スレに収められなくてごめん (Cブロック感想)

スレに収められなくてごめん (Cブロック感想)


⑮ドーナツ・ピーナツ「ホステスの面接」

結成9年目で今年初めて知ったコンビ。Bブロックが俺に刺さる強者揃いだった影響か、この2人は敗者復活終了後、見返すまでネタを思い出せなかった(ファンの人ごめん)

内容はオーソドックスなコント漫才だったんだけど、そのコントに入る際の「声出していこー!」「女子バレー部かお前」ってやり取りが個人的に凄く好き

このやり取りからの「強豪校のリベロみたいな髪型しやがって」という王道的な容姿イジリも笑えて良かった。ただ以降の核となるコント部分が残念というか……ボケのママキャラが絶妙にハマらなかったんだよね(これに関しては俺の好み)


「せたらう」を初めとしたホステスママの奇怪な口調がボケなのは理解できるんだけど、それを長々と引っ張る構成になってた故に、好みが大きく別れる芸風だなって見てて思った。テンポもややぎこちなく感じて、全体を通して緊張が伝わってくる

それでもボケが数多く放った”手作りの寿限無”がハマる人は絶対いると思うし、一部の人には刺さる漫才に仕上がってたように思う



⑯きしたかの「学校の先生」

結成11年目で今年初めて知ったコンビ。コンビ名容姿ともに地味で、視聴前の期待は正直かなり薄かった、でも視聴を終えた時、俺はこの2人が強烈に印象深く残った

まず掴みで頭を下げた際の「揺れながら落ちるなよ! 恋心じゃないんだから……」ってツッコミが俺好みで好き。そこから”圧の強すぎるツッコミにボケがビビる”場面を挟み、以降のコント漫才が凄く新鮮で面白いと思ったんだよね


ボケはコントの世界観へハマり込んでるのに、ツッコミがコントの世界へ入らず「お母さんと呼べ!お母さんだろ!!?」と先生役の立場でありながら恐喝するの笑うわ

「アレ? この2人心境ズレてる……?」と視聴者は見てる中で感じ取れるのに、2人は指摘しないまま漫才が進み、その中で心境のズレが明らかになる構成がお見事

”ド迫力なアンジャッシュ風”……とでも言うのかな。第三者から見ると「生徒に"お母さん"と呼ぶことを恐喝してる先生」というとんでもない絵面で展開されてて、これが最高にシュールで見てて楽しかった


ボケ側が始めたコントなのに「なんでお母さんと呼びたいんですか?」って聞きだす流れ笑ったし、そこからの「なんでそれがやりたいんだ!?」って投げやりに叫び出すツッコミ(もはや後半はツッコミじゃない) もGOOD。もっと評価を受けて良いコンビだと思う

残念点が後半流れが読めた故に面白さが失速したのと、ツッコミの叫びが耳障りレベルでうるさかったこと。この2点を改善してすれ違いコントスタイルを磨けば、決勝進出も全然イケる2人だと感じた。ラストイヤーまでどうかあがいて欲しい



⑰シシガシラ「カラオケ」

結成5年目で今年初めて知ったコンビ。そして”今年の敗者復活戦で初めて知った芸人”の中で、とてつもない衝撃を受けた芸人5組目でもある

……いやはや、この漫才を初見で見た衝撃は本当に凄かった。前半に放ったツッコミ1つで観客の脳にイメージを刷り込ませて、以降のボケには”全て無言で表情で魅せる”というね……

客と漫才師の心理が一体にならなきゃできない芸風だし、それをあの場で実行する勇気、爆発させた実力に絶大な感動を覚えたんだ


浜中が曲名を聞く度に「アレ?どんな曲でしたっけ?」と質問し、そこから脇田が熱唱し、直後センスの光る1フレーズ比喩トークを展開する構成はミルクボーイ初見時のような衝撃も走った。アレほど面白かった訳じゃないんだけど、この漫才システムを生み出したその発想力に、只々驚愕した。本当に凄いよこの2人

”あなた”ってワードで髪の毛を表すの天才すぎない?


そして見事シシガシラは敗者復活を勝ち上がり、決勝に進んだ訳なんだけど……決勝ではネタ形式を変えて9位に終わってしまった

反省会&ネクストデイで2人が優勝する為の選択をしたこと、他の組へ気遣いが出来る人の良さを持ってることも分かったんだけど、それでもやっぱり俺としては、六本木であのネタを披露して欲しかった……

決勝ネタがハマらなかったのもあるけど、敗者復活を見ずに決勝見た人に「今年の敗者復活はレベルが低かったんだな」と言われるのが凄く悔しかったから(5chで実際に見た書き込み)

松本へ「ハゲネタで帰ってきますからね!」と敗退際に誓った以上、この2人の今後にも大いに期待したい。マジ頼むよ本当に



⑱ダイタク「親父」

2021年の敗者復活で知ったコンビ……なんだけど、正直2021年のネタは完全に記憶から消えてるから実質今年が初見状態だった。世にも珍しい一卵性双子漫才師ゆえに、個人的にはその要素をプッシュしたネタを見たかったのが本音

でもそれはそれとして、この漫才はかなり面白かった。2人の凄すぎる親父にフォーカスされた純粋な話芸はテンポ良くて聞きやすかったし、親父の自慢をダイが放つ度に「言うな!」と言いつつ、更なる凄みを強調するタクの構成が凄く見てて楽しい


名前と年齢を名乗って”伝家の宝刀”ジェスチャーする掴みも笑えたし、後半では間がタップリ使われてスリルなやり取りを演出してたのもお見事。決して話題性なんかではなく、実力でここまで残ったコンビなんだなって実感できたのが嬉しかった

