セカイの理由
新居・麦わらドーム
マスト「よーしセカイ、今夜はここを探検するぞ!」(セカイを抱っこしながら)
セカイ「あい!」(マストに抱っこされながら)
マスト「リリスねーちゃんとアトラスがまだまだ秘密があるって言ってたからなー、ここもなんかあるかもしれねェ」
セカイ「ひみつがあるの?」
マスト「おう! きっとある! おれたちで見つけて、父ちゃんたちを驚かせてやろうぜ!」
セカイ「がんばる! すごく!」
マスト「ししし! 頼りにしてるぞ、セカイ!」
セカイ「あい!」

マスト「つっても、この部屋なんもねーからなー、どうしたもんだか……」
セカイ「にいに」
マスト「おれはともかく、セカイはあんま夜更かしさせちゃダメだしなァ」
セカイ「にいに、にいに」
マスト「そんな短ェ時間でなんか見つけられっかなァ……?」
セカイ「にいに!!」(マストの頬を引っ張る)
マスト「うお!? なんだセカイ、おれは父ちゃんじゃねーから引っ張っても伸びねェぞ?」
セカイ「にいに、あれなに? したのやつ」
マスト「下のやつ……? えーと、どれだ?」
セカイ「あそこの、まんなかの、あそこのやつ。しかくになってるところ、へんでしょ?」
マスト「んー? ……あ、これか。確かに他の床とちょっと違ェし、こっから持ち上がりそうだ。セカイ、ちょっと降ろすぞ」(セカイを降ろす)
セカイ「あい。にいに、なにかある?」
マスト「お、これスイッチか」(押しボタン型スイッチ)
セカイ「すいっち?」
マスト「すっげェなセカイ! これ多分この部屋の秘密だぞ! にっしっし、きっとおれたちが最初に見つけたやつだ!」
セカイ「いちばんのり!」
マスト「そうだ一番乗りだ! よーしセカイ、気合入れろ! スイッチ押すぞ!」
セカイ「すいっちおん!」
マスト「おう! スイッチオン!」ポチッ
マスト「……」
セカイ「……」
マスト「……なんも起きねェ」

セカイ「なんもねェ」
マスト「なんだよー、つまんねェなー」
セカイ「つまんねー」(ごろんと仰向けに転がる)
マスト「な? しょうがねェ、今日はもう寝るか。セカイ、今日は誰と寝るんだ? たまにはおれと寝るか?」
セカイ「……」
マスト「セカイ? もう寝ちまったか?」(セカイを抱き上げながら)
セカイ「にいに! おそら!」
マスト「空? 天井があるだけじゃ……ってなんじゃこりゃー!?」

マスト「うおー!!! すっげェーーーー!!!」
セカイ「きれい……!!!」
マスト「はー……すげェな、ホント。屋根のドームがそのまんま望遠鏡みてェになってんのかな? あれ、でも雲とかはどうなってんだ?」
セカイ「にいに、おそらはなんであんなにきれいなの?」
マスト「何でってそりゃあ……なんでだろうな? わかんねェから後でベガパンクに聞きに行くか!」
セカイ「いく!」
マスト「ししし! よし、じゃあもう寝る時間だ。今日はここまでにして、明日またみんなで見に来よう! きっと驚くぞ~。特に姉ちゃんなんかアホの顔するかもしんねェ。楽しみだな!」
セカイ「たのしみだなー」
マスト「それにしてもセカイよくスイッチの場所わかったな?」
セカイ「なんかね『コエ』がきこえたの」
マスト「声? ――」
セカイ「それでね――」
マスト「――」
セカイ「――」