スピーディ勝利エンド後日談
シャイニーホワイトが神速怪人スピーディに敗れてから数週間の後。
クロノギヤールの攻勢は苛烈になり、守護者を失った人類は劣勢を余儀なくされていた。街には外出制限令が敷かれ、食糧購入などの必要最低限のケースを除いて道からは通行者が消えて行った。
けたたましいサイレンが鳴り響き、何処かで破壊音が炸裂する。壊れてしまった日常の中、シャイナは母・ビトリーが不在の間スピーネの元へ預けられていた。
「……」
以前のシャイナであれば、警察よりも早く現場へと駆けつけて勇ましく戦っていただろう。だが、もうその力も勇気も、彼女の中には残っていない。今のシャイナは、騒音に怯えて身体を震わせる、か弱い少女でしかなかった。
「ただいま」
「!」
帰宅を告げるスピーネの声。それは、シャイナがシャイニーホワイトの力を捨ててまで守ろうとした、仮初の平和の証。
「おかえりなさい、スピーネお姉さん!」
「ああ、ただいまシャイナ。んっ」
出迎えもそこそこに抱き合い唇を重ねる2人。優しく啄むようなキスを重ねつつ、スピーネは闇の力をシャイナへと注ぐ。
(ふあ……これすきぃ……♡)
欲を滾らせる闇の力に恍惚となりながら、シャイナは濡れ始めた股をスピーネへと擦り付ける。
「ぷは……なんだ、またしたくなったのかい?アタシは荷物置いてくるから、先に準備してな」
「うんっ♡」
無邪気に喜び寝室へと向かうシャイナを横目に、スピーネは買い出しの荷物をキッチンに置くと深い溜息をついた。
「……分かってるだろスピーネ、あの子だけは……!」
ギリ、と強く自分を抱きしめて言い聞かせる。
かつてシャイニーホワイトだった少女。自分の手で破壊し、しかし消え去る事なく残り続ける愛おしい少女。神速怪人スピーディとして正義感を破壊してなお、キラキラとした存在に映る少女。
そんな彼女を、もしまたこの手で、今度こそ跡形もなく破壊したのなら
「あ゛ぁっ!!!」
強く自分の頭を壁に打ち付けて衝動を抑え込む。前回は『シャイニーホワイト』だったから壊しても無くならずに済んだのだ。もしまた欲望の赴くままに破壊すれば、今度こそ『シャイナ』は消えてなくなってしまうだろう。
「あの子はあれで完成してるんだ……もう壊す必要なんて無いほどに美しい、そうだろうが……」
荒い息を落ち着かせながら自分へと言い聞かせる。シャイナがいなくなれば、それはきっと『スピーネ』自身の崩壊に繋がるから。
荷物の整理も後回しにして、スピーネはシャイナが待つ寝室へと足を運んだ。
「ごめん、待たせたね……?」
「んっ♡お姉さ……ひぁ!?」
寝室の扉を開けた先。1人用のベッドの上では、待ちきれなかったのかシャイナが胸と股を弄り自慰を始めていた。
「全く、仕方のない子だねぇ」
慌てて秘所を隠すシャイナのいじらしい姿に笑みを溢すと、スピーネも着ているライダースーツを脱ぎ捨ててその肢体を顕にする。
「ふわぁ……♡」
既に裸体を幾度も見た事のあるシャイナも息を飲む程の美しさ。引き締められたウエストはバストとヒップの豊満さを引き立て、それでいてハリのあるシルエットが力強さを印象付ける。
「さ、始めようか」
「うん……♡」
仰向けに寝るシャイナを跨ぐ様にスピーネが乗り、2人の時間が幕を開ける。
「あ……♡ふ……♡」
怪人化した時とは異なり、優しくしなやかな手付きでシャイナの胸と太腿を愛撫する。
スピーネのゴツゴツとした指が、シャイナの年には不釣り合いなほど豊満な胸を掴み形を変えさせる。
ハリのある太腿を手のひらで撫でる度、甘い刺激にシャイナは体を震わせる。
