ス〒フ~←アッフンゴ
業ス〒ゴ産駒7歳重賞のふたり
鼻の穴が小さいやつはやっぱり何も知らない
片想い
閲覧注意
ワ
ン
ク
ッ
シ
ョ
ン
時系列はステフ引退前のどっかです()
*
「父ちゃん♡部屋貸して♡」
「あ?」
夜も更けた頃。ステイゴールドの経営するラブホテルに、およそ性行為前とは思えない雰囲気で、アフリカンゴールドとステイフーリッシュが駆け込んできた。
もう寝る寸前の眼でステイフーリッシュはステイゴールドに告げる。
「父さん、終電逃したから部屋を貸してほしい」
どうやらステイゴールド自慢の馬鹿息子二人は遊びすぎて終電を逃したらしかった。
「走って帰れるだろ」という言葉は寸前で飲み込まれ、受付の奥から部屋のメニュー表がアフリカンゴールドに投げられた。
「料金は先払いだぞ」
「わーい!」
野郎二人が夜を明かすのには少し豪華な部屋の写真にアフリカンゴールドの骨ばった指が置かれる。「空いてる」とステイゴールドがぶっきらぼうに言えば、トレーの上に料金より少し多めにお札が載せられた。
ステイゴールドの口からため息が漏れる。
なかなかどうして、世間ではおじさん扱いされるアフリカンゴールドも一族の中では末の子。の癖に甘えるのが上手ではなかった。遠慮がちな笑みに舌打ちして、ステイゴールドは数枚だけ札を抜き取った。
「商売あがったりだ」
「…いいの?」
「いいんだよ、どうせ寝るだけなら清掃代も嵩まねえし」
「…ありがとう。あ!父ちゃん!そう言えば海外の珍しいタバコお土産に買ってきたんだ!ほら、これーーー」
気を遣われるのは気に喰わないが、珍しい上に美味しい煙草を貰えるのはやぶさかではない。ステイゴールドはぶっきらぼうな態度から相好を崩す。
アフリカンゴールドがニコニコしながら鞄から小さな紙箱を取り出しーー
"極薄!0.01mm!"
しばし、二人の間の時間が止まった。
ゆっくりと紙箱が鞄に戻される。
完全に顔色も表情も失いながらもアフリカンゴールドはどうにか声を絞り出した。
「間違えちゃった★」
ーー俺の息子は馬鹿なのか?
頭を抱えるステイゴールドをよそに、鞄から別の紙箱ーー今度はしっかりと煙草の箱が取り出され、トレーに置かれた。
ステイゴールドは、思わずステイフーリッシュの様子を窺った。寝ぼけているのかロビーのクッションに頭を突っ込んでいる。
ーーどうやら俺の息子"たち"は馬鹿だ…。
だが、いくら馬鹿でも守らなければならない線引きはある。
「おい。同意してるのか。」
しばしの沈黙。
「……………………まだです。」
弱々しい声が零れた。
置かれた煙草と、アフリカンゴールド、ステイフーリッシュを順番に見つめ、ステイゴールドはまたため息を吐いた。
「鍵は渡してやる。……わかってるな?」
言葉の代わりに、小さな頷きが返った。
*
翌朝。ステイゴールドが仮眠を取っている間に二人は退出したらしい。
半ば期待、半ばやるせない矛盾した気持ちを抱えてステイゴールドは部屋に清掃に向かう。
デカいダブルベッドには一人分のシーツのシワが。部屋の隅にあるソファには丁寧に畳まれた毛布が置かれていた。
「アイツ…ヘタレだな」
もちろんゴミ箱は空だった。
*
「あ"ーーーよく寝た。やっぱ高いところのベッドは寝心地いいな」
「うん…せやな…」
「うわ~アフゴすごいクマある。どうしたの?」
「お、ファンロンじゃん。コイツ枕変わると眠れないタイプらしくって」
「うん…………」
「また行きてえな」
「????」
余談だが、アフゴはファンロンがバイトしている日以外を狙ってラブホテルに行ったので、やっぱりファンロンは何も知らないままだった。