ジャヤ島inアド2

ジャヤ島inアド2

ロッシが引退してさみしい。

ジャヤで久しぶりにルフィと再会したアドだったが、麦わらの一味の話しからエースが黒ひげとぶつかるまでもう時間がないことを知り、浜辺で頭を抱えていた。

"姉を探すかエースを止めるか"

アドは、しばらく会えなくなるからと仲のいい白ひげ海賊団に挨拶に向かった時のことを思い出していた。



白ひげのお気に入りの酒を持ってモビーディック号が繋がれている島に訪れたアドは、ひとしきり歓迎された後、白ひげと1対1で話していた。


「グララララ!まさか赤髪のハナタレボウズが娘に家出されるとはな。」

訳あって大喧嘩の末家出したことを白ひげに伝えた。

「あはは…私にも譲れないことはありますから。それが父であっても。」

「まぁ詳しくは聞かねえが、お前が家出するほどだ、赤髪が娘に対してケジメをつけられない、はっきりしねぇことがあるってところだろう?」

「概ねそんな感じですね…ところでエース君はどこにいるんですか?サッチさんの姿も無いですし…。」

「エースは…俺が頼んだとある任務のために動いてるところだ。サッチは訳あって船を降りた。すまねぇが、二人とも今はここにはいねえ。」

「そう…ですか。」

父である赤髪と同じく、見聞殺しができるほど見聞色の覇気を鍛え上げているアドは、白ひげの僅かな感情の揺らぎを見逃さなかった。

ひとしきり話しを終えたアドは、船内の医務室にいたマルコのところへ向かった。

「マルコさん久しぶり。」

「おおアド、久しぶりだよい。心臓の調子はどうだ?長旅の前にちょっと診てやろうか?」

「じゃあお願いしちゃおうかな。」

一連の検診を終えた後、アドは話しを切り出した。

「マルコさん。エース君とサッチさんに、何があったんですか?」

「オヤジから聞いてなかったか?エースは…。」

「教えてくれませんか?エース君は、本当はどうしてこの船にいないんですか?白ひげのおじさんの感情も揺らいでましたし、何か大きなことが起きたんじゃ…。」

「…お前に隠し事はできねえな。わかった、全て話す。あの日―――」

アドは白ひげ海賊団に、そしてエースに何が起きたのかを全てを聞いた。



(お姉ちゃんを探したいけど、今は…)

アドがエースを止めることを優先することを決心したその時、持っている電電虫が鳴った。

(…赤髪海賊団から通信は切ってるはず…誰だろ?)

「久しぶりだな、赤髪の娘よ。」

「え…ミホークさん?」

「赤髪が娘を見なかったかとここ数ヶ月うるさくてしょうがないんだが、どうやら元気そうだな。」

「あ~ご迷惑を…。ミホークさんから電話をくれるなんて、何かあったんですか?」

「いや、先程まで七武海の召集に応じていたんだが、その場にラフィットという男が現れてな。その男が、黒ひげ…ティーチという者をクロコダイルの後釜に推薦したいと申し出ていたんだが、お前はこの男を知っているんじゃないか?」

――まずい。

ティーチの目的は七武海になること。奴は目的の為なら、例え仲間でも手にかける男だ。そして、クロコダイルを倒したルフィが目と鼻の先にいる。それに気付いたとしたら…?いや、気付かなくても狙うはず、ルフィの懸賞金は1億だ。

「ありがとう…ちょっと急いでるからまた今度ね!」

アドは駆け出した。





















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