そんなダイタクはトムブラと同様、来年がラストイヤーらしい。是非とも来年は爪痕を残して貰いたいね (あとダイタクの親父さん全部実話なの凄いなぁ……)



⑲ななまがり「ラブワゴン」

去年の敗者復活で初めて知った超個性派奇抜大喜利漫才コンビ。森下の繰り出す予測不可能なボケワードがマジで面白くて、それに力強く迫真に突っ込む初瀬のツッコミも本当に愉快で、見てて楽しいセンス抜群の漫才を披露してくれる。このネタも例にもれず、頭のおかしい大喜利連打で目茶苦茶面白かった


まず森下演じる奇人が分身するコント初めが凄くワクワクしたし、そこからのパワーワード自己紹介が何度見ても好き↓

「アマチュア宇宙飛行士」「メスゴリラにノーブラだと自覚させるボランティア」「喋るビートバン」「黒部ダムにポカリの粉を一袋入れ、世界一薄いポカリを富山県民に飲ませる活動」等々……。

少し残念だったのが「きたおうじきんこ」の元人物が誰か分からず、このボケだけ一切笑えなかったこと(でもこれは俺の教養不足だから2人に非はない)


そしてななまがり最も印象的なくだりと言ってもいいのが”掴み”。森下が初瀬を下に見てる言動を取ったと思ったら、それ以上の立場に褒め殺す掴みが本当に大好きで、このネタで披露された掴みは本戦含め、今年のM1で一番大好きな掴みだった↓

「僕が、ななまがりのクリスマスで言うところの、サンタの方で……こいつが、キリストです」「ハァァ♰😀♰~」


そんな強烈な印象を残した2人だったけど残念ながら、今年がラストイヤー故に最後までM1決勝に上がることはできなかった。悔しいなぁ……ななまがりの漫才を見て観客がどんな湧き方をするのか、審査員はどんな点数を付けるのか非常に興味深かったから……本当に残念……。またどこかで2人のネタを見たい



⑳バッテリィズ「北海道旅行」

結成6年目で今年初めて知ったコンビ。このネタ自体は正直粗削りな部分が多く間の取り方も随所で雑な部分が見られて、あまりハマる程の面白さじゃなかった

でも俺が良いな!って強烈に思った部分が1つある。それはボケ”エース”の馬鹿を突き詰めた濃密なキャラクター。今までありそうでなかったというか(俺は見た事ない) 新鮮だよね。言い返してくるツッコミ風馬鹿ボケって(以下台詞引用)

「人は朝の5時に起きてない!」「なんで北海道まで行って時計見に行かなあかんねん!」「なんで旅行行って勉強せなあかんねん!」「その辺のトイレ皆ラベンダー畑!」「なんで金払って働かなあかんねん!?」……等々


ツッコミ寺家が旅行のアドバイスを送る度に馬鹿反論する様がなんか可愛らしく面白おかしくて、どこか憎めないというか、たまに核心付いた言葉も吐いて来る読めない言動が凄く見てて楽しかった (元気を貰えるという意味でも大好き)

あと五稜郭のくだり直後に「全部聞き取れたのにぃ…」と頭掻きむしる場面とか、「雪が積もって雪遊びできる」ってそれこそ北海道じゃなくて良い提案で無邪気に喜ぶ場面とか、笑えはしなかったけど発想力に驚かされたやり取りは複数あった

まだ結成6年目だし、今後場数を踏んで間やテンポや構成を磨けばもっともっと面白くなるポテンシャルを俺は感じたんだ。このバカスタイルを突き詰めていつか決勝で見たいと思った。その際のキャッチコピーには是非”バカ”を付けていただきたい



㉑フースーヤ「海賊」

”珍妙奇天烈”摩訶不思議、奇想天外四捨五入、出前迅速落書無用~……みたいなノリの漫才をずッゥと続けてる変人漫才コンビ。俺がこの2人を初めて知ったのはネットのとある動画なんだけど、その際も意味が全く分からず困惑したのを覚えてる

2人の漫才を一言で表すならまさに「珍妙奇天烈」だと俺は考えてる。大学生の文化祭の最終進化系みたいな、トムブラウンの生き別れの親子のような、極めて独自性の高い好みの別れる芸風。とにかく説明は野暮な漫才な訳です


そんなスタイルを進化させて、M1敗者復活まで勝ち上がったのは何とも感慨深いモノがある。実際このネタの2人は以前俺が見た時より遥かに面白くなっていた

圧倒的にボケが増量されてて、1つ1つの切れ味テンポが凄まじい。谷口田中の高低差ある声のハモりはやみつきになるほど気持ち良かったし、刺さる人にとっての中毒性が凄まじい漫才だったんだよね。そして俺は刺さる側の人間だった(以下台詞引用)

「こいつ~100%言う気~!!」「バンズ♪パティ♪トマト♪ピクルス♪インテル♪バンズ♪」「左折の妖精”ウィンカーベル”!!」「ナイキ!」「見て!大きい草冠!!」「perfumeじゃナイで~す!!」「おじゃる丸尺返せ~!!」「perfumeで~す!!」……等々


正直この2人が決勝で漫才してるビジョンが全く思い浮かばないんだけど、見たいか見たくないかで言ったら絶対見たい。カッコ良いPVをバックに変顔しながら上昇する2人を見たい。M1の例の出囃子と共にドッタンバッタン脚上げて出場してくる谷口を見たい。大観衆と審査員の見てる前で「谷口です!田中です!フースーヤです!!」を披露して拍手を浴びる瞬間を見たい。来年で2人は結成8年目な訳だけど……見れるかなぁ……見たいなぁ……




以上。敗者復活戦21組の感想でした

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