スレミオ幼馴染2 あなたの知らない物語(捏造注意)

スレミオ幼馴染2 あなたの知らない物語(捏造注意)


その姿は目に焼き付いている。

その声は耳の奥にいまでもこだましている。

その手の感触を思い出しては、遠い約束が私を勇気づける。

「さよなら」ではなく「またね」と言ったあなた。

そんなあなたが、いま目の前にいる。


「聞いてますかミオリネさん?」

「はいはい、またいつもの『ミーくん』でしょ。ホンっと飽きないわね」

「そ、それほどでもぉ…」

「褒めてない」


「あぁ、その『ミーくん』って私よ」、と言ったらどんな顔をするだろうか。

驚く? 喜ぶ? アンタのことだから泣いてしまうかもね。

良いの。こっちは怒られる覚悟だってしてるから。


「言ってしまおう」とミーくんは言う。


彼女の好意は過去の私に向いている。

今の私は、過去のあなたも今のアンタも好きだというのに。

だからその捻れは解かなきゃいけない。

時間の長さは問題じゃない。

ただ一言「そうだ」と言ってしまえば、きっとあの頃のように戻れるはず。


「ダメ」とミオリネ・レンブランが言う。


私を取り巻く環境はあの頃ほど比べ物にならないほど重く、複雑になっている。

巻き込みたくない。

ただでさえ、こんな厄介なところまで連れてきてしまっているのだから。

「今度は自分が守ってあげる」と確かに約束した。

でも今は、私の存在こそが彼女にとっての最大の危機だ。

そんな状況で私の正体を知ってしまえば、彼女は決して私を離さないだろう。

きっと、あの頃のように私を助けてくれる。


……そのくらいは信じてもいいよね?


あるいは、私がそう信じていたいだけなのかもしれない。

あの日のあなたが、変わらず私を好きでいてくれることを。


だから、もう少しこのまま――――

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