍惚の表情へと変わっていく。

 ケントレギナは破れた膜の痕跡さえ残すまいとするかのように腰を激しく上下させ始める。カリが膣壁に密着しゴリゴリと刮いでいく。

「っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ♡♡♡♡♡♡痛い痛い痛いッ♡♡♡♡♡♡♡裂けるッ♡腹かっさばかれるぅぅッ♡♡♡♡♡♡♡」

 苦しそうな口振りとは反対に、彼女は明らかに自ら望んで動いていた。ペニスが抜けるギリギリまで腰を持ち上げては勢いよく限界まで腰を下ろし、子宮を強く打ちつけて体を戦慄かせる。

 青年は過去のデータと目の前のケントレギナの痴態を合わせてディノサウロイドの生態について考察を始める。

(敢えて危険に向かって行くことで脳内麻薬の過剰分泌を促す…か)

 仮説を裏付けるようにケントレギナはスリルを楽しむ類の娯楽に惹かれる傾向が強かったし、食べ物は痛いほどの激辛を好んだ。

(そうして身体能力・情報処理能力を飛躍的に向上させ、よって他の種には生存不可能な環境を拠点に繁栄したというところか?)

 思考を巡らせている間にケントレギナの股が立てていた裂けそうな異音は収まっていた。

(ふむ…その戦略に伴う諸リスクは類い稀なるフィジカルと再生力でカバーされているのか)

 ケントレギナの胎の中は柔らかくも強靭で、特に子宮は交わり始めてからずっと激しい激突に晒されているというのに逆に亀頭を弾き返さんばかりの弾力を保ち続けていた。その子宮めがけて青年の今日初の射精が迸る。

「んお゛ッ♡出てる♡キたキたキたぁぁぁ♡♡♡」

 精液が胎内でぶちまけられるのと同じタイミングでケントレギナも達した。天井を仰ぎ、べろべろと舌を彷徨わせて快感に浸っている。

 青年は好奇心を抑えられないという表情で彼女を見つめている。

(もっと色々試してみるか…)

「ケントレギナ、次はどうして欲しい?」

 そう言って伺いを立てる。

「首、絞めてくれ…♡」

 即答。そのどぎつい内容に青年も流石にたじろいだ。

「なぁ♡してくれんだろ?早くしてくれよぉ♡」

 ケントレギナは甘え声を出しながら青年の胸板に頬擦りをする。

「痛くて苦しいのがイイんだよ…♡死ぬ寸前までボコられたいんだよぉ……♡…オマエのバケモノチンポのせいで気づいちまったんだぞ…?♡」

 青年は瞠目してあれこれと考えると、胃を決したように言う。

「…寸前までだからな。気が変わって嫌になったら…そうだな、"ストップ"って言うんだぞ」

「わかった♡わかったから早くッ♡」

 ケントレギナは顔を上に向けて首を差し出す。青年はタブレットの表示するバイタル等のデータを注視しながら指で形作った輪を彼女の首にかけ、ゆっくりと絞めつけはじめた。

「ぎっ♡ぐぐぅっ♡♡ぶぐ……♡♡♡」

 絞めれば絞めるほどにケントレギナの顔色は美しく青ざめながらも恍惚とし、垂らした舌の先からは涎が滴る。視界はちかちかと明滅し、痺れるような刺激が体に走る。

 その苦しみにより脳内物質の分泌がさらに加速し、性感をますます強めていく。

 そうして感じれば感じるほど膣は青年の竿を執拗に締めつける。

 締めつければ締めつけるほど膣はこじ開けられる。

 こじ開けられればこじ開けられるほどに膣は痛みに悦び、脳内物質の分泌を促進する。暴力的なまでの快感の止まることない連鎖だった。

「がっ…かひゅっ……♡あぁ、キマるッ…♡」

 計器に表示された脳のステータスが酸欠によるダメージを示し始める。

(…流石に不味いか!)

青年は慌てて手を放しかける。しかし次の瞬間、ステータスは凄まじい勢いで元通りに回復していく。恐ろしいことに、ダメージを受けたそばから即座に脳細胞が再生しているようだった。

(なんという…!)

