シートベルトをご着用して下さい
99号総力戦 Aモモイは現在悩んでいた。プロトがCMで見たおもちゃが欲しいと言い、本当なら部員全員で出かける予定だったがアリスとケイがケンカしてしまったのだ。ミドリが仲裁に入り、ユズはロッカーに引きこもってしまった。このままだとプロトも泣きじゃくりそうだったのでミドリに「2人で行って来て」と言われたので2人で買い出しに来たのだった。プロトは「モモイお姉ちゃんとお出かけ〜♪」と上機嫌だ。プロトにお姉ちゃんと慕われるのはいい。何故か他のみんなにはお姉ちゃんと呼ばないんだけど…まあ、私はみんなのお姉ちゃんだからね!
それはそれとして、2人で歩いてる時に視界にゲーム屋さんを捉えた
(あー、最近ゲームやってないなあ…)
そう思った瞬間に気づく
(あれ?本当に最近ゲーム出来てないや)
最近の事を思い出す。部室ではミドリからゲームのストーリーを書く事を催促されたりアリス達(主にプロト)にじゃれつかれ、アリス保護財団に呼ばれるとそこにいる量産型アリス達(多すぎてちょっと引いた)全員ではないが500体程の遊び相手になったりしたため自分1人の時間を持てていない。最新作のゲームの把握もできていない事にゲームをしたい欲が湧き出てくる
(買ったゲームも積まれていってる気がするし…ぐわー!ダメだ!そりゃ私はみんなのお姉ちゃんだけど私だって花の女子高生なんだからゲームしたいんだよっ!)
「よしっ!プロト、オモチャ買ったら急いで帰る…よ?」
モモイが振り返った時、プロトの姿が無かった
「プ、プロトーーー!?」
「むーーーっ」
プロトは1人で不機嫌な様子でおもちゃ屋まで向かっていた。せっかくモモイと2人で買い物に来たのにゲーム屋の前でモモイが固まってしまい、いくら声をかけてもこっちを見てくれなかったからだ
「モモイお姉ちゃんのバカ。……?」
不貞腐れながら歩いていたプロトは止まっていた車が視界に入り気になった。トラックなのだが後ろはカーテンで隠されており、その隙間から量産型アリスが乗っているのが見えた。近づいてめくると中には12体のアリスと機材があった。プロトは見慣れぬ物に興味を持ち乗り込む。全員スリープモードなのか誰もこちらを見ない。しばらく見ていると声が聞こえてきた
「遅いぞ。極秘作戦だってわかっているのか?」
「仕方ないじゃん。急に防衛室長代理に『Alice』部隊を運べなんて言われたんだから」
「しっかし、防衛室長が可愛がってたからってなんで私達がロボットに従わなきゃいけないんだろうね」
「ほら喋ってないで行かなきゃ小言言われるよ」
「誰のせいだとー」
エンジンがかかり振動を感じたプロトは慌てて降りようとして一体のアリスにぶつかる。倒れたアリスがプロトの足に引っかかって思うように動けない
「そんな「プロトーー!」——ツ!?」
泣きそうになっていたプロトの耳にモモイの声が届く。モモイが必死に走りプロトへと手を伸ばす。プロトもまたモモイに手を伸ばし
「うわっ危なっ!って私の銃が?!——プロト大丈夫?」
なんとかトラックに乗れたモモイは銃を落とした事に気づくもすぐにプロトの状態を確認する。そして何ともないことを確認すると安堵と息を吐く
「良かったー。…ていうか後ろが騒がしいのに全然反応ないじゃん!ちょっと文句言ってくる!」
文句を言おうとして運転手の近くへと行こうとして
ガタンッ
「わっ」
車体が一際大きく揺れると一体のアリスが倒れて『ゴチンッ!』とモモイの頭にぶつかり良い音を鳴らした
「———キュウ」
そのままモモイは気絶してしまった
「モ、モモイお姉ちゃーん!」
こうして2人は運ばれていく。ある舞台へと
「…ええ?」
2号お姉ちゃんからゲーム開発部の監視を頼まれていた3号はカメラ越しに一連の事を把握していた
(何故連邦生徒会の輸送用トラックがあるのでしょうか?)
疑問が湧くがとりあえずトラックの行方を追う事と、2号お姉ちゃんとユウカ代表に連絡を入れる事にした。
——流石にサボりませんよ?