スカサハからの結婚報告
コンコンコン……ガチャッ
誰だ?
…ああ、マスターか入ってくれ。
ハワトリアに来たということは半年分の報告書をやっと片付けたのか?
はぁ、全く…こういうのは鍛錬と同様日々の積み重ねだ、いい加減仕事を溜め込むなと何度も言っただろうに…。
むっ?何を驚いて……ああ、この腹か。
まぁ…色々あって、フェルグスの妻になった。
この腹は彼奴との間に出来た子だ。
式もこのホテルで挙げてな。
まぁ式とは言っても新郎と新婦だけで誓い合っただけが…写真もあるぞ?
新婦多くない?……私含めて7人だからな、仕方ない。
正直な話7人でも夜の彼奴相手では足りん位だ。
まったく、性豪とは知っていたがあそこ迄とはな…。
他の妻達か?
今の時間だと母体の健康のためにホテル周辺を散歩していると思うぞ?
ナイチンゲールは私と同じく身重にも関わらず仕事に向かった故、夫…フェルグスの奴が無理をせぬよう監視している筈だ。
んっ、すまん。
腹の子が蹴ってな……父親か私どっちに似たのやら。
という訳で、迷惑を掛けてすまんがこの特異点の調査には私達は同行する事は出来ん。
しかし、この特異点は時間の流れが外に比べて早い故、ここ以外でなら迷惑を掛けずに協力できるだろう。
おっと、そうだ。
折角だから、この子を撫でてくれ。
きっと、良い子に育つ筈だ。
ふふっ、手が震えてるぞ?
そんなに怖がらなくても私と彼奴の子供だ、柔な子ではないさ。
お幸せに?
涙ぐむ程喜んでくれるとは、逆に面映いがのだが。
……ああ、ありがとうマスター。
