タイプ・イトカワ
真 名:タイプ・イトカワ
クラス:フォーリナー
性 別:女性
身 長:156㎝
体 重:49㎏
好きなもの:はやぶさ、自分の名前
苦手なもの:別れ、孤独
出 典:史実
地 域:■■■■
属 性:中立・善・星
一人称:私
二人称:あなた
三人称:○○さん/あの人(はやぶさ)
概要
プラズマを思わせる青や白、黄色の入り混じった髪に、エメラルドグリーンの瞳を持つ少女。近未来的なアーマーを思わせる上半身に対して、腰から下は破損した機械のパーツを足の形につなぎ合わせたかのような出で立ちをしている。
その弾けた外観とは裏腹に、物腰が柔らかく淑やかさを感じる性格。誰にでも丁寧な口調で接し、悪逆を良しとしない良識を持ち合わせているが、色の名称を青、金、銀、黒、灰しか知らないなど世間知らずでどこかズレている一面も。料理や音楽などあらゆる物事に興味を持ち、大抵は苦も無く習得するが、時折予想外のポカをやらかす。
真名
太陽系に属する地球近傍小惑星『イトカワ』そのものにして、原初の一(アルテミット・ワン)と呼称される星の代弁者。その性質上本来は人類史に刻まれるものではなく、地球そのものの要請を受けねば降り立つはずのない規格外の存在“だったもの”。
小惑星イトカワは万年単位で徐々に風化しており、10億年後には完全に消滅するとされている。英雄としての死期もその辺りが該当するのだろう。
成り立ちからして人間とは別物のため、通常なら人間性など欠片も持ち合わせていないはずの最強種。ところが、どういうわけか人間らしい人格を習得し、あろうことか英霊召喚に応じてしまっている。
イトカワを構成していた一部分である微粒子が地球に持ち込まれているため、一応人類史に関連している生命体、ひいては英霊と言えなくもないような気がしなくもないが…
その言動から、人理に刻まれたサーヴァントとしての召喚ではなく人理焼却/白紙化の影響を受けていない領域(それこそ小惑星イトカワ)から何らかの方法によって干渉している可能性が示唆されている。
宇宙を漂うそれのもとに、あるとき一羽の隼が現れた。
傷だらけで尚も飛び立とうとする小さな来客に、興味が湧いて。
過ごした時間はそれからすれば一瞬にも満たない僅かなもの。しかし、機械の鳥との対話は星の端末にあるまじき感情をもたらした。
やがて飛び立つ時が来て、隼は最後に口づけをしていった。その姿がまるでこれから死にに行くようで、でも引き留められなくて。だから、せめて自分の一部を持たせることにした。今にも折れそうな身体には欠片でも重いだろうから、ほんの僅か、少しだけ。
どうか無事に、彼の言う「青い星」に帰れますように。そう願いながら、灰色の大地に残ったものを読み続けた。ヒトの名前。ひとの思い。人の記憶。何度も、何度も。そうして彼女がその感情を理解した頃、隼は還った。
小惑星探査機はやぶさは確かに、小惑星イトカワ、その一部を地球に持ち帰って見せた。しかし、彼が遺したものはそれだけではない。
……彼女は、愛を知った。
ステータス
筋力:B
耐久:EX
敏捷:C+
魔力:A
幸運:A
宝具:EX
アルテミット・ワンだけあって、ステータスは全体的に高水準。
イトカワは瓦礫を寄せ集めたような構造の「ラブルパイル天体」であるため、衝撃に対して規格外の耐性を誇る。
保有スキル
領域外の生命(EX)
フォーリナーのクラス特性。外なる神々の降臨者たるフォーリナーではなく、「遠宇宙より来訪した別天体の生命体」として同クラスへの適性を獲得した。
対魔力(EX)
タイプ・イトカワは地球の法則の外にある存在であり、またその来歴から神秘・信仰の対局に位置する「無知」である。その為タイプ・イトカワは、魔術基盤を必要とするあらゆる魔術の干渉を受け付けない。
単独行動(A)
マスターからの魔力供給を断ってもしばらく行動できる能力だが、そもそもが純粋なサーヴァントではないので詳細は異なると思われる。
原初の一(-)
地球に招かれしアルテミット・ワンとして地球のバックアップを受けるスキルらしいのだが、彼女は招かれざる来訪者であるため現状行使できない模様。一応、地球規模の非常事態において地球がSOSを出せば限定的に使用できるとのこと。
ランデブー(A)
戦闘中の特殊な機動。相手の速度と同等になるよう加減速を行い、接触しないギリギリまでの接近を可能にする。追跡や回避行動に使用する。彼女はどちらかと言えばされた側だが…
惑星権限(C)
星の触覚としての機能の行使。権能に等しい惑星レベルでのルール改変。地球の重力を振り切るのに第二宇宙速度を要するのに対し、イトカワにおける脱出速度はその五万六千分の一である。タイプ・イトカワはこの概念を適用し、自身にかかるあらゆる負荷の大半を軽減。同時に、地球環境において五万六千倍もの超加速を可能とする。
本来この能力の使用法は多岐に渡るが、諸々の都合で限定使用に留まっている。
女神の神核(偽)(B)
生まれながらにして完成した女神であることを現す、神性スキルを含む複合スキル、の模倣。タイプ・イトカワと彼に縁深い、芸術や音楽を司る女神「ムーサ」を由来とするもので、精神と肉体の絶対性を維持する効果を有するほか芸術全般に高い才能を有する。愛と絆の証として、半ば無理やり習得した。
宝具
浸食結界・星現海域(しんしょくけっかい・アンリアリティ・ミューゼス)
ランク:EX
種別:????
レンジ:30~40
最大補足:100人
タイプ・イトカワによる現実世界の改ざん。地球への侵略。正確には宝具ですらない何か。いかに人の情動を学び、人間に近い容姿を取ろうとも、彼女は一つの惑星における最強種。規模は太陽系に連なる惑星のそれに劣るものの、その気になれば英霊さえ歯牙にかけぬ戦闘力を発揮する。この宝具はその特殊能力の一端であり、発動すれば周囲を彼女の領域に変貌させる。
漂う砂礫、微弱な重力、漆黒に染まる空。青い海の惑星は灰色に乾き果て、ミューゼスの海が顕現する。
領域内は地球の理から外れている為、宇宙にゆかりの無いもの、地球に由来するものは大幅な弱体化を受けることとなる。更に、これは物理的な要因だがイトカワの重力は相当弱い。具体例を挙げると、その場で少し飛び跳ねようものならば宇宙空間に飛び出し、二度と帰って来られなくなる。この空間で戦闘を繰り広げることは困難であり、イトカワに常に有利を取られる。制限を免れるのはこの星の機能を行使するタイプ・イトカワ本人と、その星に降り立った事のあるモノのみである。
───貴方は何か。
其は云う。其は隼であると。
───己は何か。
其は云う。己は糸川であると。
───貴方は何故此処に来たのか。
其は云う。まさしく、顔も知らぬ己を目指して飛んできたのだと。
───貴方は何処から来たのか。
其は云う。其処は地球という、青い星であると。
───青とはどんな色か。
そこで初めて、其は狼狽して見せた。其には灰色しか見えぬという。少しばかり思案して、其の、羽根の色であると答えた。
ニンゲンが、我が翼をそう云うのを聞いたと。
───ニンゲンとは何か。
其は、丁度良いものがあると、見慣れた色の球を指して云った。
その中には、沢山のニンゲンの情報が詰まっているという。
───私は、貴方を。