セプテム・フォークス
ブレイズくんの姉(顕微鏡♀)経緯
天冠の山麓にて、ギンガ団のショウが時空の歪みという現象が発生するのを待っていた。
この現象は山頂の裂け目が塞がっても未だ終わることはなく、むしろ発生する道具やポケモンに変化がみられることが分かり、更なる調査が必要だという判断がされたのだった。
ショウが草むらに潜みつつ道具の回収やポケモンの捕獲をしていると背後の沼から気配を感じた。ポケモンが現れたのかと思い振り返ると、泥の中から6尺はあるであろう影がぬらりと立ち上がった
「きゃあああああ!?」
「ヴェアアアアァ!?」
叫び声に驚いたショウは草むらから飛び出して走った。そして滝の前の古びた石橋の前まで来ると、長身のコンゴウ団員の姿が見えたので助けを求めた。
「ツバキさーん!たすけてくださーい!なんか、なんか怖いのが!」
「なんか怖いの?あれが?」ツバキが怪訝そうな顔で指さす方向を改めて見ると、泥にまみれた人間がふらつきながらすぐそばの滝壺に落下していた。
焦った二人はそれぞれポケモンを呼び出しつつ、その人間を救助した。
ずぶぬれの人間の顔には酷く爛れた傷があり、あまり見かけない薄手の服と長い白衣を着ていた。
「ここ、どこ?私、イッシュいた」その人物は初めは異国の言葉を使っていたが、伝わらないと分かると片言ながらわかる言葉で質問してきた。
「ここは天冠の山麓。我らがキング、マルマインがいる場所であり、先日ついにシンオウ様改め、ディアルガ様が降臨なされた場所さ!」
ツバキが気取ったふうにそう言うと
「テンガン、シンオウ、どうして」と異国の人間は困惑を露わにした。
「どうするんだい。ギンガ団が引き取れないって言うのであれば、こちらでしばらく様子を見てあげてもいいけど」
「いえ…わたしが初めに出会ったので、責任をもって保護します。そういえば、お名前を伺ってませんでしたね。」
「私、名前…セプテム、フォークス」
数時間後 ギンガ団本部 調査隊の執務室にて
「なるほど、事情は分かった。明日入団試験を受けてもらう」
「試験、内容は?」
「ポケモンの捕獲だ」
「捕獲、方法は」
「このボールでポケモンを3体…ケムッソ以外を捕まえてくることだ」
「ああ。わかりました、やります」
「…ショウ。時間があるときでいい、彼女を見張れ」
「え、はい、わかりました。その、理由を聞いても?」
「先程、試験の内容を提示した際の反応だ。ブレイズの時と違い、まるで他にも方法があるかのようだった」
「それが、どうして?」
「何かが引っかかる。念には念を、だ」
経緯(現代)
深夜のイッシュ地方17番水道。そこに停泊している、現在は知る人ぞ知る観光地となっている船舶で唯一起きている者がいた。
短くざんばらに切った黒髪と爛れた傷が残る顔の右半分、その中で不気味に光を反射する黄色い右目が特徴的な若い女性が画面に向かいながら情報を入力していた。
彼女は依頼された仕事、艦のシステムチェックの総仕上げにかかっていた。
この船のリーダーは現在遠くの島に出向いており、船のシステムのメンテナンスの多くは比較的技術に詳しい彼女に任されていたためだ。
「どこかに行きたい。もう先に進まないと」
仕事を終えた彼女はぽつりと呟くと部屋の照明を消して甲板に出た。
舳先に登り、その上に立つ。
そして目を閉じると、そのまま倒れるように濃い藍色の海に身を投げた。
基礎設定
顕微鏡くんとほぼ同じ。こっちは身長180㎝くらい。
16歳で大学に入学。
専攻は応用ポケモン科学(応用生物科学の中でも、ポケモンに特化した学問を取り扱っている分野)。
在学中に誘われて行ったプラズマ団の集会で「選ばれた者による世界の救済」という思考に感化され、こっそりと活動を続ける。この間にBW主人公が活躍するも思想変わらず。
大学卒業後、正式に入団。科学者兼捕獲班として頭角を現すも、一年後にBW2主人公によって組織が壊滅してお縄になる。(この一年の間に実験中のミスで失明して右目が上司からテストを兼ねて貰った義眼になる)
国際警察の取り調べを受けるうちに、罪を自覚していき自尊心や自己肯定感をズタズタに破壊される。
プラズマ団での正確な所属はポケモンの兵器転用研究部門。実験内容はポケモンの毒や丈夫な表皮なんかを人間の武器・装備に転用出来るか研究する事。恐らく生体解剖みたいな事は確実にやってるので保護法にも抵触する。
そんな事全般と、してOKだと思ってた自分に罪悪感と自己嫌悪を感じている。
普段は自己破壊と好奇心、自己保存と理性が拮抗してるけどバランスが崩れると実行しそうになる(死んだり目立った傷をつけないのは、周りに必要以上に心配されたり、望んでいない優しい言葉をかけられたりするから)。そして死にたくないって思った事で、更に落ち込む堂々巡りに突入する。
現在は保護観察処分中で、プラズマフリゲートで寝泊まりしながら依頼分析のレポートを書いたり、船内や備品の修繕などをしている。
・他の人との関係性
ゲーチス様:教祖。直接会ったのは数回程度。でも集会や演説はよく見聞きしてた。地雷。
アクロマさん:上司。なんやかんやで気にかけられてた。出張先から仕事メールを送られる位には話せる。
担当警官:細かい所までちゃんと調べないと適切な判断が出来ないぞと、追及しまくって崩壊させた張本人。本人は真面目で悪意はなかった。噛み合わせが悪かった。
ブレイズくん:10歳年下の弟。年が離れすぎてて喧嘩とかしたことがない。勉強を教えたり、ちょっとした工作をしてあげたりした。
画力:中世の銅版画のような絵
気になっている食べ物:羊羹