スクリプト一覧

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シン・セー『特殊な種について』

GUNDは基本的に母体から採取したものを加工して使用すること。ただし、もし誰かが花の真実に気づいてしまい、あまつさえそれを広めようとした場合、我らが神のお力を貸していただくこと。我らが主が直接植えられた種は、人間の狂気を糧として、人間の狂気を咲かせる。やがて宿主を狂気と花で飲み込んで、完全に死に至らせてから、一番近くにいた別の人間に寄生し直すだろう。

シン・セー『GUNDクローンについて』

人間の生活や行動を学ぶため、人型GUNDの開発に着手した。

方法1:母体から採取したGUNDの利用(失敗)

4歳程度の姿で肉体を維持できなくなり崩壊してしまう。元となった地獄の植物の力の影響が強くなりすぎてしまうらしい。失敗作は教会の飼育槽にて実験用に保管。

方法2:人間との直接的な交配(失敗)

手頃な女性を拉致し生殖器に母体から採取した種を植え付ける。実験終了段階で32%の確率で人型のGUNDとなるが、やはり四歳程度で自我を保てなくなってしまう。また、女性が抵抗するため殺してしまうことも多々あり。

方法3:(未定)

備考:現段階では主が直接お作りになられた人型GUNDを偵察用として送り込んでいる。ただし該当個体はほとんど人間と変わらない自我を持つため、早急に代替案を用意すること。

文面だけでも非人道的な実験を行っていると理解すると同時に、理性がこの実験を受け容れたくないと拒絶する。これが本当に人間の行うことなのか、いや人間ではなくなにか違う生物の実験なのではないかと、頭の中で様々な思考が交錯し、いやでも恐怖に駆られる。SANc0/1d2

廃工場、ペトラ『GUNDを利用した武器について』

シン・セーのGUNDを購入し研究。遺伝子組み換えにより、なんとか類似品を生み出すことは成功した。しかしそのままではだめだ。商品として成り立たせるために、自衛用の武器や交渉用の催眠器具として利用できるように調整。成功。副作用をなくすため、さらにシン・セーの情報を集める必要がある。

「そうッスね、……あ、最近、違法GUND、ってやつが流行ってるらしいッスよ!ただの噂なんで、詳しくは知らないけど……なんでも武器として利用できるらしいッス。あと、その使用者を狩る専門の部隊があるとか……?サスペンス映画みたいッスよね~」

廃工場『偵察部門職員一覧』

ぱらぱらとめくると、不意に手が止まる。

全く同じ顔をした二人の写真が並んでいるページがある。

それも、あなたの知っている、顔。エラン・ケレスだ。片方は『戦闘用:ファラクト』もう片方は『交渉用:シュバルゼッテ』と書かれている。つまり、……考えたくない、嫌な予感が身を刺す。

スレッタの家『スレッタの手記』

子どもが書いたような文字で、以下のようなことが書かれている。

あなたがこれを見てるということは、私はうまく隠れられているんだとおもいます。

大丈夫ですよ、ミオリネさん。私は無事です。協力してくれる人がいたので、そのひとにお願いして、誰にもみつからないところにいます。怖いことも痛いこともないので、安心してくださいね! ……そして、本当にごめんなさい。みんなに黙って、突然いなくなってしまって。心配してくれましたか? そうだったなら、少し嬉しいです。でも、ごめんなさい。私のことは忘れてください。私のことは忘れて、ただの日常を過ごしてください。大切なひとを、こんなに恐ろしいことに巻き込みたくはないんです。

だけど。

……もしあなたが、勇気をもって、私に協力してくれるなら。

それを、示してください。待っています。

スレッタ・マーキュリー

スレッタの家『エルノラの手記』

この世界は、人間が生きていくのに適している。だけどそれは、文字通り天文学的な確率の偶然が重なってうまれたことだ。私はそれが恐ろしい。ある日突然、全てが壊れてしまうのではないかと思って、怖い。

どんな状況にあっても、人間が生存できるように。私たちは特殊な器具を開発しようとした。その材料として利用するのは、知り合いが融通してくれた、自我を盛った不思議な植物だ。なんでも火星に裂いていた花らしい。これをなんとか品種改良して、利用できないだろうか。

