ゾロ×ナミ②
※Dom/Subユニバース
※ルフィ×ゾロ×ナミ前提
※ワンピース世界にDom/Subのダイナミクスがある
※ほとんどの人がNeutralで、世界人口の約70%くらい
※SwitchもDom寄りとかSub寄り、どちらにも寄ってない人もいる
※覇王色の覇気の素質ある人でダイナミクスの人は、Dom、もしくはDom寄りのSwitchが多い
※ルフィはDom、ゾロは本物のDomにしか見えないDom寄りSwitch、ナミはSub…麦わらの一味の他の仲間はNeutral
※劣情参照
「なぁ、ナミ」
お風呂からあがって、スキンケアをしている時に、ふらりと近付いて来たゾロに声を掛けられた。
「なぁに?」
区切りが良い所でもあったから、手を止めてゾロに向き直る。
「…それ、おれにやらせてくれねぇか?」
「?…それって、スキンケアとかの事?」
一瞬、何を言われてるのか分からなかったけど…ゾロの視線の先には、ヘアオイルや、化粧水とか保湿液とかがあって。
「あぁ。その、手のやつだけでも、良いからよ」
聞いてみれば、ゾロは頷いて。
丁度、ゾロが来る直前に塗ろうと思っていて…机の上に戻したハンドクリームを指差される。
…ハンドクリーム塗るくらいなら、ゾロでも出来る…かしら?
「…まぁ、手くらいなら良いわよ。…そうね…Playで、する?」
「おぅ」
「ナミ、“Come”…“Kneel”」
ゾロの側へと寄ればクッションが置いてあって…絨毯の敷いてある床に座ろうとしたら、身体はクッションに座っていた。
もしかして、最初からクッションに座らせるつもりでCommandを言っていたの?
「“Good”……“Right”、“Stay”」
差し出されていたゾロの手に右手を重ねる。
やっぱり、ゾロの手って、大きいのよね…それに、刀を使ってるからかしら、掌が硬めだし。
ふと、そんな事を考えて…。
「…んっ」
いつもと同じハンドクリームなのに少し冷たく感じたから、思わず声が出ちゃって。
「どうした?」
直ぐに、そんな風に聞かれる。
「何でも、無いわ…」
「ナミ、“Speak”」
何でも無いと否定しても、ゾロはCommandまで使って聞いてくれる。
「…その…ただ、ちょっと冷たかったのよ。続けて大丈夫」
ゾロが口にするCommandは、柔らかくて、優しくて…甘い声音だから…自然とCommandに従っちゃう。
「そうか?…“Good”、分かった」
手に馴染ませるようにハンドクリームを塗りながら、ゾロは私の手をマッサージしてくれて。
どうして冷たく感じたのかって、考えてたけど…理由が分かった。
ゾロの手が、温かいから…冷たく感じたのね。
それに、凄く丁寧に…手首から指先までマッサージしてくれて…。
「“Good”…“Left”、“Stay”」
右手が終わったから、次は左手。
さっきと同じように、ハンドクリームが冷たく感じるわよね…そう、思ってたんだけど。
今度は冷たく無かった。
あぁ…温めてから、使ってくれたのね。
「…ナミの、手は…」
「え?」
「ナミの手は、綺麗だな」
「ちょっ!?」
そうだった!!
ゾロは、褒め殺す勢いで、褒めてくるPlayをするんだった。
ハンドケアだけだって、思い込んで…油断してた。
「荒れなんて、無くて…いつも、手入れ出来てる、手だ」
褒められて頬が赤くなるけど“Stay”って言われてるから、動けない、し…ゾロが、優しい眼差しをしてくれてるから、動きたくない。
それに、褒めながらマッサージしてくれてて…。
「爪も、整えてあって…今日は落としてあるけど、いつもは爪紅も塗っていて」
指のマッサージをしながら言われれば、指先まで見ていてくれてたのかって、驚いたけど…嬉しい方が勝っていて。
「…あぁ、でも…爪紅を塗らなくても、桜貝みたいで…このままでも、綺麗だ」
頬だけじゃ無くて、耳まで赤くなってる気がする。
「“Goodgirl”…手入れさせてくれて、嬉しかった」
あんたがダイナミクス由来の体調不良になったり、私がSubdropしたりしない為…なんて、頭の中で言い訳してたけど。
「ハンドクリーム、塗るくらい、なら…また、してくれても…その」
口から出たのは、そんな言葉で…。
「次は、髪とかの手入れも、させて欲しい…なぁ、ナミ、“Please”」
言葉と一緒に優しく笑って、マッサージが終わった私の掌に、軽く触れるだけの、キスをされて…。
「ぇ……はぅ…」
恥ずかしさと嬉しさと…Commandを使ったお願いで、許容範囲をこえて……また、Subspaceに入っちゃって。
「…もぅ!!」
Subspaceから戻ったら、余計に恥ずかしくなっちゃって。
1人にしてもらってから、クッションに八つ当たりしようとして…。
ハンドクリームを塗ってもらった手が視界に入った。
「…あいつ、凄く丁寧に、ハンドケア…してくれたんだ」
爪の先まで綺麗になってて…私が自分でするより、時間をかけてくれてた。
私が、ダイナミクスの中でも、Subだって判明したのは…アーロン一味の所でだった。
最悪な事に、アーロンはDomで。
痛かったり苦しかったりは嫌だったのに、そんなPlayしか出来なくて…時々、Subdropしちゃうし…機嫌を損ねても、Glareを放たれて、Careされない…なんて、事もあった。
泥棒猫なんて呼ばれ始めても、支配したい、躾やお仕置きしたいって言うDomばっかりで…DomやSub専門のお店なんかもあるけど、そういう所も好きじゃ無かった。
だって、Sub相手だと見下すような奴もいたし、最低な相手だと、Safewordを決めないでPlayを始めようとするDomもいたりした。
だから…ゾロは今まで関わった、PlayしたDomの中では、珍しく優しい相手で。
もし、Collarをくれて…Partnerとして一緒にいられるなら。
軽く触れるだけのキスをされた掌に、自分の唇を重ねる。
「っ…ゾロが、〝私のDom〟だったら、良いのに」
凄く、大切にしてくれるだろうから…そうだったら、幸せなんだろうな…。
1人だから、零れた本音だった。
「…ッ…」
声が聞こえないように、手で口を塞いだ。
多分、ナミは聞かれたく、無いだろう…と、思うからだ。
足音をたてないように、そっとPlay用の部屋の扉から離れて、甲板に出る。
「…〝私のDom〟…か」
晴天の星空を見上げながら、呟く。
おれは、Switchで…ずっと、Domでいられる訳じゃねぇし、本当に、良いんだろうか…と、考える。
でも…。
「…あの、首に…おれが選んだ、Collarを、着けて欲しい…なんて…」
無骨な首輪じゃ無くて、アクセサリーみたいなCollarが良い…そっちの方が、ナミに似合う。
おれが選んだCollarを、おれの手で着けたい。
おれだけが、真綿で包むように守って、甘やかしてやりたい。
おれ以外のDomやSwitchと、Playしないでほしい。
…他のDomに、奪われたく無い。
ナミは、〝おれのSub〟だ。
そう思う、Domとしてのおれがいて…。
「…あー、くそっ…ルフィに負けず劣らず、おれも独占欲が、強いな…」