ゾロアとカキスグ
カキスグって表記したけどほぼゾロスグになっちゃって申し訳ない
ハルトから託された珍しいポケモンことゾロア、否、通常とはまた違ったその子はヒスイゾロアと呼ばれていた。
最初こそびくびくおどおどしていたもののたくさんたくさん可愛がって四六時中一緒にいれば慣れてくれたのだろう素直に甘えてじゃれついてくれる様になった。
どうにもイタズラ好きでやんちゃな性格だったらしく私物を隠して遊んだり、勉強していれば机の上を陣取り構えと言わんばかりに見上げてきたりと、それだけなら、それだけなら良かった。
ゾロアの能力である変身能力を使ってタロに化けてシャワー中に抱きついて来た時は心臓が止まるかと思う程に驚いたしまた別の日の深夜にはネリネに化けて懐中電灯で不気味に照らした顔をこちらに向けていて見た瞬間すうっと気を失った事だってあった。
叱ろうとはしたものの、あのふわふわの毛並みをしょんぼりと萎ませてうるうるとこちらを見上げられては強くは言えずに「次やっちゃ駄目だからな!」としか言えなかった自分を、何も言わずにカミツオロチはじっとりと見詰めていたっけ。
きっとあの時のカミツオロチは全員同じ事を考えていたんだと思う。
『ちゃんと叱れ』心を一つにしてそう思っていたに違いない。
何故そんな事を思い出しているのかと言われればまさに今、ちゃんと叱らなかった事を後悔している真っ只中だから。
「ゾロア…いいこ…いいこだから…はなして…!」
必死に訴えるも当のゾロアは全く聞いてくれないどころか楽しそうにニコニコと笑顔を向けるだけである。
授業の遅れを取り戻すべく構えと足元にすり寄ってくるゾロアを無視して勉強に集中してしまったのが不味かった。机の上によじ登るゾロアを床に戻し、また登ってくるゾロアを床に戻してを何度か繰り返したところで埒が明かないとボールに戻そうとしたのも不味かった。構ってくれない苛立ちからか、変身したゾロアはぺちりとボールを叩き落とし、スグリをベッドに投げた。
よりによってカキツバタに変身したゾロアにのし掛かられて全身隈無く擽られて息も絶え絶えにスグリは必死にゾロアを宥めて何とか逃げ出そうと身を捩る。
その動きが気に入らなかったのかゾロアはスグリの両足首を掴むと片足をスグリの股関に入れた。
「え…!?」
カキツバタの姿をしたゾロアを見上げた時には、ぐいぐいと股関を踏みつけられて。あまりの痛みについ悲鳴を上げてしまう。
痛そうな声に不味いと感じたのか焦った表情を浮かべたゾロアが手を離してこちらを見ていた。
やっと解放して貰えたと安堵したのも束の間、他意も下心も一切無く、怪我をした子供に親がする様に、踏みつけた股関を心配そうにゆるゆるとゾロアが撫でた。
「ひぅ…!」
痛みの後の甘い刺激に、何よりカキツバタの姿での愛撫に嫌でも身体が反応してしまう。
その反応が面白かったのか、先程の表情から一転、ゾロアはにやりと笑うと強弱を付けて股関を撫で始めた。
「ゾロア!ゾロア…!だめ…!だめ…ぇ…♡」
柔く柔く撫でられたかと思えば少し強く揉まれ、徐々に硬く立ち上がるソレの感触が面白いのかもにもにと揉んだりピン、と張っている頂点をぐりぐりと指で押して遊ぶゾロアにスグリはただただ甘い声で喘ぐ事しか出来なかった。
「ぞろあ…っ♡だめ♡いいこだからぁ…♡」
いやいやと頭を振っても止めてはくれない。じわじわと下着が濡れていくのが分かる。
これは駄目だ。自分の手持ちポケモンに絶頂させられるなんて絶対に、絶対に駄目だ。
「あっ♡ゾロア!ゾロアだめ…ぇ!!!♡♡」
だめ押しと言わんばかりに張りつめたモノを虐められて思いっきり背を仰け反らせて絶頂してしまう。
ふぅふぅと息を吐きながらちらりとゾロアを見れば少し驚いた様な、困惑した顔でこちらを見ていた。
最悪だ。
ポケモンに絶頂させられて、ポケモンに引かれて。
惨めで惨めで涙が出そうだったがとりあえず濡れた下着が不快で着替えよう、と起き上がった視界の先に、カキツバタがいた。
「えっ…?」
ゾロアが化けたカキツバタとカキツバタ。
つまり、本物のカキツバタが、いる。
「な…何、で…!?」
「…ノックはしたんだがねぃ」
真意の見えない金色の双眸に見据えられ動けずにいるスグリの頬をカキツバタは撫でた。
「いやぁ、オイラに化けさせたゾロアにエロい事させてイっちゃうなんて元チャンピオン様はとんだ淫乱でやんすねぇ」
「ちが…!」
「スグリ」
カキツバタの冷たい声に捉えられびくりとスグリは固まってしまった。
「ちょうどいいや。ゾロア、お前さんスグリともっともぉっと遊びたいだろぃ?」
遊ぶ、という単語にゾロアは目を輝かせる。
それを見たカキツバタの口角が上がるのを見たスグリはもう逃げられないと悟り俯く事しか出来なかった。