目の前で繰り広げられる未知の光景に青年の心はこの上なく高揚していた。

「あ゛あ゛ッ…♡トぶ……♡トぶぅぅ…♡」

 ケントレギナはうわごとのように呟きながら再び絶頂に達する。

 青年はケントレギナの首から手を放すと、代わりにその細い腰をがっちりと掴む。

「ぷはぁっ♡♡ヤバ…かったぁ…ッ♡♡」

 そう言って余韻に浸りかけたその膣を、青年は勢い良く突き上げた。

「お゛ッ⁈♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 思わぬ刺激にケントレギナは目を白黒させる。グラフの数値が再び上昇を始め、同時に顔に引き攣ったような笑みが戻る。

 その笑みを青年の激しい腰使いが消し飛ばす。上下に動いては子宮を嬲り、左右に動いては膣をこじ開け、前後に動いてはGスポを抉る。

「うあ゛ッ♡♡あ゛っあ゛ッあ゛あぁぁぁーーーーッ♡♡♡♡♡♡♡いぎぃぃぃぃぃぃぃあッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 快感と脳内麻薬放出のループがもはや止まるところを知らず、青年が刺激を与えるたびにケントレギナの脳は無限の快楽に蕩かされていく。喘ぎ声は段々高く余裕ないものになっていき、金切り声にも似た響きへと変わっていく。

 涙を溢れさせ、食いしばった口元からは軽く泡を吹き始めている。

 青年はケントレギナの豊かな乳房を鷲掴みにし握りつぶす勢いで揉みしだき、乳首をぐりぐりと押し潰しながら捻る。その手つきの荒々しさは白い皮膚に痕が残ってしまうほどだ。

「ああ゛っ胸ぇっ♡♡♡痛いのイイ♡いっだいのにがんじるぅぅ♡♡♡♡♡♡♡」

「死ぬ寸前ギリギリまで行くからな!止める合図は覚えてるよな⁈」

「あ゛あぁぁッ覚えてるっ♡まだ言わないからっもっとしてぇっ♡もっとアタシをボコボコにしてくれぇぇぇぇっ♡♡♡♡♡」

 心音が速まるのに着いていくように膣の収縮のペースも上昇していく。激しく痙攣し、片時も休まず青年のチンポに吸い付き続ける。

「死ぬっ♡死ぬっ死ぬぅっ♡殺される♡チンポに殺されるっハメ殺される♡孕ませながら殺される♡♡♡♡イき狂い殺されるっ♡♡♡♡♡」

 青年は親指でクリトリスを押し潰し、ケントレギナに更なる追い討ちを仕掛けていく。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁーーーっ♡♡ヤバいヤバいヤバいッ♡♡♡♡♡♡気持ちよすぎて死ぬッ♡♡♡♡♡痛いの気持ちよすぎてイき狂うぅッ♡♡良すぎて脳ミソぶっ壊れてただの雌トカゲになるぅぅぅッッ♡♡♡♡♡♡♡」

 ポルチオを、Gスポを、陰核を、乳首を。画面の中の数字が示す通りに、その時最も刺激を欲しがっている性感帯に対して順繰り順繰りに、過剰なまでの刺激を加えていく。

「まだ欲しいか⁈ここはどうだ⁈」

「あ゛ぁぁぁぁ♡もっとぉッ♡もっとぉぉぉ♡そこ好きっ♡好き好き好き好きぃぃぃ♡♡♡」

 ケントレギナが感じるたびに締まって狭まって行く膣内を青年の肉鉾はごりごりごりと行き来して抉っていく。その過程で青年の方も段々と高まっていき…。

「出すぞ!しっかり噛みしめろ…!」

 その言葉と共に先端を子宮口に押し付け、一挙に解き放つ。

「おっ♡お゛お゛お゛お゛ぉぉぉっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 人間の声として音写できないような壮絶なイき声を上げ、ケントレギナの身体が糸が切れたように青年の上に倒れ込んだ。合わせた胸からばぐばぐばぐばぐ、と心臓の音が伝わってくる。

「あぅ♡あ゛ーーーーーっ……♡♡♡♡しゅろっ…しゅろっぷぅぅ………♡♡」

 にへら、と満足そうな笑顔を作ってケントレギナは気を失った。

 青年は彼女の頭をそっと撫でながらふと思いつく。

(「ディノサウロイド」では分類として大雑把すぎるな。命名しよう…この娘の種族名は……)

タブレットの表示する鎮痛物質の一種に偶然目が止まった。青年は名案が浮かんだという顔をする。

(この物質の名と恐竜を掛けて…うん、「ダイノルフィア」)

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浴場で青年に背中を流してもらいながらケントレギナはばつが悪そうに言う。

「その…ゴメンな。あんなことに付き合わせちまって……。でもオマエも悪いんだからな?オマエのがあんなに気持ちいいから……」

 言い終えるともじもじと腿を擦り合わせはじめる。視線がゆっくりと青年の股間へと向かって行く。

「……なぁ。サンプルは多い方がいいよな?」

 そう言ってちろりと舌を出す。

「…………オマエのガキなら産んでやってもいいぜ?何匹でも。親父……いや、"パパ"♡……なんてな♡」


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