センシティブSS
〜監獄内〜
廊下の窓に面したベッドを軋ませながら、凪誠士郎が激しく御影玲王の上で腰を振っていた
「あっ、アッ」
「ねぇ、静かにしてって」
「だって…もっ、むりッ」
いよいよ脚を高くあげて深い場所に打ち付けるように腰を動かすと、玲王の嬌声は止まらなくなる
「あっ、も、やっ、やだっ…!」
「……やだ?」
「え?」
「やめていーの?」
「…ッ」
腰の動きを止め、少し間を開けた凪が玲王に聞いてくる
嫌なんて言うわけないのに
最後の決定権を自分に委ねようとしてくる凪と、その余裕を玲王は恨めしく思った
「…いーよ。シて」
その声を聞いた凪は黙ったまま玲王の上に覆い被さる
折り畳まれた脚が悲鳴をあげそうになるが、今は中にある凪の存在が玲王を追い詰めて制止の声をあげることも叶わず、口から出るのはただ揺すられるままに飛び出すあられもない音だった
「ンッ、あっ、アッ、なぎっ!」
暗い室内で、逆光になった凪の表情は見えない
先程までは声を出すなと言っていたのに、今は口を塞いでいたその手は玲王の手首を掴み、玲王は自身の手ですら口元を塞げなくされていた
「ぁっ、レオ…いくっ」
「ふっ、んぁッ…!」
二人が果てた後、窓際に都合良くあったティッシュで身体を拭いていると、ガタガタッ、と窓越しに誰かの気配がした
「…は?ここ、もしかしてめっちゃ外から聞かれるとこ?」
凪がなだれ込むようにして連れて来た場所だったので分からなかったが、てっきり奥まった人気のない通路に面した部屋の窓かと思っていたのに、誰でも通る可能性のある通路に面した窓だったことに気付いた玲王が青ざめる
「うん、だから静かにしてって言ったじゃん」
まるで悪びれる様子もなく、丸めたティッシュをゴミ箱に捨てた凪がベッドから立ち上がり、ジャージを履いて部屋から出て行こうとする
「(こうやってみんなに聞かせたら、もう誰もレオのこと奪らないでしょ)」
-fin-