シュラリズセッ久バトル編
眠っているシュライグに影がかかった。
鉄獣戦線のリーダーとして戦っていた姿からは想像できない程無防備な寝顔、その瞼をそっと手が覆う。
「だーれだ?」
「フェリジット」
即答だった。
あったりー、とフェリジットは同じベッドに潜り込む。シュライグも目を閉じたまま、彼女の身体を優しく腕で包むように姿勢を変えた。
「お疲れ様シュライグ。一緒に寝ていい?」
「フェリジットこそお疲れ様。…疲れてるか?」
「シュライグほどじゃないわ」
よしよしとフェリジットの手がシュライグの身体を撫でる。彼は薄く目を開け、恋人を抱く腕に力を込めた。
「……したい。いいか?」
「大丈夫なの?」
「そんなことされたら元気になるだろ」
フェリジットの顔が近づく。シュライグは再び目を閉じた。
一組の男女が、一糸纏わぬ姿で折り重なっている。
お互い大きく口を開け、ちゅう、じゅるっ、と音を立てて溺れるようにキスを交わしていた。覆い被さった男が女の腰を、脇を羽のように柔らかく撫でる度に女はビクンと跳ねる。
やがてその手は胸に辿り着き、その豊満な肉房を堪能するように揉みしだく。頂にある桃色の蕾を転がされ、吸い付かれ、フェリジットは「ひゃあ…っ、ぁ… ん…」と細い腰をくねらせて喘いだ。
「シュライグ…私も…」
フェリジットが既に熱り立っているシュライグのペニスに手を添える。今度は私が上になる、と体位を変えようとするが、シュライグは頑として動かない。
「私もシュライグを気持ちよくしたい」
「俺は気持ちよくなってくれてるフェリジットを見たい」
平行線である。フェリジットはむー、と赤らむ頬を膨らませた。桃のようだ。
「ふん…。じゃあ勝負しましょ」
「なんのだ?」
「先にイった方が負け」
「ほう…。フェリジットが俺に勝てるとでも?」
蒼い瞳を妖しく光らせ、シュライグは獰猛に笑う。普段の彼を知る者は驚くだろう。フェリジットにしか見せない、肉食獣の笑みだ。
「以前は私にボロ負けだった癖に…。さあ来なさい」
フェリジットも妖艶に笑った。舌舐めずりまでしてみせる。
このところ先にイカされっぱなしの彼女も努力していた。その手の本やらビデオやらをこっそり鑑賞して脳内のシュライグ相手にイメージトレーニングしていたのだ。今のシュライグも当然好きだけど、付き合い始めた当初みたいなかわいいシュライグともまたしてみたいなあと妄想にふけりながら。
前戯は終わりだ。二頭の獣、その蒼と金の瞳が獲物を仕留めんと鋭く光った。