勿論、これは唯の前戯ではない。クロノギヤールの闇の力を浸透させるように、ゆったりと摺り込むように注ぎ込む。その刺激さえ、今のシャイナにとっては快感として伝わっていく。
「もっ……♡とぉ♡」
「分かってるよ、欲しがりさん」
やがてもどかしい快感に我慢が出来なくなったシャイナが、更なる刺激を求めてスピーネにねだる。闇の力により欲望に忠実になったその姿を慈しむように微笑み、スピーネは手つきを変えていく。
「あ♡それ♡それすきぃ♡」
太腿を撫でる手は、付け根を伝い桃のような尻へ。弾力のある肉を掴む度、シャイナは被虐に身を捩らせる。
胸を掴む手は、その頂点にある淫らな突起へ。先端を爪弾き扱く度、シャイナは甘い鳴き声をあげる。
「可愛いよ、シャイナ」
「ひぅ♡」
耳元で愛を囁けば、恋する乙女のように顔を喜悦に染め上げる。
どれもシャイナと交わるようになってから知った、彼女の弱い所。
あれだけ自分と死闘を演じた筈の少女をこうして可愛がり、自分の手の中でよがらせるのは、愉悦で、滑稽で、物足りな
「………っ!!」
「……?スピーネお姉さん……?」
「ううん、なんでもない………なんでもないよ」
分かっている。これ以上を求める事は出来ない。
あの勝利から何度も身体を重ね、交わり、その中で自分が本当に満たされた事はない。それでも、これ以上彼女に壊れる事を望む事は出来ないのだから。
「さ、そろそろ終いだよ。れぇ……♡」
「ふぁい……♡はむ、ちゅ……♡」
スピーネが突き出した舌に、シャイナが小鳥のように吸い付き、舌を絡める。互いの秘所が重なり、ゆっくりと擦れ、淫靡な水音を立てる。
蕩けるような快感の中、互いが互いを貪りあい、そして、
「〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
シャイナの腕が強くスピーネを抱き寄せ、同時に愛液を噴き出しながら身体を大きく震わせる。それがいつもの、終わりの合図。
「……お疲れ様。可愛かったよ」
頬に優しく口づけをするスピーネ。彼女はまた、達する事なく交わりを終える。もう彼女がシャイナで満たされる事は二度とない、それはスピーネ自身が良く理解している。滾った欲望は怪人として、また破壊を繰り返す事で発散するしか
「……まっ、てぇ……♡」
「……シャイナ?」
それは、今までに無かった事。快感が頂点に達したシャイナはそのまま気を失い、後始末をつけてあげるのがいつもの流れだった。なのに、今日はシャイナが声をかけて来ている。何故、とスピーネが振り向くと、
「おね、がい……♡してぇ……♡」
息も絶え絶えに、秘所を広げて見せるシャイナの姿が目に飛び込んだ。
「…………何、して………?」
ゴクリ、と。無意識のうちにスピーネは生唾を飲み込む。
「私、知ってるの……♡スピーネお姉さん、いつも、私を抱いてくれて……♡でも、満足出来なくて、苦しいって………♡」
広げた秘所からは蜜がどろりと溢れ出し、壁は何かを欲しがるかのように蠢いている。
「………ダメだ、そんな事、したら……アタシ、は……♡」
壊したい。
一時の衝動に身を委ね、内に燻る衝動に火をつけて。
目の前の愛する少女を、欲望の赴くままに、嬲って、犯して、抱き潰したい。
「あんたを、壊したく、なんか………♡」
身体中に跡を残したい。潰れる程に胸を揉みたい。破裂する程に尻を叩きたい。折れてしまう程に脚を絡めたい。千切れる程に体を抱き締めたい。
「……いいの……♡お姉さんが、それで、気持ち良くなれるなら……♡」
上気した頬。潤む瞳。これから何が起きるのか、本気で理解しているのか。愛する少女を壊したくない、その最後の砦であるスピーネの理性は。
