スゴク=トチュウ
※ヤクト・ドーガの中でシュミレーション中のギュネイ(描写が思い浮かばず、断念。)
「ちょっとだけ」
そう一言だけ呟いて、コックピットに眩いほうき星色の髪をした少女が入ってきた。
「どうしたんだ、いきなり」
「ン……別に。アンタには関係ないよ。 ただ……」
「ただ……?」
彼女は俺に少しだけ目線を向け、また反らした。どうやら何かあったらしい。
「話なら聞くけどさ、他の奴らに見世物にされるってのも癪だろ。」
ほら、もっとこっちに。そう促すと、少女は小さくうなずいて俺の膝の上に腰を下ろした。胸の中に収まる体温を感じながらパネルを操作する。コックピットのハッチがぎぃっといいながら閉まっていく中、一人の整備士と目線がかち合った。整備士の男は一瞬で目を丸くして、慌しく動いたと思えば口笛を吹く動作をしながらどこかに消えていった。
(明日から流言飛語の嵐だな、これは。)
ああいう連中は男女のカンケイというヤツが大好物らしい。……嫌な予感が脳裏をよぎったが、今は厭らしい"俗事"に囚われるよりも彼女の悩みを聞いてやることのほうが大事だろうと思考を切り替えた。平時ならば、強化人間にだって感情の制御くらいはできるのだ。