カルド博士の実験により、植物の基本的な性質がわかる。人体に寄生する植物で、発芽するまでには特に影響はない。X線によって確認すれば外科手術によって取り除くことも可能だ。発芽すると、宿主の身体を引き裂いて粘液質の塊として噴出する。火に強いようだが、殺せないことはない。また、この粘液は不思議な力を持っているようだ。うまくやれば

失敗した失敗した失敗した エリクト エリクトごめんなさいエリクト ごめんなさい おかあさんがわるいの 私が ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

火星からやってきた神が微笑みかけてくる。彼女は聡明で、自分が人間として生きるためには、戸籍や今まで生きてきたポストといったものが必要であると、理解しているようだった。私という立場を明け渡せば、エリクトは助けてくれるらしい。だけど私は

エリクト ごめんなさい そのあしで 地面を蹴り上げ、空を駆けて どうか 自由に生きてね

フォルドの夜明け『グエルの日記』

ここにいる限り日誌をつけるようにいわれた。一言でもいいらしい。

俺は人を殺した。気づいたら目の前の男は人がやったとは思えないくらい穴ぼこになってて、俺は血の海の中にいた。だけども思い出せない。誰を殺したのかも、どうしてこんな残虐な殺し方をしたのかも。それどころか、今までの記憶さえも。聞いた話だと、俺が手にかけたのは、実父、ヴィム・ジェタークらしい。俺は父を殺したのか。それと、かつての自分の記録から、スレッタ・マーキュリーという人物が大切であったこと、ラウダ・ニールという人物と血縁関係にあったことだけはわかった。が、それだけだ。それ以外は、なにも。なにも、ない。わからない。さみしい。怖い。

しかし、こうして言語化すると、考えが整理される。記憶を取り戻す手掛かりになるかもしれない。これからも続けていこう。

フォルドの夜明け『違法GUNDについて』

主な製造元:ペイル社

パターン:スタンガン型、拳銃型、メリケンサック型、芳香型等様々

共通点:犠牲者は精神が摩耗していることが多い

備考:違法GUNDを利用している者は「髪」「腕」「首筋」のいずれかに異様な形状が出ることが多い。どちらにせよそれを判断するのはプリンスと、その上司だ。彼から指示されるか、そうであることが明白な者だけ捕縛すること

フェルシー『ヴィム殺害の不可解さ』

「あっそうだ……知ってますか?実はヴィム・ジェターク……ラウダ先輩のパパって、行方不明じゃなくて、不審死なんですよ!私を誘拐した人たちが言ってたから、間違いないです!……でも、なんでそんな利点がないことをするんでしょう?そもそも、なんで死んじゃったのかな……」

教会『スレッタ・マーキュリー』

我らの神が作りたもうた紛いもの。主に対して従順ではあるが、一般的な人間の感覚を持ってしまったせいか、我々には恐怖心を抱いているらしい。シン・セー以外でGUNDを研究・製造・販売する競合他社が出てきたため、そのうちのどれかと人間あるいは他者の偵察がてら縁付かせる。生殖能力や生体について露呈する危険性、『医療用GUND』の有用性も考慮し、同年代の女性である『ミオリネ・レンブラン』ないし株式会社ガンダムに決定。一般社員には、エリクトが死んだ際のスペアとして説明すること。

教会『プロスペラの手記』

火星にいるのも飽きた。ので地球に移住することにした。

娘が地獄の植物に寄生されて、困っている人がいたから助けてあげて、その存在として成り代わった。平和的に移住したいため、人間について調査したい。それと、私の子どもたちで世界を満たしておきたい。別に全人類を信者にしたいわけじゃない。安穏に生きられればそれでいい。あと千年、眠るまでの余暇を過ごしたいだけだもの。

私やアイハイ族の子たちのことを知ってしまった人間がいたらしい。それを公表して、私たちを貶めようとしているのだとか。そうなっては私はここにはいられなくなる。彼には特別な種を植えてあげましょう。これでうまくいくといいのだけれど。

エリクトが変質していた。あの子を燃やすとGUNDは消えるし、私も火星に追い返されてしまう。スレッタ一人でこんなことができるわけない。残された感覚から察するに、あいつね。……なら、私にはどうにもできない。いえ、頑張ればできるだろうけれど、別に今すぐ移住したいというわけでもないし、そうなったらさっさと出直しましょう。いたずらに地球を破壊することはしたくないわ。

プロスペラ・マーキュリーは……ヴルトゥームは、あいつと違って優しいんだから。

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