「……お願い……私を、こわしてぇ……♡」
あろう事か、守りたい筈の少女によって、粉々に破壊されてしまった。
「……う、っ、わああああ!!!」
「きゃっ!」
欲望に飲まれたスピーネは、獣のようにシャイナを押し倒すと闇の力により道具を作成する。
「ふーっ、ふーっ♡」
「わ、あ…♡」
それは、凶悪な形をした張形。太く、長く反り立つそれは、目の前の雌穴を破壊する為の武器。
持ち手に当たる箇所をスピーネ自身の秘所にあてがうと、まるで体と一体になったかのように埋め込まれる。そしてそのままスピーネは、
「お姉さん……♡来てぇ♡」
導かれるまま、シャイナの秘所を貫いた。
「あ、ああああああっ♡♡♡」
これまで誰の侵入を許した事もない神聖な箇所。そこをすり潰すかのような凶器に貫かれ、シャイナは涙と血を流しながら快感に撃たれる。
「あはぁ……♡」
その、叫び声が。性器を蹂躙する感覚が。スピーネの中で抑え込まれていた衝動を呼び覚ます。
「シャイナ!シャイナァ!!」
「おごぉ♡おひ♡ひぎぃぃ♡」
シャイナの名を叫びながら、腰をドンドンと打ち付ける。突き上げる度にシャイナの子宮が押し潰され、引き抜く度に膣壁が削り取られる感覚が伝わる。
噛み付くように胸にむしゃぶりつき、引きちぎるように肉体に吸い付き、割れんばかりに尻を打つ。
その衝撃から織り成される快感は立ち所にスピーネの脳を塗り潰し、
「イッぎゅうううう♡♡♡」
「シャイナぁぁぁぁ♡♡♡」
初めて、2人を同時に絶頂へと導いた。
だが、どれだけの責めを受けても、決してシャイナが真に壊れる事はない。
何故なら、シャイナに注ぎ込まれた闇の力が、シャイナの「スピーネを満足させたい」という欲望に応え、彼女の体を強化しているからだ。
そしてそれ故に、2人の交わりは一度では終わらない。
「もっと♡お姉さ♡もっとしていいよぉ♡」
「シャイナ♡ああ♡シャイナぁ♡受け止めてくれぇ♡」
シャイナを押し潰すように貫き。
「あひぃん♡おひりぃ♡ぎゅってされてるぅ♡」
「この♡このぉっ♡まだまだぁ♡」
獣のように後ろから貫き。
「あっあっあっ♡とんじゃう♡とんじゃうよぉ♡」
「飛べっ♡トんじまえ♡全部飛ばしちまえっ♡」
下から突き上げるように貫き。
「ぎゅーって♡お姉さんにされるの♡しあわせぇ♡」
「こんなに近くで♡シャイナを感じてる♡はぁぁ♡」
抱きかかえながら貫き。
幾度となく絶頂へと達しながらなお、2人の交わりは止めどなく続いた。
「あ………へぇ………♡」
未知の快楽に脳を焼き尽くされ、悦楽に顔を蕩けさせてシャイナは気を失う。その体は互いの汗と愛液とが混ざった汁に塗れ、ドロドロに汚れきっている。
「シャイナ……♡ああ、シャイナ……♡」
スピーネもまた、欲望の全てをシャイナにぶつけて満ち足りた悦びを顔に浮かべる。
これから先、また同じ様に2人は体を重ね、スピーネが吐き出す欲望をシャイナは受け止め続けるのだろう。
それはつまり、シャイナはスピーネに壊され続ける事を意味している。だが、それはシャイナが望んだ事でもあるのだ。
もうスピーネは、破壊欲求に悩む必要はない。いつだって、シャイナはスピーネに壊されてくれるのだから。
皮肉にも。1人の悪はかつての正義に受け止められて。壊したいと愛した者が、壊されたいと愛した者に救われたのだ。
「シャイナ……♡ありがとう……♡アタシを、愛してくれて……♡」
正義の力を失ってなお、自分を救ったヒロインにスピーネは軽く口づけをする。
窓の外の喧騒も遠く、そのままベッドの上の2人だけの平和に微睡むのだった。